『価値の探究者たち』 ロナルド・W.チャン(著)「価値の探究者?」これってなんの本この本のタイトルは、「価値の探究者たち」。一体何の本なのかタイトルからは、はっきりとしたイメージがわかなかった。表紙の絵もどういう意味合いを持っているのか不明瞭でした。投資関連の読み物であるから、投資にかかわる話であることは間違いないわけなのですが。しかし、読んでみるとその意味がよく分かります。この本は、『バリュー投資』に関する本でした。投資する先の本質的価値に注目し、その価値よりも安く売られている資産を買うというバリュー投資というスタイル。そのバリュー投資を実践している複数の著名投資家たちの物語がこの本の中にあります。なぜバリュー投資というスタイルに行きついたのか。バリュー投資という考え方と人の生...2023.02.16 03:15本を読もう!投資、資産運用の本
『ウォーレン・バフェットの生声』デイヴィッド・アンドリューズ(著)投資でもっとも大切なこと。「投資でもっとも大切なことは、理論でもデータでもなく、哲学だ」と改めて思わされる本。今では、現代ポートフォリオ理論やCAPMなどの金融の科学的理論を用いて運用するスタイルが多くなってきました。多くの投資信託や最近人気のロボアドバイザーといった投資商品だけでなく、投資や資産運用のアドバイスを行っている投資アドバイザーやファイナンシャルプランナーといった人たちまで、現代ポートフォリオ理論などをもとにアドバイスを行っています。でも、実際の投資の現場ではそれでは解決できない問題を多く抱えている。しばらくうまくいっていたことでさえ、突然通用しなくなることもあったりする。もちろん現代ポートフォリオ理論もその一つであると...2023.01.29 00:59本を読もう!投資、資産運用の本
『個人投資家もマネできる 世界の富裕層がお金を増やしている方法』志村 暢彦(著)お金を増やすポートフォリオの作り方ポートフォリオは、『保守的な投資』と『積極的な投資』、そして『超積極的な投資』で運用する。配分比率は、保守5:積極3:超積極2。いわゆるコアサテライト戦略という手法だと思われます。一般的なコアサテライト戦略が保守7:積極3のような保守的なものなのに対し、本書での資産配分は、若干攻撃的な資産配分です。しかも、通常の保守的な運用では債券などの価格変動のあまり大きくない資産をすすめるなかで、本書では、保守的運用から株式投資のポートフォリオを進めています。そう考えると、かなり攻撃的なポートフォリオ運用と言えるのかもしれません。そして、積極運用ではオプション取引を利用する。では、超積極はどうなるのだろうと思う...2023.01.08 07:52本を読もう!投資、資産運用の本
『長期的バリュー投資の基本と原則 ――「低PER、低PBR、高配当」銘柄は裏切らない』ジム・カレン(Jim Cullen) (著)失敗しない株式投資の基本と原則この本に書かれていることは、株式投資の基本と原則です。この本に書かれていることがすべてではないとは思ってはいますが、多くの株式投資家が、この本に書かれていることを忠実に実行すれば、おそらく株式投資で大きな失敗をすることはほとんどなくなるだろうと想像できます。そして失敗しないということは、そこそこのパフォーマンスを手に入れることにもなるのでしょう。個別銘柄への株式投資を行って、平均的な成績という人は、おそらく少ないのではないかと思っています。平均的というのは、一般的なインデックスファンドと同等の成績を意味します。個別銘柄への投資を行っている人の話を聞いていると、インデックスファンドよりも優秀な人と、インデ...2022.12.14 06:30本を読もう!投資、資産運用の本
『キャリートレードの興隆 ――金融危機と株価暴落を引き起こす「犯人」が分かった! 』 ティム・リー 、ジェイミー・リー、ケビン・コールディロン (著)難しいけれど、重要なことが書いてある?はっきり言って、「この本、難しいな」という印象が強かった。だけど、難しくてよく理解できていない感覚なのに、「この話、無視できないな」と思う重要な視点だという感じも同時に受けました。この本の内容は、今までの経済学の視点とは違うのかもしれないけれど、株式投資などをやっている現場目線で見れば、とても的を得ていると思いました。現在の経済学の理論には、そもそも無理がある。これは、最近しみじみと感じていることです。経済学で示される話には、どこか腑に落ちないところがある。その原因が、経済学の考え方の根本に、「経済は”合理的”に動いている」ということがあるようです。経済を合理的に、数式で示そうというアプローチが...2022.11.28 02:36本を読もう!投資、資産運用の本
『3%シグナル投資法 ──だれでもできる「安値で買って高値で売る」バリューアベレージ法』 ジェイソン・ケリー (著)バリュー平均法という投資手法について書かれた数少ない本の一つドルコスト平均法は知っているけれど、バリュー平均法は知らないという人、結構いるのではないでしょうか?ドルコスト平均法とは、よくNISAやiDeCoなどで目にする『積立投資』の基本戦略になっています。「毎月25日に、30,000円で投資信託を買う。」といったような、定期的に同じ金額で積み立てする方法をドルコスト平均法と言います。このドルコスト平均法は、相場が下げているときには、口数を多く購入することができるため、リスクに強く、下落局面からの回復期では損失を取り戻すのが早くなることが大きなメリットです。また、毎月買い付けるという単純なシステムなので、実行もしやすいという所も魅力...2022.10.17 03:17本を読もう!おすすめの本投資、資産運用の本
『期待リターン(アンティ・イルマネン)』投資では、何が利益をもたらしているのか?「株式投資は長期的に高いリターンをもたらしてくれる。」という人がいる。でも、ずっと疑問に思ってきた、「高いリターンをもたらす投資であっても、割高な状態で買ってしまっては意味がないのではないか?」と。そんな疑問に対して、ひとつの答えを与えてくれる本。期待リターンが予測できるのであれば、期待リターンが高い時に投資した方がいいのは明らかです。そして、期待リターンが低くなっている時(資産価格が割高になっている時)に投資をすると、資産価格が暴落するリスクが高まっているということを考えておかなければいけない。言われてみれば当たり前の話で、誰にでも簡単にわかることなのですが、実践することはなかなか難しい。そ...2022.09.19 02:12本を読もう!投資、資産運用の本
『新しい! お金の増やし方の教科書 銀行も証券会社もFPも教えてくれない(篠田 尚子)』基礎知識を学べる。お金を増やす基礎知識のほとんどを学べる内容です。守りと攻め、お金を管理する方法。生命保険の入り方。iDeCoやNISA、ふるさと納税、だれでもできる節税の一般的な知識。そして、この本の筆者のもっとも得意とする投資信託の話。お金を増やすために学ぶべきことが、一から書いてある。まさに教科書的な内容です。ただし、ある程度お金の知識を持った人にとっては、ちょっと物足りない。これと言って、特別新しいことが学べるようなことは書いていない。お金を増やすためには、投資をすることだけでなく、お金の管理の仕方を考えることもとても重要。個人的には、2,000万円程度の資産形成では、投資よりもお金管理のスキルのほうが大切だと思っている。こ...2022.08.16 01:24本を読もう!投資、資産運用の本
『桁外れの利益をたたき出すトレーディング トレンドフォロー59の啓示 単行本(マイケル・W・コベル)』あまり読まなくてもいい本?タイトル通りなのかもしれないが、トレンドフォローという投資戦略の啓蒙本です。具体的なトレンドフォローの手法に触れることもなく、トレンドフォローという投資戦略がどういうものなのかということについての筆者の意見が、一冊まるまる書いてある。あくまでも、個人的な見解であって、研究論文などで根拠を示すこともなく、「私はこう思う」的な内容に終始しています。私自身、決してトレンドフォローという投資戦略を否定しているわけではないし、むしろ興味のある投資戦略ですらあります。しかし、結果的に本書を読んだことで、それほど有益な情報や知識が得られたという感じは受けませんでした。それも、私自身すでにトレンドフォローという投資戦略に興...2022.07.08 01:34本を読もう!投資、資産運用の本
『ゼロから学ぶモメンタム投資 ──長期的に市場を打ち負かす合理的な方法(アンドレアス・F・クレノー )』株式投資の戦略的アプローチ決定版?久しぶりに面白いと思える株式投資の本に出合えたような感覚でした。ほとんど一気に読んでしまいました。この本は、株式投資をするにあたって、何を選べばいいのか、何をすればいいのかが具体的に提示されていて、しかも、そのやり方がシンプルで簡単そうでもある。似たような感覚を持った本としては、個人的に株式投資におすすめの本と考えている。『株デビューする前に知っておくべき「魔法の公式」(ジョエル・グリーンブラット)』や『ダウの犬投資法 ──プロにも株価指数にも勝つ「単純」戦略(マイケル・B・オヒギンズ)』に近いです。投資で必要なのは、ロジックのしっかりした戦略であることと、その戦略をしっかりと理解して、長期的に実践...2022.07.03 02:42本を読もう!おすすめの本投資、資産運用の本
『投資の公理 ―非合理な人間が非効率な市場に挑むときの11の教訓(ポール・マーシャル)』非合理的な人間。「人間の行動は、決して合理的ではない。」これは、最近の経済学の話でもよく取り上げられている話です。行動経済学とも呼ばれていて、様々な研究がおこなわれ、ノーベル賞を取ったものも多数存在しています。そして、この合理的でないのは、なにも一人の人間に限ったものではなく、多くの人が集まった場でも私たち人は、同じように非合理的な判断をしているということも考えられるようになってきました。以前の経済学では、群衆となった人間は、合理的に判断および行動をしていると考えられていました。需要と供給の関係他、価格の形成、リスクとリターンなど、以前の経済学の理論の根底には、「合理的に判断している」という前提で、ものごとを考えられていました。ただ...2022.05.24 06:08本を読もう!投資、資産運用の本
『誤解だらけのアセットアロケーション―実務家のためのガイド(ウィリアム・キンロー (著), マーク・クリッツマン (著), デービッド・ターキントン (著))』アセットアロケーションの常識は的外れ?資産配分を効率的に行うことで、リスクを抑えながらリターンをできるだけ大きくするという投資理論、現代ポートフォリオ理論。その現代ポートフォリオ理論を使った投資戦略の肝とも言えるのが資産の配分割合を決める、いわゆる『アセットアロケーション』となります。その『アセットアロケーション』には、さまざまな常識とも言える知識が言われています。・資産配分を決めることは、運用パフォーマンスの8割以上を占めている。・長期投資はリスクを小さくする。・為替リスクは、できるだけヘッジしたほうがいい。・投資先は、時価総額加重平均型のインデックスが最適。などなど。これらの話は、投資に詳しい資産運用のアドバイザーなどから、多く...2022.05.06 09:41本を読もう!投資、資産運用の本