早期償還条項付ノックイン型の債券というものが今の人気?

早期償還条項?ノックイン?どういうこと?これって債券なの?

正直、と~っても難しい仕組みの債券、早期償還条項付ノックイン型の債券。

今、何気に人気があるという話ですが、いったいなぜ人気になっているのだろうか?

早期償還条項付ノックイン型債券の人気の理由?

債券としては、比較的高い利回りを受け取れる割に、元本毀損の可能性は株式よりも少なくなる仕組みとなっています。またの名を『仕組み債』と呼ばれていたりします。

早期償還条項付ノックイン債は、あくまで債券です。つまり、発行者にデフォルトなどの問題がなければ、債券発行時に定めらえた金利を受け取り、満期には投資額を額面通りに償還してくれるというものです。

ただし、個人向け国債などの普通の債券との大きな違いは、債券発行時に、ある特定の株式の価格の値動きに応じて、早く償還されることがあるという点です。

また、予定より株価が上昇した場合は、額面通りの金額で償還されるのですが、逆に、予定よりも下落すようなことになると、元本割れする価格で償還されることもあるという債券という割にとても複雑な商品です。

だからこそ、普通の債券よりも高い利回りが設定されているわけですが、ちょっと、ある程度投資になれている人でも、少し近寄りがたいところがある商品とも言えます。

しかし、意外にも今この手の商品が人気だそうです。

要は、予想よりも設定した株式の価格が下落しなければ、元本を毀損することなく返済されるわけなので、先行きわからないなという時には、ちょうどいいという事なのです。

例えば、今の株式市場ように、上がるのか下がるのか先が全く良く読めないといった投資環境の時。

それでも、「どんなに下げても半分になることはないだろうな?」と考えていれば、ノックイン価格が基準となる価格から50%と設定されたノックイン債券を購入することが出来れば。

もし設定した株価が下落しても、投資金額は守られ、金利も受け取れるというわけです。

(株価が半分にならなければ、元金はそのまま償還され、定期預金などよりも高い金利が受け取れる。)

逆に、上昇したとしても、早期償還条項により、やはり投資金額と同じ額面金額で償還されるため、投資元本が守りつつ、金利を受け取れるというわけです。

つまり、元本を守るポイントとして、ノックイン価格に余裕がある、早期償還条項付ノックイン型債券を購入すれば、元本を守りつつ、そこそこに高い利回りの金利が受け取れるというわけです。

どうやら、これが魅力的にみられている理由のようです。

ちなみに、この債券の仕組みを考えると、『早期償還の基準価格とノックイン価格の間に株価がいる状態』が最も効果的な『おいしい期間』といえるわけですから。

今のような上下のボックス圏内にいるような相場環境の時は、より魅力的に映るのかもしれないですね。

早期償還条項付ノックイン型債券に、あえて手を出す必要はない?

早期償還条項付ノックイン型債券に限りませんが、複雑な商品設計の投資商品は、基本的にあえて手を出す商品ではないというのが通例です。

たとえば、いぜん通貨選択型毎月分配型投資信託という商品に人気がありました。

これもなかなか複雑な商品でした。

例えば、国内の株式やリートに投資すると同時に為替取引も行い、海外の金利と日本の金利の差からもリターンを得るといった仕組みを使うことで、年利10%を超えるような非常に高い分配金が受け取れるということで高い人気を集めた投資信託でした。

しかし結果は、みなさんご存知の通り、これらの投資信託は、悪い投資信託という評価を得るようになりました。

分配金は多かったものの、基準価格が下落してしまったことで、そんなに儲かってないという事が表面化したためです。

そういった分配金を『タコ足分配』という言葉で表現し、問題点を指摘されてきました。

さらに、通貨選択型という仕組みに、オプション取引も加えて、3重の仕組みで分配金というインカムゲインを得ようという投資信託もありました。

なんとかインカムゲインを稼ごうと、いろいろ工夫をした結果、複雑になりすぎて、目に見えないリスクが高くなっていました。

このように、金融商品というのは、複雑になるほどリスクが見えにくくなるという傾向があるわけです。

投資では、見えないリスクを取るほど危険な行為はありません。だから、複雑な金融商品は避けようと言われているわけです。

はっきりいって、早期償還条項付ノックイン型債券は通貨選択型毎月分配投資信託と大して変わらない?

早期償還条項付ノックイン型債券の仕組みを考えてみましょう。

まず前提として、この債券を発行している会社も、当然のようにこの債券を発行することで儲かりたいはずですよね。

そうなると、この商品を使ってどうやってこの発行会社が儲かっているのでしょう。

まず最初にイメージするのが、株式の価格を対象とした債券ということなので、発行会社は債券を売ったお金で、その株式を購入してるのと同じと考えることができます。

基本的に、大きく株価が下落した場合には、発行会社は株価下落の損失をそのまま投資家に充てられるので、発行会社は損をしない仕組みになっていますが、設定したノックイン価格まで下落しなかった時には、株価の下落と金利の支払いの2重の損失を発行会社は負うことになりそうです。

つまり、そのようなときにも損しないような仕組みが隠されているのではないかと考えられるわけですが、そこで思いつくのが、オプション取引です。

オプションとは株式の下落に保険を掛けるような取引のことで、オプションを買う人は保険料を支払って保険を掛ける人、逆にオプションを売る人は保険会社といったイメージになります。

これらの仕組みの話になると、嫌になるくらい複雑化してきますので、詳しい話は他にまかせるとして。

要は、早期償還条項付ノックイン型債券の魅力と思われていた、この債券の高い金利というのは、あくまで市場で取引されている結果が反映されているだけという事が言いたいわけです。

仮に、「株価が半分まで落ちることはないだろうから、それで3%ぐらいの金利を得られるというのはお得だ」ともしあなたが考えたとしても。

その3%という金利は、オプションなどのデリバティブ市場では、あなたとは反対に、株価が半分以下にまで下落する可能性に、その3%をかけてもいいと考えている人がいるというわけなのです。

もっと言えば、その債券を発行している会社や、その債券を売っている証券会社などの取り分も含めれば、デリバティブ市場ではもっと高いパーセンテージで、株価が半分になる可能性を取引している可能性だって考えられます。

複雑化することで、コストとリスクが見えなくなっているというところは、先に出てきた『通貨選択型毎月分配投資信託』となんら変わりません。

ということで、賢明な投資家であれば、十分に有利だと思われる瞬間が訪れない限りは、基本的に手を出すような商品ではないのかなと思っています。

そもそも、どんなに下げても50%を割ることがないという絶対の自信があるのであれば、自分でデリバティブ市場で勝負したほうのが儲かるように思います。

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