忘れてはいけない? 公的年金は、なにも老後だけのものではない。

国民年金などの公的年金の話になると、ほとんどのケースでマイナスイメージから入っていることが多いように感じています。

「年金保険料を払っても還ってくる見込みはない。」「年金保険料は高すぎる。」「年金財政は破綻する。」などなど。

しかし、少なくとも現状の年金制度は、民間の生保などと比べたら、はるかにいい制度となっていることが忘れられているようです。

はっきりいって、「好待遇だなぁ」と思いますよ。

案外忘れられがちですが、公的年金は、老後だけじゃないんです。

国民年金や、厚生年金などの公的年金といえば、老後に受け取れる年金である『老齢年金』ですよね。

職や仕事がなくなっても、老後の収入として確保できるというとても重要な年金です。

『年金という言葉=老齢年金』となっているといっていいぐらい重要視されている年金です。

しかし年金というのは、なにも老後に限った話ではなく、『終身または一定期間にわたり、毎年定期的に一定の金額を給付する制度のもとで、支給される金銭。』のことを指しています。

実は、案外忘れられがちなのですが、公的年金で受け取れる年金は、何も老後に限った話ではないのです。

それが、『遺族年金』と『障害年金』です。

公的年金には老後とならなくても、現役の時でも、不幸により収入を得ることが出来なくなってしまった時には、年金として支給されるという制度も含まれているのです。

老齢年金だけを取り上げて、騒いでいることが多いようですが、これらの制度も含めながら考えてみれば、なかなかに手厚い保険制度だと感心するのではないかと思います。

老齢基礎年金の約65千円の月収では少なすぎる?

現在の国民年金加入者が受け取る老齢基礎年金は、月約65千円となっています。

国民年金保険料の納付対象期間すべてできちんと保険料を支払っている場合には、年額779,300円となっています。

令和元年現在の国民年金保険料が16,410円という事から考えても、決して少ない金額とは言えない気もします。

例えば、20歳から60歳まで毎月きちんと保険料を納付した場合の金額は、

 16,410円×40年×12ヶ月=7,876,800円

となっています。

それに対して、年間779,300円の年金が受け取れるという事は、約10年で元を取れることになるわけです。(779,300円×10年=7,793,000円)

老齢基礎年金の受け取り開始時期が、70歳であったとしても、81歳で完全に元を取ることになり、さらに終身で年金を受け取り続けることができます。今話題の人生100年というリスクも考えれば、長い人生で2倍以上の金額になって受け取ることになる可能性も十分にあるわけです。

それでは、資産運用で国民年金と同じぐらいのパフォーマンスを上げることはできるのでしょうか?

もちろんそれ以上のパフォーマンスで運用できると答えられる人もいるでしょう。(私もそう考えています。)しかし今の日本投資環境で国民年金並みの運用ができる人は、それほど多くはないかもしれません。

しかも、国民年金という投資先は、とりあえずは国の保証付きです。

ちなみに、民間生保の個人年金保険で年金保険料と年金受取額のシミュレーションしてみてください。国民年金の老齢年金がどれだけすごいパフォーマンスなのか理解する手助けになると思います。

毎月15千円程度の保険料を40年間支払っても、10年間77万円程度の年金をうけとったら終わりといったシミュレーションになるかと思われます。国民年金のように終身で受け取れるなんてことにはなりません。

これが今の日本の民間で行う資産運用の現状というわけです。一部では運用難といわれるぐらいに投資環境があまり良くない状況です。

このような状況を考慮したら、老齢年金が少ないなどと簡単に言えないのもなんとなく理解できるのではないでしょうか?

現役世代にも手厚い?保障制度になっている。

公的年金は、老齢年金という年金以外に、遺族年金や障害年金といった年金制度も含まれています。

つまり、先ほどの話にプラスアルファで死亡保障や、障害保障が付いているというわけです。

なんとお得な保険なのでしょう。完全に民間生保の商品をおいてけぼりにしています。

このように、公的年金制度は、悪く言われているわりに、現在の経済環境から見れば加入者に最高の保障制度を与えているわけです。

似たような商品を民間でそろえることはまったくもって不可能でしょう。

たとえば、公的年金の基本である国民年金の遺族年金、遺族基礎年金の受取額は、配偶者と子供一人の家庭の場合、年間1,003,600円となっています。

配偶者のみの場合は0ですが、子が増えるとさらに加算されていく仕組みになっています。(遺族厚生年金は、配偶者のみでも遺族年金が受け取れます。)

これもやはり民間の生命保険で試算すると。

被保険者が60歳ぐらいに到達する年まで毎年100万円程度の保険金がうけとれる収入保障保険に20歳の時に加入するとした場合、月々の保険料は約2,000円ぐらいになるかと思います。

なにもなければ、トータル負担金額は、2,000円×40年×12ヶ月=960,000円です。

国民年金保険に加入していれば、この保険料は負担しなくていいことになります。

さらに死亡とならなくても、障害を持った時に年金が受け取れる制度も付いているわけですから、いかに保険としてのパフォーマンスが、他の保険商品よりも高いのかを感じられるのではないでしょうか?

実際に民間の生保で国民年金と同じような商品を組み立てようと思ったら、2倍も3倍も高い保険料となる可能性は十分にありそうです。

公的年金は、高いとか保障額が少ないとか言われながらも、何気に頑張ってくれているんだなと感じることではないでしょうか?

公的年金の問題点?

これほど手厚い保障があるのであれば、加入しないという選択肢はありえないと考えるはずですよね。

実際、公的年金の手厚さを基盤として、生命保険などの他のリスクマネジメントは考えるべきというのはマネープランの基本でしょう。

しかし、それでも公的年金への不満はなくならないことと思います。

「公的年金の保険料は高い」といわれていても、その保障や投資としてもパフォーマンスから考えれば、十分に割安なパフォーマンスだということも理解できます。

同じ商品を民間の生保でそろえようと考えたとしたら、それこそ愚の骨頂といわれても仕方がないかもしれません。

それなのに、なぜ不満がでるのか?

その理由は、『選べない』というところにあるのだと思います。

公的年金は、保険料となどといわれているけれど、その納付の仕方は、税金と何ら変わりません。

制度としては、保険であっても、支払い方が税金であるために、『加入する、加入しない』『いくらまで保障してもらう。もっと保障してもらう。』といった選択肢がないことが不満の要因になっているのではないでしょうか?

所得に応じてほぼ一律に上昇していく保険料。

所得があるからと仕方がなく受け入れざるを得ない保険料。

いつの間にか?保険料率が上がっている保険料。

保障の内容が度々変わる、不安定な制度。

このようなストレスがあることで、「もっと保障してよ。」と思うようになってしまうのかもしれません。

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