「資産運用は、長期投資で!」って話をよく聞きます。
しかし、その長期投資について、ちゃんと理解している人は、案外少ない。
買ったら保有しているだけの、「バイ・アンド・ホールドは、長期投資ではない!」のです。
長期投資とは、投資姿勢のこと!
『長期投資=バイ・アンド・ホールド』だと思っている人も少なくない気がします。
投資は、「買ったらそのまま保有しているだけでいい」なんて簡単なものではないと感じています。
確かに、偉大な投資家のバフェットも、買ったら、そのまま保有する「永久保有が理想だ」なんてことを言っていますが、あくまでも「理想」だということを、私達は忘れはいけません。
バフェットの投資の経緯を見る限り、言葉通りの理想となっているとは思えません。
永久保有という理想から見れば、かなりの頻度で売買を行っています。
永久保有なんて方法がとれるのは、良くも悪くも無難なインデックスファンドぐらいのものですが、そのインデックスファンドにも、最近は良し悪しが出てきて、それも「理想」となりつつあります。
つまりは、バイ・アンド・ホールドなんてのは、あくまでも理想であって、実際にはそうではない方がいいということです。
長期投資とは、バイ・アンド・ホールドを理想とする、投資姿勢のことでしかないわけです。
そのことをよくわかっていない人が多いと感じています。
実際の長期投資は、長期的な視野で、投資を考え、また長期的に通用するであろう投資戦略を持つことです。
決して、「長期で保有すれば良いんだ」なんて単純な話ではありません。
長期投資を全力で書いたというけれど。
本書の著者、澤上篤人は、長期投資を広めるために、全国で講演などを行っています。
私も、この方の本や講演で、『長期投資』というものに目覚めたような気がしています。
その人が、本格的な長期投資についての本を、力をいれて書いたというので、気になったわけです。
しかし、最初にこの方の本を読んでから、しばらく時間もたち、あらためて原点回帰のような気持ちで本書を手にしてみたのですが、思ったほど「よかった」という実感がありませんでした。
なんとも、残念な気分です。
もしかして、私の知識とスキルが上がったのか?
あまりこんなことを言ってしまうのもなんなのですが、本書帯に「年利5%を18年間続ける」とありましたが、このパフォーマンス、いうほど優れたパフォーマンスでもありません。
はっきりいって、『インデックスファンドと対してかわらないのでは?』という感じです。
そう考えると、投資運用能力としては、それほど高いというわけでもなく、あくまでも平凡ということなのかもしれません。
それに、本の内容が、筆者の意見をづらづらと続けているだけのような内容で、あらたな知識や気づきがあったということも、ほとんどなかった。
でも、案外長期投資というのは、理論ではなく、そんな曖昧な話のものなのかもしれないとも思いました。
長期投資とは、『哲学的なもの』なのかも?
『長期投資』を実践するために、必要な考え方として、筆者が言うところの『応援団』という捉え方は、必ず生きてくると感じています。
私自身、この『応援団』という捉え方によって、リーマン・ショックなどの大荒れ相場で生き残ってこれたのだと思っています。
市場が暴落し、市場はもちろん、ニュースも、経済環境も、自分の財布も、みんながみんな総悲観の状態で、投資を続けるというのは、理論だけで続けられるようなものではありません。
そんな中でも、投資をつづけられるのは、『自分のやっていることが、誰かの役に立っている』という正義感のようなものだけなのではないでしょうか。
だから『応援団』になるわけです。
投資をすることは、日本や世界の経済に役に立っている。
私は、世界を応援している。
そう思うことで、損失以上の感情をもって投資に向き合えるのだと思っています。
長期投資とは、理論だけではない、心の持ちようが重要なのかもしれません。
『世界の応援団』になるために、どのような視点で投資を考えたら良いのか、それがこの本の本題なのかもしれませんね。
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