NAV倍率で、REITの割安感を測る? バリュー投資のREITへの応用。

REITの割安感がわかるとされているNAV倍率。

NAVとは、ネットアセットバリューの略で、日本語でいうところの純資産価格という意味です。

つまり、NAV倍率とは、不動産を時価評価した純資産価値に対する投資口価格の割安度を表す指標となっています。

株式投資のバリュー投資!

バリュー投資とは、本質的価値に対して、株価が安くなっている銘柄を中心に長期投資をする投資方法です。

本質的価値に対して、株価が割安になっているからといって、すぐに本質的価値と同じ株価に戻るとは限らないため、むしろ、本質的価値と同じ株価になるには、かなりの時間を要することになることが多いため、バリュー投資の基本は、『長期投資』になってきます。

しかし、バリュー投資のでいうところの、本質的価値というのが、案外難しかったりします。

ビジネスとしての成長の見込み。

財務表内の不動産など固定資産の帳簿価額と評価額と時価。

今後のビジネス環境の変化。

などなど、なかなか把握しきれない部分が多すぎるためです。

このような不確実な要素まで加味して、本質的価値に対して割安かどうかを理解するのは、一個人投資家には、不可能なことかもしれません。

ビジネスや経済など、様々なことを学んでいかなければなりません。

また、投資しようとしている会社の経営者の話を聞いたり、働いている人など内部の情報も調べていかないとわからないこともありそうです。

『本質的価値に対して割安な銘柄に投資をする』

というシンプルな言葉の裏には、とても複雑な要素が集まっているわけです。

そこで、個人投資家にも簡単に利用できる方法として、よく使われているのが、『PER』や『PBR』といった指標です。

特に個人的にお勧めと考えているのが、『PBR』。

『PBR』は、帳簿上の純資産と株価を比較しているため、割安感がわかりやすくなっています。

PERのように、企業の利益を元に割安感を調べるのも悪くはありませんが、企業の利益というのは、突然悪くなったり、景気がいいと、事業の良し悪しとは別にどんどん良くなったりすることもあったりと、結構不安定なものです。

その点PBRは、1年や2年では、そんなに大きく変動せず、PERより、安定感があります。

それに、現預金や不動産などの実際にある資産から計算されている指標でもあるため、そこでも安心感があります。

著名投資家のベンジャミン・グレアムも、資産と株価を比較して、バリュー投資に投資をしていたといいます。

実は、このPBRのREIT版が、『NAV倍率』なのです。

NAV倍率が1倍以下は、狙い目?

REITのNAV倍率の見方は、基本的に株式のPBRと同じです。

NAV倍率が、1倍以上だと、株価よりもREITの純資産(1口当たり)の方が高く、NAV倍率が、1倍以下だと、株価の方がREITの純資産(1口当たり)よりも低くなっているという見方になります。

PBRが企業の解散価値などと言われているように、NAV倍率が1倍以下のREITは、今REITが所有している不動産をすべて売却し、負債を返済し、残ったお金を、REITの投資家に口数に応じて支払ったら、『投資した金額よりもたくさん戻ってくる』という状態だというわけです。

明らかに割安とも言えなくもありません。

ただ、評価額よりも売却額の方が安くなるなるかもしれないからという見方もあるかもしれません。

それでも、NAV1倍をはるかに下回る状態なのだとしたら、そこまでではないと見ることもできるでしょう。

REITのNAV倍率が、株式のPBRよりも優れているといえるの点は、REITの決算書に掲載されている不動産の価格は、不動産鑑定士が鑑定評価した、評価額であるという点です。

企業などが出している決算書の不動産の価格というのは、簿価であったり帳簿価格であったりと、いろいろな呼び方で呼ばれています。

実は、これらの呼び方は、売るときの金額で表示しているとは限らないというわけです。

対して、NAV倍率の場合、鑑定評価額が使われているという事なので、周辺の取引実績や、賃貸した場合の賃料など、さまざまな要因を考慮して価格が決定されていることを意味します。

つまりは、今売却した場合の実態に近い金額という事です。

ここまで調べられているNAV倍率。

バリュー投資の指標としては、心強い指標なのではないでしょうか?

REITへ投資で、バリュー投資を応用するなら。

REITへ投資をする時に、一般的に参考とされている指標は、『分配金利回り』なのかなと思います。

そこに『NAV倍率』も組み合わせてみる。

すると、REITでもバリュー投資と同じ発想で投資ができる感じがします。

NAV倍率が低い銘柄に長期投資することで、本質的価値と同程度まで投資口価格が上昇すれば、キャピタルゲインも狙えるかもしれません。

また、すでにNAV倍率が1倍を大きく下回っていたりしたら、これ以上大きく下落するリスクは限定的なのではないかと考えて投資することもできそうです。

まさに、ベンジャミン・グレアムがいう所の『安全域』ですね。

NAV倍率を確認して、REITへのバリュー投資という投資も悪くないかもしれません。


FPたなか/㈱あせっとびるだーず


『お金のいろはファイナンシャル・プランニング』という独立系FP事務所で資産運用プラン策定の相談を行っています。

https://fpoffice.okane-iroha.com/

㈱あせっとびるだーず 
 代表取締役 田仲幹生 です。
【保有資格】
 CFP
 1級FP技能士
 宅建士

生命保険会社に勤め、その後税理士事務所に勤務すると同時期に、投資信託や株式投資を始めたが、2年後リーマンショックという株価大暴落に巻き込まれ、総資産の半分近くを失いました。
しかし、その後もめげずに投資と勉強を続け

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