これさえあれば、株式投資で最強に?『超予測力 不確実な時代の先を読む10カ条(フィリップ・E・テトロック)』

憧れの力、正確な予測力。

株式などへ投資をしている人であれば、誰もが正確な予測ができる力が欲しいと思う事でしょう。

世界、そして国内の経済は今後どうなるのか?

世界情勢はどう変わっていくのか?

金融市場はどうなるのか?マーケットはどう動くのか?

今保有してる会社の株価は上がるのだろうか?

こういった先のことを見通すことができたら、きっと株式投資で儲けることが出来るはずだ。

きっとそう思う事でしょう。私もそう思います。

しかし、それが出来ないことだという事も何となく自覚しています。

それでも、不思議なことに人は先を予測しようとし、そして似たような失敗を繰り返すことになります。

人は、何かを望むと、「きっとこうなるはずだ!」「この兆候は、こうなる未来を表している。」と考えがちです。でもこれは、ただの認知バイアスと呼ばれるもので、望んでいる方向へ動くように、物事を考えているからに過ぎなかったりするものです。

これでは、本当の予測力は身につかないそうです。

「鼻先越しの視点」本書ではこう表現しています。

自分の望んでいる世界でしか物事を見ていないようでは本当の予測はできないというわけです。

そしてそれは、予測を仕事とする専門家も例外ではないと言っています。

現に、予測を仕事としている人たち、例えば経済アナリストなどと呼ばれるような人たちの予測がどれほど正確なのかを調べたらきっとがっかりするような成績だろうと言っています。

「知性と知識は予測の正確さを高めるが、その効果は限られているというのだ。博士号や何十年にもわたる経験で武装した人の予測の正確さは、ニューヨーク・タイムズ紙の熱心な読者を若干上回るぐらいかもしれない。」というダニエル・カーネマンの仮説。

これがあながち間違っていないという事も証明されている。

サルのダーツに勝てないプロの投資家という話がありますが、専門家の予測も結局同じという事です。

では、どんなに努力をしても予測力を身に着けることはできないのだろうか?

と思ってしまいますが、本書でその手引きともいえる回答を示してくれているわけです。

予測力は鍛えることが出来る?

予測力を身に着けたい。私もそうですが、投資をしているとすごく思うことです。

しかし、専門家になれるほどの知性と知識を身に着けても、その予測力はあまりあてにならないのでは、予測する力は鍛えられるようなものではないのではないか?

実は、そうではない。予測力というのは鍛えることが出来るというのが、本書の回答です。

この『鍛えることが出来る』というのがポイントだと思うのです。

鍛えられるという事は、一部の天才や、人よりも優れた直観力を持った人でないと予測力を身に着けることが出来ないというわけではなく。

我々一般の人でも予測力をある程度高められるという事を意味しているからです。

予測力を高めるのに、高いIQは必ずしも必要なわけではないと言っています。

予測の精度を高めるために、数字を正しく認識する必要はあるが、なにも複雑な数式を利用したりしているわけでもないと言っています。

予測力を高めるために必要なことは何なのか?

その詳しい内容は本書に任せるとして、要は、物の考え方や分析の手法、情報のとらえ方や見方、そして謙虚さなどの性格的なところを改めることのようです。

手法と考え方はある程度すぐに変えられるとしても、性格的な問題や物事のとらえ方といった認知的な部分は、そう簡単には変えられそうにありません。

しかし、本気で取り組む気があるのであれば、できないところをできることで補ったりすることで、予測力は高めることは出来るといっています。

また、そのためには、『やり抜く力』が必要になってくるとも言っています。

だから『鍛えられる』というわけですね。

予測力は人ならでは力なのかな?

予測力をAIなどで補おうという動きが近年よく見られます。

投資の中にある不確実性の部分をAIや統計を駆使して、ある程度目に見えるリスクと捉え投資をしようというロボアドバイザーなども近いところがあるのではないでしょうか?

他にも、経済の予測や金融市場の動きをAIで解析なんてサービスもよく見かけるようになってきました。

しかし、予測する力とは?を説明している本書を読むと、予測とAIはどうやら相いれないものなのではないかと思うようになりました。

AIは、数字でできているために、数学の域を超えることが出来ないと言われています。

そして本書を読むと、予測というのは、どうやら数学ではないという気がしました。

AIの苦手な分野に、『考える』という事があるようです。

実は、本書で予測力を高めるための手法として、問題を再定義するという考え方をするといいと言っていました。

つまり、「一週間後のトヨタの株価はどうなる?」という予測問題を提起した場合。

①トヨタよりも日本全体の株価の動きは?、米国や世界の株価はどうなる?

②1週間の間に、株価に大きな影響を与える重要なイベントはないのだろうか?

③トヨタの時価総額はどのくらいだろうか?

④トヨタ以外のホンダや日産、フォルクスワーゲンといった企業の株価はどうなのだろうか?

⑤市場の見方としては、どう分析して、どんな意見が多いのだろうか?

といった、いろんな問題に細分して、いろんなアプローチから予測を立てていきます。

その際に、確実に答えがわかる問題と、わからない問題とに分け、確実にわかる問題から、株価の動きを確率的に検討していくといった手法を取るようです。

この自分で問題を作り替えて、答えを導き出すという行為が、AIにとっては苦手分野なのではなかろうかと考えているわけです。

予測とは、答えを求めている問題は一つであっても、その問題の中には複数の様々な小さな問題と答えの集まりという事なのかもしれないというわけです。

AIは、与えられた問題を解くのは得意でも、自分で問題を作ることが苦手なのだとしたら、予測という作業は、AIではなく、『考える力』をもった人の仕事になるのかもしれません。

予測力とはなんなのか?

予測の正確性とはどういうことなのか?

そして予測力上げるためのコツはあるのだろうか?

仕事や生活の中で予測することを必要とされている人は、ぜひ読んでみるといいと思います。

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