税金の申告はしなければならない、けど複雑怪奇で面倒くさい?

日本に住むからには、憲法に従わなければいけません。

それは、日本国民だけでなく、会社などの法人ももちろん、天皇もそうです。内閣、地方行政などの行政機関や裁判所もそうです。

そしてそんな憲法の中に、国民の三大義務として登場するのが、「教育の義務(26条2項)」「勤労の義務(27条1項)」「納税の義務(30条)」の3つです。

納税は国民の義務。つまり税金の申告はちゃんとやらなければいけないってことなのですが。

法人の税務申告はめんどくさい?

今、ある芸能人が、無申告を繰り返していたとして話題になっています。

「ルーズだったから」と報道されていますが、そんな理由で申告しなかったでは、確かに感情的にも許せた問題ではありません。

しかし、そんな報道の中に、「無申告のままだと税務署の調査官が来て、追徴課税は取られるものの、面倒な手間を省いて、納税額を数年分まとめて計算してくれるから、それでいいやと思っていたのではないか?」といった意見も見かけました。

もし仮に、この意見が本当だったと仮定すると。

確かに一理あるのかもしれないと、考えてしまう面もなくもないのかなと。

税務申告は、とても複雑です。

毎日もしくは毎月定期的に記帳して、請求書や領収書などを保存して、決算書をまとめて、申告書を作成して、国だけでなく地方などにも提出して。

正直な気持ち、素人にはとてもできるような作業ではない。

また、法人ともなると、申告書類はさらに複雑になり、法人税の申告書の他に、勘定科目内訳書、法人事業概況書なども必要になり。

税務署に提出すれば市町村にまで提出してくれる所得税とは違って、税務署の他に県税事務所と市町村にまで提出しなければいけないといった手間が増えていきます。

一個人でやろうと思ったら、とても面倒な作業だと思う事でしょう。

そこで登場してくるのが、税理士という存在です。税理士に頼めば、帳簿作成から申告書の提出まで税理士にやってもらえたりします。

実は、この業務、税理士にしか行えない事となっています。

税務相談や税務申告は、税理士の「無償独占業務」となっていて、お金を貰う貰わないは関係なく、他の人が事業をして行ってはいけない事となっています。

となると、税務申告という作業は、自分で行うことができないため、人に頼まなければいけない。

しかし人に頼もうにも、税理士にしか頼めない。

税理士に頼めば、多額の費用が掛かる?

だったら・・・

「税理士に頼んで報酬を支払うよりも、追徴課税を支払って、税務署に計算してもらって納税したほうが楽だし、コスト的にもそんなに変わらないのではないか?

しかも、税務署が計算してくるのだから、税理士に頼んでいて税務調査が来て、結局追加で納税されらることになった、なんてこともなさそうだし間違いない。」

なんて考えてしまう事もあったのかもしれない。

感情的には許されない無申告という行為だけれど、あくまで合理的に考える限りは、意外と悪くない選択だったのかもしれない。

税務申告がもっと簡潔に楽にできるようにはならないのだろうか?

とにかく、日本の税務申告は複雑すぎると思うことが多々あります。

一個人で対応できないと言えるほど、また必ずといってもいいぐらい専門家の力を借りなければ対応できない事、そしてその対応を税理士にしかお願いできないという事。

これをなんとかならないものかと思っている人も少なくないのかもしれません。

日本の法律に、「税の三原則」と呼ばれるものがあります。

そしてその三原則とは、①公平の原則、②中立の原則、③簡素の原則、となっているのです。

このうちの「③簡素の原則」はどこへ行った?

と思ってしまう事もあるのではないでしょうか?

「税金の仕組みは、簡素だと思いますか?」と聞いたときに、何人ぐらいの人が「簡素だよね」とか「わかりやすくできている」と答えるのでしょうか?

おそらくほとんど皆無でしょう。

「税金と聞いただけでアレルギーが」という人の方が多いかもしれません。

いろいろと事情があることはわかります。

ある程度、優遇措置を儲けたりして、お金の移動を促したり、制限したり。

特定の事業にとって優遇されるような制度にすることで、政党としての支持を集めたり。

社会変化に応じて、少しずつ手を加えることで、対応したり。

しかし、今回の芸能人の問題のような事件が起きたことは、税金という制度が難しいがために起きた一つの事例にもなるのではないかと思うのです。

もし仮に、今回の無申告の事例が、「税金の申告が面倒で難しいから、税務署に直接計算してもらった方が、簡単だし、コストも安い」と考えれ行われたのだとしたら、ある意味、現在の税を取り巻く様々な制度が破綻しかけているという事にもなるのかもしれません。

無申告の追徴課税よりも高い税理士報酬。

税理士報酬が高いのか、それとも追徴課税が安いのか?

複雑になりすぎた申告書の作成や帳簿作成、帳簿の保存義務。

話は変わりますが、『クロヨン』という言葉を聞いたことはありますか?

これは、税務署の所得の捕捉率を指した造語で、本来課税対象とされるべき所得の内、給与所得者の捕捉率は約9割、自営業者は約6割、農業、林業、水産業従事者は約4割であるといわれていて、その数字をとって「クロヨン」といっているわけです。

もしこれが本当であれば、今回は、芸能人というスポットライトが当たっている人が引き落とした事件であったために目立つこととなりましたが、実際にはもっとたくさんの人の納税額が間違っている可能性も高いということになります。

この中には、今回の芸能人と同じようなことを行っている人もいて、今回の事件は2人といないような珍しい事例というわけでもないのかもしれません。

もっと税金の制度を簡素化して、気持ちよく税金が支払えるようになるといいのかもしれませんね。


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