公的年金では、お金が足りない! 金融庁のびっくり報告⁉

金融庁が2019年5月22日に発表した、『金融審議会市場ワーキング・グループ「高齢社会における資産形成・管理」 報告書(案)』に、公的年金では老後の生活費が不足!と書かれていました。

「せっせと年金保険料を支払っているのに、不足するでは済まないだろ!」という声も聞こえてきそうですが、大半の人が「だいたいそんなところだろうな?」なんて考えていたのかもしれません。

不足する分は、当然自分で何とかするしかないわけですが、だからと言って資産運用すればいいと考えるものいかがなものか?

『金融審議会市場ワーキング・グループ「高齢社会における資産形成・管理」報告書(案)』に記載の老後資金の不足とは?

金融庁の見解では、老後の不足資金は月5万円。総額2,000万円と試算していました。

月5万円という数字は、公的年金などの老後の収入が、平均すると月209,198円なのに対し、老後の生活費等の支出が月263,718円となり約5万円の差があることが厚生労働省の資料から確認できるところからきているようです。

つまりは、実際の生活費として月26万円もかかっているとは思えないといった場合には該当しないという可能性もあります。

もしこのデータが、全国平均で取られていた場合には、富裕層などの消費が多い世帯が含まれている可能性があること、また地域によって物価や家賃などの違いもあるのではといったケースも考えられるため、厚生労働省の資料で老後の生活費が月26万円となっているからといって、それがそっくりそのまま自分にも当てはまると考えるのは早計なところもあると考えます。

しかし、そうはいっても、このレポートに記載されているように、『長生き』というリスクは考えないといけないところなのかもしれません。

何歳まで生きることになるのかわからない状況では、老後の生活費として資産を取り崩し始めてから、その資産がなくなるまでの期間を長くする、『資産寿命を延ばす』という点は、少なくとも今の現役世代は考えていかなければいけないところもありそうです。

そして、その『資産寿命』を伸ばすために、資産運用を積極的に考えていかなければいけないと捉えられるようなレポートになっています。

ライフプランとマネープランを作成して、長期的な資産形成計画を立て、長生きして長期的に取り崩していくことになっても大丈夫な資産を作っていかなければいけないと。

iDeCoやNISAはそのための制度として、活用されるようにとのことです。

暗い未来を想像する中で、資産運用をすするめるというのは、ちょっと違うのではないか?

日本は高齢化社会になっていき、人口構成も前代未聞の形になっていく。

昔は『富士山型』で高齢者よりも現役世代の方がずっと多い三角形であったのが、近い将来、高齢者の数がピークとなって若くなるにつれてどんどん人口が減っていく、『つぼ型』になるとの予測が書いてあります。

これに関しては、ほとんどの方が、知っていることだと思いますが、そんな状況に陥った国が果たして健全に経済成長していくのかと言えば怪しい限りです。

株式投資などの投資は、基本的に経済成長があっての、投資です。

経済成長がない所に投資をしても、上手くいくことは、ほとんどないというのが投資の原則だと考えています。

企業が売上、利益を上げなければ株価は上がりません。

多くの人が住んだり事務所を借りたりする需要がなくなれば、家賃収入は上がらないし、不動産の価格も上がらなくなることでしょう。

「未来は暗いよ」なんて予測を建てながら、投資をしましょうと言っている。

「未来は暗いから、投資しないと大変なことになる」という、この論法はちょっとおかしいのではないかと思うところです。

日本はこの危機を乗り越えられると思っている部分があるから、投資ができるものなのではないのでしょうか?

一体このレポートは何のために作られたのか、疑問に感じてしまいます。

金融機関としての役割認識と、財務省への意思表示が目的なのかな?

『金融審議会市場ワーキング・グループ「高齢社会における資産形成・管理」 報告書(案)』の本当の目的は、金融機関の役割を金融庁的にどう考えているかを提示したものなのではないかと個人的には勘ぐってしまいます。

国民の長期的な資産形成を促すためには、今の金融機関のやり方ではできないと、金融庁が思っていることは間違いないと感じてます。

銀行で投資信託を購入した人の大部分が損失を被っているなどのレポートを提出していることからもその傾向は感じられます。

『金融審議会市場ワーキング・グループ「高齢社会における資産形成・管理」 報告書(案)』を見ると、ライフプランやマネープランを基本とした長期的な資産形成をアドバイスする役割を担う人が必要だと考えているようにとらえられます。

現在の金融機関には、そういった取り組みが見られないという点を問題点として挙げているようにも見えます。

また、米国のような資産形成を金融機関から独立してアドバイスする人も中にはいるが、まだ認知度が低いという問題も上げていました。

資産形成の計画は、どの金融商品を買うかではなく、ライフプランから長期的な計画を立て、投資戦略や投資商品を考えていくという方法は、個人的にもそうあるべきだと思うところがあります。

このように、今回のレポートは金融機関などの役割とはどういうものかを、今の金融庁がどう考えているをイメージさせているように思いました。

また、iDeCoやNISAに関しても、現行の制度のままでは、長期的な資産形成をするのに向いていないところがあることを金融庁も理解していて、その問題となっているところを財務省などに働きかけていく意思も見えました。

iDeCoやNISAは税金の問題でもあるために、税金を徴収したい立場の人とは意見が合わないこともあるようです。

NISAが登場した当時は、「これは一体何のための制度だ?」と目を疑うような粗末な内容でした。どうやら非課税という制度に、財務省からの圧力があったようです。

しかし、年を重ねるにつれ、徐々に改善され、だいぶましな制度へと変わってきました。

ただ、まだまだ改善の余地はあると金融庁では考えているようです。

『つみたてNISAについては、まずもって国民が長期のライフプランに沿っ た資産形成に安心して活用できるよう、時限を撤廃し、恒久的な措置とすることが強く望まれる』といった記載からそのことが感じられます。

そもそもNISAの元となったイギリスのISAは、恒久で行われているらしいので、時限措置であること自体がおかしいのかもしれません。

今回の『金融審議会市場ワーキング・グループ「高齢社会における資産形成・管理」 報告書(案)』、はてな?と思うところもありますが、なんとなく言いたいこともわからなくはないと感じました。

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