なかなかわからない偶然の話。『まぐれ 投資家はなぜ、運を実力と勘違いするのか(ナシーム・ニコラス・タレブ)』

投資をするならば知っておかなければいけないこと。

『まぐれ』という話。

私たちは、『まぐれ』のことをよくわかっていません。

そして、『まぐれ』について正しく認識することもできません。

この本は、投資をする人にとって、重要な一冊となることは間違いなさそうです。

『まぐれ』とはなんなのか?

正直言って、この本、とても内容が難しかったです。

読みにくい感じがあったり、内容や概念を捉えにくい印象もありました。

文章のせいなのか、それとも文章構成が難しいのか?

はたまた、本書でいうところの『まぐれ』や『偶然』という概念が、そもそもわかりにくいからなのだろうか?

単純に『まぐれ』と表現しているけれど、この本の中の『まぐれ』という言葉は、非常に内容が濃い『まぐれ』です。

株式投資をしている人ならば、『不確実性』という言葉を聞いたことがあるかもしれません。

不確実性とは、言ってみれば『リスク』のことです。

そして『リスク』を理解することは、投資を制するといってもいいぐらいの話でもあります。

そのリスクについて、よく「下落リスクが何%」といった表現を見かけることがありますが、この言葉を聞いて、どんなことを想像するのか?

そして、この言葉を使っている人自体は、『まぐれ』を正確に理解しているのか?

実は、そこにも『リスク』を理解するのに、大きな問題があるわけです。

不確実性とは、言ってみれば、「どうなるかわからない」というものではあるのですが、その「どうなるかわからない」という考え方が、実際には、いまいちピンとこないものなのです。

今ある幸運も不運も、たまたまのものである(まぐれ)という事を認識するのは、簡単な事ではありません。

不確実性やリスク、まぐれ、というものをうまく認識できないのは、どうやら私たちの脳に大きな原因があるようなのです。

『まぐれ』を認識できない私たちの脳。

『まぐれ』という題材に関して、もっとも問題となっているのは、私たち人の脳にあるという話があります。

人は、確率の話を正しく認識することが出来ません。

株価の予測や天気予報、ギャンブルなど、様々なところで、パーセントという単位を使って、確率の話をしていますが、本当の意味での確率は、私たちが思っているようなものとは全然違うもののようです。

人の脳の中では、『偶然』や『まぐれ』、『不確実』といったものは、できるだけ除外しようとする働きがあるために、『確率』というものを正しく認識できない。

それは、本書を書いたタレブのような『確率』を研究している人も例外ではないと著者(タレブ)は言っています。

確率がなぜ正しく認識できないのかの説明については、本書に任せるとして。

本書の中で、「なるほど!」と思わされたのは。

人の脳は、直感的なシステム1と論理的なシステム2という思考経路があるそうです。

そして、基本的には直感的なシステム1で物事を捉えるそうなのですが、実はそのシステム1が確率を認識しないのだそうです。

だったら、システム1を排除すれば、論理的で合理的な、確率に沿った判断ができるのではないかと思うところですが。

確率という不確実な事であるために、今度は、『選択という行為』そのものが出来なくなってしまうらしいのです。

これは、なかなか興味深い話です。

私たちの生きている世界は、選択肢ばかりです。

つまり、確率的なことばかり、まぐれと偶然ばかりなわけです。

そんな中で、私たちは選択するスピードを上げるために、『確率』というものを排除してきたという事らしいのです。

『確率』を正しく認識できた方が、正し選択ができる。

でも、『確率』の世界に入ると、正しい選択がわからなくなる。

人の脳は、うまくできているのか、それともうまくないのか?

株式投資など、金融市場では、『不確実性』という事についての理解は、死活問題になったりする話でもあります。

本書は、「金融市場とは、どういう所なのか?」ということを理解するのにとても参考になる本です。

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