株式投資のリターンは、約7%?『シーゲルの一貫性』

株式投資でどの程度のリターンが狙えるのか?

ウォ―トンの魔術師、ジェレミー・シーゲルは、自分の著書のなかで株式投資の長期リターンを調べると、一貫して6.5~7%という結果になったといっていました。

株式投資で10年で2倍は難しくない?

シーゲルの一貫性によると、株式投資の長期リターンは、6.5~7%のレンジで推移していたという話です。

この一貫性というのは、投資を始める時期がいつであるかのタイミングに関係なく、良い時期だろうが悪い時期だろが長期投資をしていると、一貫して6.5~7%のレンジで推移することになるというのですから、不思議な話です。

これが本当で、また、これからも同じ推移をすることになるのだとしたら、どうやら株式投資というのは、『10年で2倍になる』のが当たり前という話になってきます。

年利7%という利回り水準は、複利で運用すると、約10年で2倍になります。

20年だと、4倍、30年だと8倍です。

老後までに2,000万円をつくることも、決して夢物語ではなくなりますね。


しかも、この長期リターンの約7%というのは、実質リターンであるといっています。

実質リターンの、『実質』という言葉は、物価変動による通貨価値の下落を除いた、純粋に手にするリターンのことを言います。

対して、物価変動も加味して、計算したリターンは、『名目』という言葉を使います。


たとえば、物価変動率(インフレ率)が2%だとすると、実質リターンが7%ということは、名目リターンは、2%+7%=9% という事になります。

つまりは、円やドルといった通貨単位でみると、株式投資のリターンは、10%前後になってくることもあり得るという話になってくるわけです。

どうやら株式投資で資産を倍にするというのは、そんなに難しい話ではないのかもしれません。


リスクプレミアムという言葉。

株式などのリスク資産に投資をする時に、そのリスクに対してどの程度のリターンが期待できるのかを意味する言葉として、『リスクプレミアム』という言葉があります。


実は、シーゲルの一貫性ではないのですが、日本の株式市場のリスクプレミアムは、7~8%といった話もありました。

つまり、日本株という金融資産のリスクを取ることで、日本株に投資をしている投資家たちは、「日本株のリスクを取るなら、せめて年7~8%のリターンは欲しいところだな」と考えているというわけです。

意外にも、この数字もシーゲルの一貫性に近い。

実は、このシーゲルの一貫性で出てくる数字は、このリスクプレミアムの考え方そのもののようです。

つまり、シーゲルの調べでは、米国株のリスクプレミアムは、約7%となるようです。


このリスクプレミアムという考え方。

資産の価値を評価するCAPM(資本資産評価モデル)で利用されています。

このCAPMというのは、今では、金融に関する計算をする時に、よく使われる式になっています。


シーゲルの一貫性を間違って捉えてはいけない?

「いつのタイミングで投資を始めても、株式に長期投資をすれば、年間約7%のリターンが期待できる。」

間違ってはいないのかもしれませんが、捉え方を間違えると大失敗するかもしれませんので注意が必要です。

一番気になるのは、長期という期間についての設定です。


シーゲルが「シーゲルの一貫性」を見つけるにあたり、何年間投資した場合のリスクとリターンを計算しているのかがよくわかりません。

シーゲルの研究によると、株式投資というのは、20年超の長期投資になると実質リターンが安定し、損失のリスクが、債券や他の金融商品に比べて、低くなる傾向があるとの結果が出たと説明しています。

となると、シーゲルの一貫性でいうところの実質リターンが年6.5~7%というのは、20年超の長期投資をする場合という前提があるのではないかと思われます。


つまりは、株式投資は、一貫して6.5~7%のリターンがあるから、株式(インデックスファンド)に投資すればいいと結論づけられるものではないという事です。

「株式投資に、20年超の期間にわたって投資し続ける覚悟と時間があるかどうか?」が問題です。

しかも、20年間株式投資をして、シーゲルの一貫性が外れたとしても文句は言えません。

なぜなら、シーゲルの一貫性も、200年という長期にわたるデータによるものであったとしても、所詮は過去のデータです。

未来への証明にはなりえません。


また、もし10年程度しか投資をする期間を考えていなかったら、シーゲルの一貫性を信じるとえらい目にあう可能性があります。

20年超であれば、確かにシーゲルの一貫性が見られるのかもしれません。

しかし、株式市場というとことは、それ以上に大きな値動きをする市場だということを忘れてはいけません。

10年程度の利益なら、1年程度ですべて吹き飛ばしてしまうこともある、恐ろしい市場です。

シーゲルの一貫性を10年程度の期間の投資にも適用しようとすると、痛い目を見るかもしれません。


シーゲルの一貫性の発見は、株式投資をするものにとって、とても大きな意味を持つものだと思っていますが、あくまで、20年を超える長期投資をする場合の話であることを忘れてはいけません。

曖昧に捉えることによって、後でとんでもない目に合わないように、数字の意味をちゃんととらえる必要があるということですね。


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