外貨建て保険の販売好調⁉ 加入の前の注意点。

生保の外貨建て保険の販売が好調のようです。日本よりも金利が高い米ドルなどで運用することにより、高い利回りが得られるといわれていますが、円高などによって元本毀損となるケースもでてきて最近問題にもなっているようです。

高利回りが実現できる?外貨建て保険の仕組み

一般的な終身保険や養老保険などの円建て貯蓄型保険の利回りが低下し、生命保険の貯蓄性が薄れています。

以前は、満期保険金や解約返戻金が支払保険料を上回ることが当たり前のようにありましたが、最近は保険商品の利回りの低下によって満期保険金や解約返戻金が支払保険料を下回るケースも増えてきました。

そこで注目され始めた?というか一般的な終身保険や養老保険などに変わって保険会社が積極的に売り始めたのが、「外貨建て保険」という保険でした。

国内の短期金利(無担保コール翌日物)が、0やマイナスになっているのに対し、米国の短期金利(FFレート)は、2.5%ですから、米国の金利で運用したほうのが利回りがいいというわけです。

生命保険を売っていた時の実感として、保険であっても利回りのいい商品の方が売りやすいという事でした。つまり、リターンのほとんどない、もしくはマイナスになるような生命保険よりも、実際のリターンはわからないけれど、とりあえず表面的には利回りがあるように数字が提示できる、米ドル建て貯蓄性保険の方が売りやすいという事はあったのでしょう。

しかし、実際には金利というリターン以上に為替変動というリスクがあり、その為替リスクをどうとらえるかが、外貨建て保険に加入する際にはとても重要なポイントになってきます。

ですが、その重要な部分を軽視していた、もしくは販売している人自身が、為替リスクをよく理解していなかったという問題が最近表面化し、その結果、国民生活センターに「こんなはずではなかった?」「こんなことになるなんて説明聞いていないかった」といった苦情が増えることになったわけです。

外貨建て保険は、本当に儲かるの?

外貨建て保険は、為替リスクはあるけれど、とりあえず利回りは良い。長期で加入していれば、なんとかプラスになるのではないか?と考えなくもないかもしれません。

ですが、結論から言えば、あまりいい商品ではないというのが、金融のプロの見解のようです。

実際に、金融のある意味中枢である金融庁が外貨建て保険にダメ出ししているレポートだってあります。

はっきり言って、外貨建て保険への加入を勧める保険会社は、ファイナンシャルリテラシーがあまり高くない人をターゲットにしているように感じています。

外貨建て保険を本気で進めている営業も、外貨建て保険の問題点を理解しながら黙って売っている確信犯、もしくはその営業自身があまりファイナンシャルリテラシーが高くない人なのかもしれません。

ズバリ言えば、金融庁のレポートにもあるように、外貨建て保険に加入するならば、外貨建ての債券もしくは投資信託と、掛け捨ての定期保険を別々に加入したほうがいいという事がわかります。

同じ外貨建て投資商品であっても、保険として加入してしまうことで、利回りが数%減ることになります。

ちょっと金融に詳しい人ならば、この時点で、外貨建て保険の大きな問題点に気づきます。

仮に利回り差たった1%の違いでも、20年、30年もすると、とてつもなく大きな差になるという事なのです。

具体的には、毎月50,000円を30年間、年利3%で積み立てすると、30年後は2,913万円になるのですが、同じ積立額、積立期間で1%低い年利2%で積み立てすると、2,463万円になります。

たった1%変わるだけですが、その差は、450万円にもなります。

つまり、保険で長期間運用するのは、資産運用的にあまり効率的ではないということです。

それを為替リスクというリスクを取りながら運用するというのですから、あまり賢い選択とは言えない気がします。

為替リスクってどう考える?

実は、為替リスクってとるだけ無駄って話があります。

通常投資などを行っていると、ローリスク・ローリターン、ハイリスク・ハイリターンなどといって、リスクの大きさに応じてリターンが大きくなると考えられています。

つまり為替リスクを取れば、その分リターンも上がると考えがちなのですが、実際は、為替のリスクは例外でリスクの大きさの割に、リターンがほとんどないというデータもあるんです。

上記のソーシャルレンディング業者であるクラウドクレジットのサイトを参考にするならば、債券投資では、為替リスクを取ったからといって、債券投資のリターンに寄与していないことが書かれています。

つまり、債券投資をするのに、為替リスクは取らない方が、債券投資のリスクとリターンのバランスが良くなるといっているわけです。

保険商品というのは、基本的に債券で運用されていることが多く、その商品性も債券に近いものとなっています。

外貨建て保険とは、あらかじめ決まった保険の運用利率と為替リスクが、外貨建て保険の基本となっているわけです。

ということは、外貨建て保険に加入するという選択は、取らない方がいい為替リスクを取りながら、債券投資よりも低いリターンで運用していることを意味するわけで、資産運用としては決していい商品ではないという事も言えるわけです。

為替リスクがリターンとならない理由として、為替はそもそも資産として利益産むものだはないという考え方があります。

例えば、円という通貨があっても、その円は利益を生み出していません。銀行に預金したりすることで利息がもらえるわけです。1万円というお札を所持していても、その1万円札から利息が発生することはないですからね。

円でなく、ドルやユーロなど他の通貨でも基本は一緒です。

そして、通貨というのは利息を産まないと同時に、価値が減価するものでもあります。通貨の価値が減価することは、物価上昇やインフレという言葉でも表現されています。

結論として、為替リスクはわざわざ取るようなリスクではないということです。

そして為替リスクを取るならば、できるだけ高いリターンが狙える資産で運用をする選択をした方が賢明なのではないでしょうか?

正直、外貨建て保険が、それだけのメリットを持っているのかは、現在のところ疑わしいとみています。

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