『ウルトラバランス 世界株式』登場! やはり流行るのかレバレッジ型バランスファンド。

SBI証券のホームページで先行募集となる『ウルトラバランス 世界株式』がでました。

以前、『グローバル3倍3分法ファンド』という投資信託を当サイトで取り上げましたが、その時、この仕組みの投資信託は今後増えてくるのではないかと予測しました。

そして、今回似た仕組みである『ウルトラバランス 世界株式』が早くも登場です。

『グローバル3倍3分法ファンド』と『ウルトラバランス 世界株式』その違いとは?

レバレッジ型バランスファンドの仕組みと魅力?

『グローバル3倍3分法』と『ウルトラバランス』、その2つに共通した仕組みとしていえることは、インデックスファンドにレバレッジをかけて、分散投資をするバランスファンドにしているという事です。

イメージしやすいように言えば、株式や債券、REITなどに分散投資するバランスファンドを元本の2倍3倍で運用するようなレバレッジをかけているというイメージになります。

複数の資産に分散投資をするバランスファンドの利点といえば、分散投資によって資産価格の値動きを減らしながら、リターンをできるだけ下げないようにするという点です。

この理論を数学的に証明したのが、現代ポートフォリオ理論と呼ばれるもので、最近の金融商品によく取り入れられている理論です。

しかし、この理論はノーベル賞を取るほどの大発見ではありましたが、実際に運用すると投資する資産を分散させる以上どうしても、期待リターンが小さくなってしまいます。

そこで、このポートフォリオにレバレッジをかけてみたらどうなるだろうかというわけですね。

そしたら、この方法結構ありなんじゃないかということになったわけですね。

例えば、株式と債券と不動産を3分割して投資するパターンを考えてみましょう。

そして、そのポートフォリオをレバレッジ3倍になるように運用すると、理屈では株式に100%投資した場合と同じリターンになるはずですよね。

しかし、リスクは株式と値動きが違う性質がある債券などの別の資産に分散投資することで、株式投資100%よりも価格が下落するリスクを抑えることが期待できる。

まさにリターンを下げずに、リスクを減らすといった運用が可能になると考えられているわけです。

レバレッジ型バランスファンドの魅力はそこなのでしょう。

バランスファンドにすることで、リスクを減らすことはできたけど、リターンも減ってしまうのではもったいない。

だからバランスファンドにレバレッジをかけて、リスクを減らしつつ、リターンも大きく狙っていこうと考えたわけですね。

しかも、先物取引やインデクスファンドを利用することで、運用コストも低くなっている。

考えてみると良くできた仕組みです。

『グローバル3倍3分法』と『ウルトラバランス』の違いとは?

『グローバル3倍3分法』も『ウルトラバランス』も投資元本の約3倍を目安にレバレッジをかけて運用するという点はとても良く似ています。

また、投資対象が、株式だけでなく債券など他の資産への分散投資したバランスファンドというところも一緒です。

ただ、両社の違いは、分散投資する対象に違いがあります。

『グローバル3倍3分法』は、株式、債券、不動産の3つに分散投資していますが、『ウルトラバランス』は、株式、債券、そして金となっています。

『グローバル3倍3分法』は、不動産でしたが、『ウルトラバランス』は不動産ではなく、金を採用しています。

金を採用するメリットは、不動産のようなインカムゲインはありませんが、株式と逆相関となる傾向が多いというところです。

逆相関とは、株価が上昇しているときは、金は下落しやすく、逆に株価が下落しているときは、金は上昇しやすい傾向にあるという意味です。

最近の株価下落でも、その傾向が強く出ていました。

つまり、株式のポートフォリオに金を含ませることによって、ポートフォリオ全体の値動きが緩やかになることを狙っているわけです。

【リーマンショック時の下落率推移と最大下落率】

出典:SBI証券(バランスファンドでリターンを追及する新しい運用のカタチ~ウルトラバランス 世界株式~)

『ウルトラバランス』は、ポートフォリオに金を含ませることによって、『グローバル3倍3分法』よりも、リスクが抑えたレバレッジ運用ができる可能性があるわけです。

おいしい話の落とし穴に注意しよう!

レバレッジ型のバランスファンドがどんどん増えてきそうな予感がします。

何といっても仕組みが賢い。日本人のこういう裏をかくような運用の仕組みを考える能力は意外と高いのかもしれません。

通貨選択型毎月分配投資信託などもそうでした。

そんな方法があったのか!と思われるような仕組みです。

しかし、こういった新しい手法というのは結局すぐに終わりを迎えることが多いこともまた事実です。通貨選択型投資信託がまさしくそうでした。

金融商品は、流行り始めるころが終わり時だったりします。

ソーシャルレンディングなどもそんな感じです。

今はまだ、レバレッジ型バランスファンドは誕生して間もないので、流行っているとまでは言えないと思いますが、その魅力を理解した人が、どんどんこの手の商品に資金を入れているようです。

どんなにすばらしいものに見えても、どこにどんなリスクが隠れているのかわからないと慎重に考えることもとても大切だという事を身をもって感じています。

今思うレバレッジ型バランスファンドの問題点としては

①レバレッジをかけるための、コストが安い今は良いけれど。

②資金があふれている今は、こういう商品が生まれやすいのか?

③相関性が崩れる可能性をどの程度まで考慮しているのか?

④レバレッジ比率3倍は、永続可能な比率なのか?

といったことが考えられる感じでしょうか?

とにかく、良い商品だと思ったらすぐに行動することも大切なことですが、慎重な姿勢を維持することもまた同時に必要なことだと思います。

特に、投資の世界では。

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