これって堅実運用?『ニッセイ・デンマーク・カバード債券ファンド(為替ヘッジあり・資産成長型)【愛称:デニッシュ・インカム】』

2018年4月に設定されてから、1年が過ぎ、その間の運用パフォーマンスは、まさに堅実といった感じです。運用開始から3か月後に2.1%のプラスになってからは、基準価格が一度も10,000円割れになっていない。

つまりは、この投資信託を運用開始時に投資した人は、3ヶ月後から一度も損失になっていないという事を意味しているわけですから、大儲けもありましせんが、非常に安定しているように思われるわけです。

ただ、まだ運用が開始されて1年しかたっていないため、まだまだ分からないところはありますが、それでも運用手法などを考えると、今後も今までのような安定感が期待できなくもない投資信託かなという感じがします。

金利の高い債券に為替ヘッジを使って投資するという安定感?

資産の元本保全性という意味では、高い安定感が期待できる運用法として、外国債券に為替ヘッジをかけるという手法があります。

債券は、満期という特徴があることで、株式などと比較すると元本保全性が高くなっています。また、デフォルトなどの可能性が低い高い信用力を持った発行体の債券ともなればなおさらです。

『ニッセイ・デンマーク・カバード債券ファンド(為替ヘッジあり・資産成長型)【愛称:デニッシュ・インカム】』では、デンマークの住宅ローン債権などを投資対象とするとこで、信用力の格付け機関からAAAという非常に高い格付けをもらっている感じになっています。

ちなみに、日本国が発行する債券(日本国債)の格付けがA前後となっていることを考えると、AAAというのは非常に高い格付けでしょう。

ただ、海外の債券に投資をするときに注意をしないといけないポイントは、為替変動があるというところです。

為替ヘッジを利用している。

債券自体の格付けが高く、債券に安定感があったとしても、為替の変動が大きければ、外国債券への投資に安定感はありません。

そこで、その為替変動によるリスクを減らすために、『為替ヘッジ』という手法を使ったりします。

しかし、『為替ヘッジ』を行うには、やはりタダというわけにはいきません。為替ヘッジコストがかかることになります。

そのため、為替ヘッジを行うためには、投資対象が為替ヘッジコスト以上にリターンを産むことが重要になってきます。

そして、『ニッセイ・デンマーク・カバード債券ファンド(為替ヘッジあり・資産成長型)【愛称:デニッシュ・インカム】』では、外国債券の中でも、信用格付けが高く、比較的利回りが高めの債券として、デンマーク・カバード債券に注目したという事でしょう。

つまり、この投資信託の投資対象であるデンマーク・カバード債券は為替ヘッジコストをかけても十分にリターンが得られるという点に注目しているというわけです。

デンマーク・カバード債券とは?

デンマーク・カバード債券とは、住宅ローン等を担保として発行されている債券です。

住宅ローンなどを貸している銀行などの金融機関が、その住宅ローンを担保にして債券を発行しているというわけですね。

つまり、この投資信託の大本は、デンマークの住宅ローンという事になり、ただ発行体は欧州の金融機関なので、この金融機関の信用力の影響も受けると考えられます。

とはいえ、デンマーク・カバード債券が1797年に発行が開始されてから、これまで1度もデフォルトをしていないという歴史的な背景もあるようなので、かなり安全性は高そうです。

債券の価格変動のリスク?

債券は、価格変動がないと考えている人も少なくないようです。

債券は、満期まで保有すれば、債券発行当時に約束した額面通りの金額で返してもらえるという仕組みの有価証券なので、発行体に問題がなければ、元本毀損はないという特徴が、そう思わせているのかもしれません。

しかし、実際には金利の変動により債券の取引価格は変動しています。

満期まで保有すれば、約束通りの金額で返還してもらえるはずなのですが、満期まで待ちきれずに売買する人もいます。この時の取引価格が、その取引時の金利の影響を受けているというわけです。

具体的には、市場金利が上がれば、債券の価格は下落し。市場金利が下がれば、債券の価格は上昇するという値動きをしています。

ただ、満期が近ければその値動きも限定的になります。

例えば、明日償還される予定の債券に対しては、市場金利がいくらであろうが、ほとんど関係ないよね、と考えればわかりやすいかと思います。

このように、投資信託が保有している債券全体の満期までの償還期間がどのぐらいあるかを知る指標が、「デュレーション」と呼ばれるものになります。

つまり、デュレーションが長ければ、値動きが大きくなるし、逆にデュレーションが短ければ、値動きが抑えられるという事が予測できるわけです。

『ニッセイ・デンマーク・カバード債券ファンド(為替ヘッジあり・資産成長型)【愛称:デニッシュ・インカム】』のデュレーションは、2019年4月時点で、5.52年ということなので、比較的短い方だといえなくもないです。

つまり、値動きをできるだけ抑えた安定運用という点は、この辺からも感じられるわけです。

投資対象としては、どうなのだろう?

結論から言えば、このようなマニアックな投資信託は、あまり手を出すべきではないのかもしれません。特に初心者の人ほど気を付けるべきだと思います。

商品性としては、あまり値動きがない、預貯金よりも高い利回り、といった特徴が、まさに初心者向きといえる気がします。

ですが、分散投資という投資の基本からすると、デンマーク・カバード債券のみに投資するというのは、いつかリスクを甘く見すぎたとなる可能性も否定できません。

どちらかといえば、このような特徴的な投資信託は、主となる投資先の補助的な利用が望ましいと考えます。

あまり可能性としては高くないかもしれませんが、「デンマーク・カバード債券の市場金利が、何かしらの影響で突然急騰する。」といったことが起これば、当然にこの投資信託は損失を出す可能性があります。

また、為替ヘッジのコストが急騰もしくは、先ほどとは逆にデンマーク・カバード債券の市場金利が低下して、為替ヘッジコストを下回る、といったことがあった場合の想定が出来ません。

この投資信託の前提条件は、デンマーク・カバード債券市場が現状のまま、もしくは緩やかに続くこと。また、為替ヘッジコストが大きく変動するようなことがないこと。といった前提のもとに運用している可能性も否定できません。

投資信託として、とても面白い特徴をもっていると思いますが、あくまで分散投資の一つという感覚で利用するのがいいと考えています。

最後に投資信託を比較するときに必ずチェックする項目である「手数料コスト」。

この投資信託の信託報酬手数料は、0.8964%と1%以下の手数料で運用されているようなので、投資対象が特化している投資信託としては、比較的低い部類に入っていると思われます。

しかし、投資信託の投資対象の利回りが2%程度ということから想像するに、手数料ですべてのリターンを打ち消されてしまうほどではないけれど、その差が1%としかないというのは、少し残念かなと思わなくもない感じでしょうか?

投資で倍になるような大儲けを狙うという感じではなく、あくまで預貯金の代替えといった感じで利用される投資信託というイメージでしょうか?

0コメント

  • 1000 / 1000