ポートフォリオは、いろんな資産に分散投資するべきか?

資産運用は、株式や債券、REIT、金など、いろんな資産に分散投資をしたほうのが、リスクが少なくなることが、数学的に証明されています。

さらに最近では、デリバティブ商品やオルタナティブ商品へ投資することも容易になってきたこともあり、より分散が多彩になってきました。

しかし、一体どこまで分散投資をしたらいいのでしょう。

分散投資は良いけれど、あまり分散しすぎるとかえって管理がしづらくなるという問題も出てきます。

分散投資でも、管理が出来なければ逆効果?

分散投資でリスクが少なくなると言われている理由とは。

それぞれの資産の値動きには、一緒に動く傾向があるものと、無関係で動く傾向があるものと、真逆に動く傾向があるものなど、それぞれが別々の動きをしています。

その動きの傾向を統計的に調べてみると、どの資産とどの資産を組み合わせると、全体としての値動きがまろやかになるといったことが証明されたわけです。

これが現代ポートフォリオ理論とよばれるものです。

各資産間の値動きの傾向は、「相関係数」という数字を用いて、表現しています。

例えば、「相関係数」が1のものは、まったく同じ動きをする。-1のものは、真逆の動きをする。そして0のものには、値動きの関連性が全く見られないといった感じなっています。

つまり、相関係数が-1となる組み合わせをリスク比率で50:50の配分で組み合わせると、値動きが相殺され、リスクが0になるといった感じになるわけです。

ちなみに、ここで使われているリスクという言葉は、値動きの大きさを示しています。

実は、リスクといっても、その意味は多様にわたり、その時々で使われる意味も変わってくるものというところが、リスクという概念の難しいところです。

管理のできない分散投資?

分散投資をする場合の一番の目的はリスクの軽減です。

つまり、先ほどの値動きの大きさというリスクの視点から考えれば、上手な組み合わせを考えて、できるだけ値動きをまろやかにしたいわけです。

仮定の条件ではありますが、もし株式と金が全く逆に動くという相関関係-1だったとした場合のポートフォリオの例を考えてみます。

もう一つ条件として、株式の値動きの幅(ボラリティ)が30%、金が10%だったとします。

すると、株式と金の資産配分を、50:50で配分すれば値動きは、どうなると思いますか?

株式と金の相関係数が-1ですから、値動きはまろやかになりそうです。しかしボラリティが違いますので、完全には値動きは相殺されていません。

そこで、値動きの幅であるボラリティにも注目して、資産配分を考えてみましょう。

株式1:金3にしたらどうなるでしょうか?

全く反対に動くという相関係数が-1の組み合わせで、ボラリティの違いの3倍に合わせるわけですから、1:3で振り分ければ、値動きがなくなり一直線になります。

つまりは、まっすぐ一直線に株式のリターンを取りに行ける(金がどんどん値下がりしていかなければ)ということになるわけです。

これが、ポートフォリオで運用するイメージというわけです。まったく凄いことを考えましたね。

しかし、現実はこんな簡単な話にはなりません。

ボラリティだって日々変動しているし、値動きの相関関係だっていつでも一定ではありません。

理想的なポートフォリオ運用では、常にボラリティや相関関係を調べながら、資産配分を考え、ポートフォリオを適時入れ替えてしていかなければ、ポートフォリオ運用の効果は得られません。

さらに、2つの資産だけでなく、いろんな資産に分散投資をしていたら、資産配分の計算はより複雑になります。

一個人にそんなことが出来るのだろうか?

もし日中仕事などをしていたらほとんど不可能なのではないでしょうか。

投資で資産を築く人の資産配分は、自分の得意な資産に集中している。

今の金融の世界では、今まで説明してきたようなポートフォリオ運用を行う、現代ポートフォリオ理論が主流になっています。

投資信託やファンドラップ、ロボアドバイザーなども、現代ポートフォリオ理論をもとに運用方針を決めていることが多くなっています。

しかし、投資で資産を築いた人の多くは、自分の得意な資産に集中している傾向が強いのです。

つまり、ポートフォリオ運用と資産形成はイコールではないという考え方もあるわけです。

例えば株式資産が得意な人は、株式資産の値動きに対応する投資戦略を持っていたり、値動きが何となくわかるところがあったりして、有利な場面を利用することが出来たりするのです。

不動産投資も同じで、リスクの少ない投資案件やリスクよりもリターンの方が大きくなりそうだという見通しを立てることが出来たりします。

そうやって、個別でリスクを管理することで、投資資産が一極集中になっても、うまくリスクをコントロールできているわけです。

言ってしまえば、管理が難しい分散投資よりも、楽なのかもしれません。

つまりは、リスクをコントロールするなら得意な資産を一つ作ってしまうというほうが、実践的なのではないでしょうか?

得意となるまでには、それなりの努力と経験が必要になるかもしれませんが、それに見合うだけの効果はある気がします。

ポートフォリオは、得意な資産と、もう一つが現実的なのでは?

いろんな資産に分散投資する現代ポートフォリオ理論を使った運用がしたければ、投資信託などを利用することが賢明でしょう。

しかし、この方法だと、それなりのコストがかかります。

しかも、現代ポートフォリオ理論では、得意な資産に一極集中に比べたら、それほどリターンが高くならないことがほとんどであるため、リターンが低い割にコストが高いといったことにもなりかねません。

そこで、実践するならば、得意な資産を中心とした資産配分を目指すべきなのではないかと思っています。

例えば、株式投資が得意であれば、株式という資産を中心としたポートフォリオを考えるというわけです。

株式投資で、常にフルインベストメント(全資産で株を買う)は良くないというのは、常識でもわかることです。

少し余力を残しつつ、適度に株式資産へ投資する割合を増やしたり減らしたりした方がリスクが抑えられるのは当然です。

ただ、株式資産を買わない時、どうしたらいいのか?

それが、得意な資産と組み合わせるもう一つの資産というわけです。

例えば、リスクも低く、そこそこのリターンもあり、値動きも株式とは違う債券などがよく利用されています。

そんな風にポートフォリオは考えれば、実践上は十分だと思っています。

確かに現代ポートフォリオ理論は、賢い運用法だと思います。しかし、その管理に無駄な手間とコストがかかるようでは、実践向きではないのかもしれません。

使うとしても、その理論を少し応用させてもらうようなもので、バリバリの現代ポートフォリオ理論での運用は必要ない気がします。

ただ一つ言えば、得意な資産分野を作るというのも、その得意になるまでが大変なのかもしれませんが。

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