投資初心者向けの金融商品といえば、『投資信託』です。
投資信託ってどういう商品なのか?なぜ初心者に向いているのでしょうか?
特に初心者向けの投資信託にはどんなものがあるのでしょうか?
『投資信託』ってどういう商品?
投資の基本として『分散投資』というものがあります。
分散投資とは、一か所に投資するのではなく、複数のところへ投資をすることを言います。
例えば、株式投資の場合には、トヨタ自動車1社だけに投資をするのではなく、ソニーやドコモ、みずほ銀行など、複数の企業に投資をすることによってリスクを軽減します。
なぜ複数の企業に投資をするとリスクが軽減できるのか?
それは、『卵は一つの籠に盛るな』という言葉があるように、一つだけに投資をして、もし仮にその一つに何かがあった場合にすべてをダメにしてしまうようなことをするなということを意味しています。
そのため、株式投資の場合には、違う業種、業界、企業規模などに分散して投資することが推奨されています。
しかし、分散投資という言葉の意味自体は簡単ではありますが、実際に自己資金で分散投資をしようと思うと、そう簡単ではない部分があります。
例えば、株式投資で目的の銘柄を買う時に30万円ぐらいの資金が必要ということになったとしたらどうでしょう。
仮に5銘柄に分散するだけでも、150万円の自己資金が必要になってきます。
さらに分散投資として効果的といわれている銘柄数は、20銘柄といわれていますが、この場合、最低でも600万円の自己資金が必要ということになります。
つまり、それなりのお金を用意しないと効果的な分散投資ができないというわけです。
もし、600万円のお金をもっていたとしても、そのお金すべてをリスクのある株式資産に振り分けることが投資初心者にできるでしょうか?
当然できないことでしょう。
そこで、少額でも効果的な分散投資ができる金融商品として『投資信託』が登場したわけです。
投資信託の種類にはどんなものがある?
国内の投資信託だけでも、約6,000本と膨大な数があります。この6,000本という中からどのように吟味したらいいのか投資初心者にはとてもわからないことと思います。
そこで、まずは投資信託の分類分けについて学んでみましょう。
まず、投資対象ごとの分類わけです。
・株式投資、債券投資、不動産(REIT)という資産が基本の投資対象になります。
そして、それぞれの資産で、海外の資産を対象とするか、国内の資産を対象とするかに分けられます。
分散投資という考え方からすれば、日本国内だけでなく、世界中に分散投資するタイプの方がいいのではないでしょうか?
次に、投資手法によって分類分けができます。
・株式資産だけに投資するなど単一の資産に特化した投資信託だけでなく、株式と債券、もしくは株式と債券と不動産といった複数の資産に投資をするバランスファンドと呼ばれるもの。
・株式市場などのマーケットの平均的なパフォーマンスに合わせた運用を行うインデックスファンドと呼ばれるもの。
・マーケットの平均値以上のパフォーマンスを得るために、ファンドマネージャーと呼ばれる運用のプロが運用しているアクティブファンドと呼ばれるのも。
といった分類が基本となります。
また、バランスファンドの中には、資産配分を株式30%、不動産30%、債券40%のように固定しているものと、アクティブファンドのようにファンドマネージャーなどが投資環境などを鑑みながら、資産配分を機動的に変更しているものというような違いもあります。
投資信託を調べるときには、選択しようとしている投資信託が、これらの分類の内どれに当てはまるかを最初に考えます。そしてこの分類の特徴は、投資信託の名前に表れています。
たとえば、『ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月分配型)』の場合には、『ピクテ』という運用会社が、『グローバル』つまり世界中の、『インカム株式』つまり株式に投資をしているということになります。ちなみにインカムというのは、利息や配当金などのキャッシュを受け取る収益を指し、インカム株式は、高配当株式を指しています。
他には、『ニッセイ日経225インデックスファンド』の場合には、『ニッセイ』という会社が、『日経平均225』というニュースなどで良く目にする株価指数を対象に、『インデックス』つまり指数に連動するように運用しているということになります。
このように、投資信託の名前からその投資信託がどのような運用をしているのかを想像することができます。
初心者が投資するならばどんな投資信託がいい?
結論から言えば、投資信託に良い悪いはないのかもしれません。
その投資信託の投資対象が、たまたま好調なパフォーマンスを上げていれば、それなりの成果がでますし、逆に悪くなれば、悪い結果となるだけです。
そういう運、不運に巻き込まれないように、堅実な運用ができるという点で、インデックスファンドと呼ばれる種類は非常に有効です。
「どんな投資、経済環境にあっても、かならず平均値近くにいる。』というのがインデックスファンドの大きなメリットです。
初心者にお勧めするのは、初心者にも理解できるシンプルで分かりやすいものがいいと考えます。
つまり、常に平均値にいるインデックスファンドは、まさにシンプルでわかりやすいものといえます。また、日々のニュースなどを少し気にするだけで、自分の投資した資産がどうなっているのかもなんとなく想像できます。
どんな運用をしているのかわからない投資信託を買ってしまうと、うまく行かなくなった時に、「このファンドマネージャーは信頼できるのだろうか?」「この投資信託の投資戦略が間違っているということなないのか?」などと疑心暗鬼になってくるのもです。
投資で成功するコツは、『うまく行かなくなっても、あきらめない』ことです。上手くいなくなった時にも、安心してみていられるのは、「その投資信託を理解しているという感覚」です。
自分に理解ができるシンプルなものを選ぶことをお勧めするのはそういう理由からです。
結論としては、初心者向けの投資信託としてお勧めするのは、インデックスファンド。
それと、いろんな資産を組み合わせたり、資産配分を機動的に変更するなどといった、あまり複雑な資産構成を使っていない、例えば、株式70%、債券30%といったように、基本となる資産配分を固定してしまっている投資信託からはじめてみるといいのではないでしょうか?
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