マーケットを理解しよう! 新仮説、適応的市場仮説ってなんだ?

投資をするにあたって、株式市場や債券市場といった証券を取引するマーケットを理解していることは、とても有利になります。

そのマーケットの理解するのに役立つ新仮説、適応的市場仮説とは?

マーケットを理解するといえば、効率的市場仮説だったけど・・・。

マーケットを理解するうえで、とても重要な仮説であり、時には定義としても利用されてきた『効率的市場仮説』という考え方があります。

また、金融市場の証券の値動きに必然性はなく、ランダムに動いているということを説明した、『ウォール街のランダムウォーカー』という本は、投資の世界ではとても有名な本になっています。

そもそもこの『効率的市場仮説』とは、公開された情報はすべて公開されると瞬時にマーケットに反映されているという考え方です。

その反映されるスピードや強度などから、ストロング、セミストロング、ウィークといった分類で市場の効率性を分けています。

当然ですが、動くお金も参加者も膨大な株式市場の効率性は、ストロングであると考えられています。

このことから、情報などファンダメンタルで株式を選別しても大差して意味はないというのが、株式投資の通説になっています。


つまり、株価が上がるか下がるかは、予測できるものではないし、「この株式は、値上がりする!」なんて話には、「実際には、なんの根拠もない」ということになるわけです。

意外かもしれませんが、株価を予想するなんて話は、星占いを聞くような程度の話でしかないということが、効率的市場仮説によって、誰もが納得するように説明できてしまったわけなのです。

そのためか、多くの投資家や金融機関が、『インデックスファンド』という投資手法を採用するようになりました。

しかし、一部の投資家の間では、効率的市場仮説に疑問を持っていたのも確かで、能力があれば市場を出し抜くことは可能だとも考えていました。

具体的には、『効率的市場仮説は、往々にしてあっている』といった言葉で説明されることが多く、効率的市場仮説で市場を考えることは、決して間違えているわけではないが、たまに間違っていることもあると一部の投資家たちは考えていました。


適応的市場仮説で、効率的市場仮説で説明できないところを説明できるようになった。

一部の投資家たちが、効率的市場仮説に感じていた疑問を、効率的市場仮説から一歩進めて出てきた理論が『適応的市場仮説』という新しい理論です。

例えるなら、わたしたちの身の回りの力学は、学校でも学んだことがあるニュートン力学でそのほとんどが説明できるようになってはいますが、粒子や量子と言った、すごく小さな世界ではニュートン力学だけでは通用しない部分がでてきて、その通用しなくなったところを相対性理論などの新しい理論でもって補足するようになったのに似ているのかもしれません。


効率的市場仮説の一番疑問に感じるところといえば、『バブルの形成とその崩壊です』。

効率的市場仮説によって、市場が合理的に、資産価格に影響を与えるあらゆる情報を反映させているのであれば、「なぜバブルがおこるのか?」という疑問が残ります。

バブルというのは、想像の通り、決して合理的な資産価格の形成ではありません。


そんな疑問に、適応的市場仮説では、そもそも市場は合理的ではないということを理論的に説明し、バブルの発生を説明しています。

適応的市場仮説によると、市場はもちろんですが、経済というもの自体が合理的ではないという説明になってきます。

このことに関しては、思い当たる節もあるのではないでしょうか?

そうです、最近ノーベル賞などで話題に上がることが多くなってきた、行動経済学といった分野でもよくでてくる話です。

今までの経済学では、一人ひとりの判断は合理的でなかったとしても、集団となれば、経済は結果的に合理的に動いているという前提で、経済を考えてきました。

だから、現代のファイナンスの中心にいるといっても決して過言ではない『効率的市場仮説』では、効率的な市場にある資産価格は、常に合理的な価格になっているものという考え方が主流担ってきたわけです。


しかし、適応的市場仮説では、人は集団であっても、合理的には動かないということを説明しています。

実際の市場や経済は、合理的という動きではなく、『生物の進化』に例えられるような動き方をしていると適応的市場仮説では考えています。

つまり、経済とは「すべては環境が、状況を作り上げている」という考えになってくるわけです。


生物の進化と経済?

生物の進化といえば、なにか一歩上のステージに『グレードアップ』するようなイメージを持っている人が多いかもしれません。

しかし、実際の生物の進化とは、グレードアップしているというものではなく、ただその時の環境に適応するように変化していると考えた方が正しい。

つまり、環境という前提条件があっての進化なので、環境の変化に合わせて、良くも悪くも進化の流れも変化することになるわけです。


株式投資で言えば、株式市場が上昇基調にあるときには、有り金すべて株式に投資している人が、もっともその環境に適していて、大きな儲けを手にすることになるわけですが。

逆に、それまでの環境が変わり株式市場に下落基調の相場が訪れると、彼らは大きな損失を負うこととなります。

そして、下落相場という環境に適応した、ショートポジション派や下落に耐える資産配分を行っていた人が強みを持ってくるようになります。


進化とはつまり、その時の環境に最も適応している人がいつの間にか増えてくるということです。

環境が変われると、その変わった環境に適応できる人たちが増え、また新たな環境を作り出す。

進化とは『環境が全て』なのかもしれない。

ちなみに、生物の進化は、それを何千年、何億年とかけて行われてきたわけですが、金融市場はそんなゆっくりとした変化ではなく、それよりもはるかに早い時間で動いています。

金融市場や経済の進化(変化)は、思考のスピードで進化していると考えられています。


思考のスピードでの環境適応によってバブルが起こったり、バブルが弾けたりといったことが起こっているのであれば、頻繁にバブルという経済現象が起こっていることも、感覚的にもわかる気がしてきます。

適応的市場仮説によれば、経済も金融市場も、すべては環境への適応ということです。

その『環境に合わせて適応している』ということが、マーケットでは起こっている。

マーケットとは、けっして合理的な存在などではなく、ただその時の環境にものすごいスピードで適応しているというわけですね。


実際にマーケットの中にズッポリ入って、投資活動をしていると、この適応的市場仮説というのは、とても納得できる理論ですし、なにより直感的にすっと理解できる感じがしてきます。

正直、効率的市場仮説よりも、マーケットのことを表現するなら、適応的市場仮説の方があっていると感じています。

FPたなか/㈱あせっとびるだーず


『お金のいろはファイナンシャル・プランニング』という独立系FP事務所で資産運用プラン策定の相談を行っています。

https://fpoffice.okane-iroha.com/

㈱あせっとびるだーず 
 代表取締役 田仲幹生 です。
【保有資格】
 CFP
 1級FP技能士
 宅建士

生命保険会社に勤め、その後税理士事務所に勤務すると同時期に、投資信託や株式投資を始めたが、2年後リーマンショックという株価大暴落に巻き込まれ、総資産の半分近くを失いました。
しかし、その後もめげずに投資と勉強を続け

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