今や世界一の大企業(時価総額)、アマゾン。
2019年には、バフェットがアマゾンに投資を行っていたことも発覚し、アマゾン株への注目も集まっています。
そんなアマゾンという企業の在り方が垣間見える一冊?
バフェットはなぜアマゾンに投資をしたのだろうか?
この本では、アマゾンという会社の裏側がわかるような話がいろいろと紹介されています。
例えば、プレゼンではパワーポイントなどを使わなず、文書形式で書く。
組織形態が、非常にシンプル。
といった他の企業とはちょっと違った風土があるという感じを受けました。
また、そのアマゾン独特の風土が、企業の理念になっていて、アマゾンという会社をストーリー化しているという印象を受けました。
いろいろとアマゾンという会社に興味が湧いてくる本でした。
そのアマゾンといえば、株価的には割高だと判断されても仕方のない指標がいくつも出てくる価格水準でありながら、割安株に投資することで有名なバフェットが、アマゾンの株式を買ったという話題が出ました。
バフェットは、世界一の投資家といわれ、その主な投資手法は割安株を好むバリュー投資家と言われています。
しかし、株価的に割安である企業の株式ではなく、企業そのものの成長を見越したうえでの割安株に投資するというのが、バフェットの本来のスタイルであると考えられています。
『そこそこの事業を割安で買うより、素晴らしい事業をそこそこの値段で買ったほうがいい』
というバフェットの名言からもその傾向が見て取れます。
ところで、アマゾンはどうだったのだろうか?
素晴らしい事業なのかどうか?
価格はそこそこだったのか?
多分そうであったからバフェットは買ったのだと思われますが、どう考えても割高なのではないかという疑問をぬぐい切れませんでした。
しかし、そんな問いに対してもしかしたら答えとなるかもしれない話を本書の中で見つけました。
アマゾンには、3つの事業領域がある。
1つは、小売り業。書籍のネット販売などにあたる部分です。
2つ目は、デジタル配信プロバイダー。kindleなどの電子書籍やプライムビデオなどの動画配信です。
そして3つ目が、クラウドサービスプロバイダー。私たち一般消費者にはなじみがないかもしれませんが、アマゾンが小売りなどの事業を行っていくうえで作り上げた巨大なサーバーを、企業などに貸すという事業です。AWSという言葉を聞くと思い出すかもしれません。
少し前に、AWSに障害が起こり、様々なウェブサービスが使えなくなり、その時に、AWSがどれだけ多くの企業で使われているのかというのを実感したことがありました。
実は、アマゾンの事業では、小売りとデジタル配信プロバイダーでは、ほとんど利益がでていないそうです。
アマゾンの顧客主義という姿勢が、そうしてしまっているのかはわかりません。
しかし、それ以上に3つ目のクラウドサービスプロバイダーサービスで利益を稼いでいるという感じになっているそうです。
もしかしたら、バフェットはここに目を付けたのではないかと思ったわけです。
アマゾンをネットの小売業者といった一般消費者向けのサービス会社と見ているのではなく、サーバー貸しという、行ってみれば不動産賃貸に近い事業内容に、今後の収益性と成長性、そして安定性を見たのかもしれないと。
アマゾンという会社により興味を持つことになりました。
伝え方はストーリーが大切?
話を本題に戻し、本書の内容についてですが。
人に伝えるときは、ストーリーで伝えるほうが良く伝わるというのは、今までも感じていました。
バフェットも話が旨い人だなと思っていましたが、バフェットの名言などをたどると、例を上げたり、物語風にまとめたりしていて、まさにストーリーにして話をまとめるということを良く使っているなと感じていました。
そして、この本を見かけた時に、「ストーリーで伝える」といったタイトルだったので、物事をストーリーで伝えるテクニックや話法みたいなものが紹介されているのかと思い、ワクワクしながら本書を手に取ったわけなのです。
人に何かを伝えたいと思うことは誰にでもあることだと思います。
でも、その伝えたいことが、思うように伝わらないというのも、誰しもが経験していることなのではないでしょうか?
だからこそ、上手く伝える方法があればと思うわけですが。
残念ながらこの本は、そのような目的には適さない本なのかもしれません。
個人的には文章もいまいち理解しにくく感じた印象もあります。
短い文章で、簡潔に、スパッと伝えるような文章はうまいのかもしれませんが、長い文章となるとそうでもないのか?
人のことを言えた義理ではありませんが、何となくそう感じてしまったわけです。
おそらくこの本は、広報という仕事をするにあたっての着眼点を教えてくれている本なのでしょう。
なので、単純に日常的に人に伝える話し方などといったものとは、別だったのかもしれません。
そのために、後者のことが知りたいと思って読むと、的外れになってしまい、うまく本書の文章が読み取れなかったのかもしれません。
そもそも広報という仕事がどういったものなのかさえわからないとなるとなおさらです。
そんなわけで、本来の目的達成とは言えませんでしたが、アマゾンという会社をより知ることが出来たことは、よかったと思っています。
ただ、この本自体もアマゾンという会社の印象を良くするための広報活動の一環という可能性もあるのかな?
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