お金の専門家、ファイナンシャル・プランナー(FP)。
お金のことですから、投資や資産運用の相談にも対応してくれると思われがちですが、FPに相談しても人気の投資信託や積立型の生命保険を提案されるだけという話も耳にします。
だったら独学で勉強してみようかと思ったりもするわけですが、本を読むという行為には、時間を作ることと、本を読むという作業が面倒だと感じたりもします。
それなら専門家に相談したほうが早いのではと考えるけれど、それだと最初の問題に戻ってしまう。
そんな堂々巡りをしてしまっていませんか?
ファイナンシャル・プランナー(FP)に相談するのは危険?
はっきり言って、ファイナンシャル・プランナーに投資の相談をするのは、『危険』だと思っています。
筆者自身ファイナンシャル・プランナーとしての活動もしていますが、ファイナンシャル・プランナーの中で、実際に自分で投資を行い投資家としても活動をしている人はあまりいません。
自ら投資も行っている中で感じるのは、『投資は経験がものをいう。』という事です。
特に、『失敗』という経験をしたことのない人が、簡単に投資のことをわかった気になっているのは、非常に危険だと考えています。
知識だけで、投資を語るファイナンシャル・プランナーは危険。
でももっと危険なのは、大した投資の経験もない、また積極的な勉強もしないまま、とりあえず今人気の投資信託を勧めておけば大丈夫だろうなどと考えてるファイナンシャル・プランナー。
データを見る限り長い目で見れば大丈夫だから、リスクを怖がる必要はないと説明するファイナンシャル・プランナー。しかし、その考え方自体が、リスクを理解していないということに気づいていない。
リスクをリスクと思わなくなれば、そこにはもうリスクに見合うリターンは存在しないとも考えられるのが、投資の世界です。
投資は、簡単なようで複雑な世界です。
投資には、一種の芸術のような感性も必要とされるとも言われています。
そして感性を磨くためには、『経験がものをいう』ということを私たちは知らなければいけません。
本気で投資を始めるなら、『読書』をすることが一番だと思う。
本というのは、基本的に『知識』を与えることが目的です。
中には、宣伝や広告的に書籍を発行している場合もありますが、まともな本であれば、基本的には著者の経験や知識、考えなどが披露されているものです。
つまり、そこは知識や経験を披露するための場であって、投資信託などの金融商品を販売する目的ではありません。
商品を売るとき、どんなことを考えるか。
『なるべく売ろうと思っている商品が良いものだと思わせたい。』『悪い情報はできるだけ隠したい。』
そんな心情がどうしても働くものです。
それが、投資信託を販売しているファイナンシャル・プランナーの心情であり、そういった気持ちを持っている人から聞く話は、『よく思わせたい』『悪いことは隠したい』と思う分、歪んだ情報になってしまいます。
しかし本で学ぶ知識は、それとはちょっと違ってきます。
本は、同じ本でも、読む人によって印象も内容も違ってきます。本から学ぶ情報は、読む人次第でいい情報にもなれば、悪い情報にもなる、『読む人が主体』となれるの情報源です。
つまり、人の判断で考えるのではなく、自分の判断で考えられるというところで、人に聞くよりも『学ぶ』ということに関しては、読書の方が効果的だと思うのです。
投資の世界でよく聞く『自己責任』という言葉、これをどう捉えるのかという話で、『自分の判断と責任の土台となるのは何かといえば、個人投資家自身が努力してつかんだ知識や情報以外にはない。』といった投資家もいます。
つまりは、投資においての自己責任とは、勉強することだということです。
もっと極端に言えば、自ら勉強する意欲のない人は、そもそも投資に向いていないということにもなります。
勉強するという目的から言えば、商品販売などの損得がからんだ人の話よりも、ただ純粋に情報や知識を提供している本から学ぶ方が良いことは当然のことでしょう。
勉強は嫌いだけど、どうしても資産運用をしてみたいという人へ。
「投資や資産運用の勉強は、難しそうだし、あまりやりたくありません。でも、将来への不安もあるし、どうしても資産運用をしてみたいと思っています。」
と思っている人がいたとしたら、ファイナンシャル・プランナー(FP)としてどんなアドバイスを行うか?
その場合、まずは本当に資産運用することが必要なのかどうかを考えるべきでしょう。
資産運用の主な目的は資産形成です。
つまり、貯金もしくは国債などのほぼノーリスクの商品だけで資産形成ができるのであれば、資産運用や投資というリスクをあえてとる必要はないわけです。
そのシミュレーションをしてみて、それでも資産運用をしてみたいという結論になるのであれば。
一つだけ選択肢として。
『インデックスファンド』を勧めたいと思います。
株式と債券でできたシンプルなポートフォリオのファンドで、経費率ができるだけ低い投資信託を、無心で積み立てすること。
無心でと言いうのは、投資に関する余計な情報を一切遮断するぐらいの気持ちで取り組むという感じになります。
実は、『投資には無知でも、能力がなくても、努力をしなくても、そこそこのパフォーマンスで運用できる。』と言われています。
それを実現できるのが、インデックスファンドなのです。
『ただし、余計な欲がでてこなければ』なのですが。
0コメント