素人でもバフェットを超えられる?『ディープバリュー投資入門 平均回帰が割安銘柄を上昇させる(トビアス・E.カーライル)』

株式投資の手法には、バリュー投資やグロース株投資、高配当投資、テクニカル投資、などなど様々な手法があります。

本書はその中でも、バリュー投資という手法に注目しています。

バリュー投資という考え方が有効であることは、数々の書籍や学術的なデータなどで紹介されていますが、なぜバリュー投資が有効に機能するのか、この本ではそのことをまだ投資に慣れていない人にもわかりやすく説明するという目的で書かれている本です。

バリュー投資ってなんだ?

バリュー投資とは、株価と企業の本質的価値の間にあるギャップに目をつけ投資を行う方法です。

つまり、企業の本質的価値からはじき出した価格よりも、株価の方が安いと判断した時に投資する株式投資の考え方です。

株式投資で儲ける唯一の方法が、「安く買って高く売る」ことなのであれば、バリュー投資というのは理にかなっている投資法でしょう。

本書では、この安く買う対象について、『適正な価格の優良企業』と『格安な価格の適正企業』という言葉を用いてバリュー投資の説明に使っています。

この2つは似たような言葉ではありますが、その内容は全然違うものです。

前者の選択肢は、投資する対象は『優良企業』であり値段よりも『優良企業』であることを重視しています。対して、後者は、優良企業であることよりも『価格が格安であること』が大切といっているわけです。

本書でお勧めしている方法は、後者の『格安な価格の適正企業』を探すことです。

バリュー投資といえば、世界的大資産家でもあるウォーレン・バフェットが有名です。

バフェットの投資スタイルは、『適正な価格の優良企業』へ投資をするという事が有名です。バフェット本人も、「『格安な価格の適正企業』を買うよりも、適正な価格の優良企業を買う方がかなり良い。』といっています。

つまり、大投資家の教えでは、『格安な価格の適正企業』を買うよりも、『適正な価格の優良企業』を買うことが正解だと教えてくれているわけですが、本書ではその逆の『格安な価格の適正企業』の方を勧めているわけです。

その理由は、優良企業を探し出すには我々凡人には、スキルが足りないからだそうです。

バフェットのように優良企業を探し出す能力は、そう簡単なものではないからです。

格安な価格の適正企業はどうやって探す?

そもそも株式市場でバリュー投資を行うには、大きな障害があります。

株式市場は、様々な考えを持った非常に多くの参加者が逐一チェックしているため、「株式市場は株価を形成するすべての情報を株価はすでに盛り込んでいる」という『効率的市場仮説』が機能しているためです。

つまり、格安だと思っても、その格安にはちゃんと理由があって格安に見える価格が付いているという事で、これは、「格安に見えるだけで、実際に格安なわけではないかもしれない」という意味になります。

しかも、『自分の計算と思考は誤っていると仮定すべきである。自分が間違っており、市場のほかの者たちが正しい可能性が高い、ということを常に肝に銘じておかなければならない。』という話もあります。

つまりは、バリュー投資は、『効率的市場仮説』によると不可能に近いという事になってしまうわけです。

『格安な価格の適正企業』はみつからない?

本書では、この『格安な価格の適正企業』を探すために、『買収者のマルチプル』という視点に目を付けています。

そして、その条件に合ったスクリーニングを行い、ポートフォリオを組んで投資するシミュレーションをしてみると、S&P500などの株価指数はおろか、バフェットの投資を誰もが真似できるように考えたグリーンブラッドの『魔法の公式』で投資したシミュレーションさえも大きく上回る結果が得られたと説明しています。

つまり、『効率的市場仮説』が機能しているであろう株式市場で、確かにいいパフォーマンスを上げてくれる『格安な価格の適正企業』というのは存在しているであろうという事がわかるわけです。

なぜ、効率的な市場の中に『格安な価格の適正企業』が存在するのか、その理由は私たち株式市場に参加している人の認知機能の問題や、心理的な作用が影響していると本書では説明しています。

詳しくは、本書を読んで確かめてほしいところですが、バリュー投資が有効な投資法なのだろうということを知るために、本書はとても詳しく教えていくれているなと思いました。

バリュー投資家を目指すなら、一度読んでみて損はないかもしれません。

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