安定した分配金が受け取れることが魅力のリート投資。
そのリートの価格が下落し、今まさに買い時ともいえる水準になっています。
リートに投資をする価値とは、何なのでしょうか?
リートと言えば、分配金。だがしかし。
リート投資と言えば、分配金が最大の魅力です。
リートへの投資は、実物不動産へ投資をするように、安定した現金収入を受け取ることが可能です。
2020年4月現在のリート価格は、新型コロナなどの影響もあって下落し、リート全体の分配金平均は5%と、ここ近年ではかなり高い水準となっています。
中には、分配金利回りが10%を超える(前期基準)ようなものも出てきています。
まさに今、リートは買い時なのかもしれないと感じることもあるかもしれません。
だがしかし、リートの分配金には、まだ新型コロナの影響が出ていないことに注意しなければいけません。
たとえば、比較的分配金利回りが高くなっている、ホテル関係や商業施設関係のリートの場合、物件を借りている賃借人の売り上げに応じて賃料が変動する、変動賃料制を採用していることが多いようです。
ご存知の通り、今多くの事業者が思ったように事業が行えないという苦境の中にあります。
つまりは、多くの事業者の売り上げが減少していることは間違ないわけで、今まで安定していたリートの賃料が、下がってしまうことは間違いなさそうです。
安定していた分配金も、あまり期待できないというわけです。
過信は禁物。今の分配金利回りを信じるのは危険でしょう。
それでもリートに注目する理由とは?
たとえ、一時的に分配金利回りが下落することになったとしても、それでも分配金、もっと言えば現金収入というのは投資において大きな魅力があります。
現金収入がなぜそれほど魅力的なのか?
それは、今のような先の読めない、不安な世界の中では、精神的リスクを軽減してくれる効果があるからと考えています。
リーマンショックで、大きく金融市場が暴落した時、心の支えになってくれたのは、やはり配当金や分配金でした。
大きく暴落してしまって、何年たっても回収できない、投資の損失。
その損失を受け入れながら、投資を続けられたのは、そこそこの現金収入があったからでした。
「とんでもない損失になってしまったな、もう元本はもとに戻らないかもしれない。でもキャッシュフロー(配当金や分配金など)がそこそこあるから、今さら投資をやめても仕方がないし、勉強になったと思って、とりあえずは、それをもらって良しとするしかないか」
そう考えられる余地が生まれたのは、株価の変動に関係することなく、配当金や分配金があったからだと思います。
もしこれらのキャッシュフロー(現金収入)もなく、ただ投資したお金が減っていくのを見るだけ(投資信託など)だったら、その投資先を見ることも嫌になって、損切りして終わっていたかもしれません。
この経験によって、配当金や分配金というインカムゲインの存在の重要さを身をもって感じることが出来ました。
結果、投資をやめなかったおかげで、その後の大きな株価上昇に乗ることができ、一時は、「もう取り戻すことはできないかもしれない」と思っていた損失もなくなり、それどころか、それ以上の大きな利益を手にすることもできました。
今思うと全ては、インカムゲイン(配当金や分配金のこと)のおかげです。
そしてリート投資は、まさにインカムゲインに着目した投資です。
学術的な意見の中には、リートと株式の相関はほとんど同じだし(分散投資の効果は薄い)、それに株式の方がリートよりも期待リターンは上だから、リートに投資する意味はあまりないといった話もあるようですが(確かにその通りだと、私も思います。)、ポートフォリオの一部に、そういったインカムゲイン投資を入れるのは、決して間違いではないと思っています。
それは、数学や金融工学的に意味があるかないかという話ではなく、投資を実践する人として、暴落に対する精神的ストレスへの免疫として、リートなどのインカムゲイン投資に意味があると考えているからです。
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