Q.終身保険に加入して貯蓄するのってどうですか?

生命保険と言えば、掛捨てタイプの定期保険、貯蓄型の養老保険、そしてその間を取ったようなタイプの終身保険と大きく分けると3つのタイプがあります。

その中でも、よく保険営業などに勧められるのが終身保険というタイプです。

一生涯の保障と、貯蓄部分を取り崩して老後の生活費としても使える。いろんな利用の仕方がある万能タイプにも思えますが、ファイナンシャル・プランナーから見たらどうなるのでしょうか?

終身保険って確かに便利なんだけど・・・。

終身保険には、一生涯の死亡保障がありつつ、保険料の一部が責任準備金として貯蓄されているので、解約すれば解約返戻金をうけとれ、保障がいらなくなれば、解約や保障額の減額をすることで、老後の生活資金などにまわすことができる。

非常に使い勝手の良い商品のように感じます。

例えば、こんなケースで使うことが考えられます。

30歳で終身保険3,000万円に加入し、仕事をやめてリタイヤに入ると思われる70歳ぐらいを目途に保険料の払い込みが終わるように契約する。

この場合の保険料が、だいたい月50,000円程度?

子供の教育費がかかる期間だけ定期保険で保障額をプラスすることもあるかもしれない。

この終身保険に加入していると、保険料の払い込みが終わる70歳ぐらいで払い込んだ保険料とほぼ同じ2,500万円の解約返戻金になっていることがあります。

場合によっては、払い込んだ保険料を少し上回って、2,700万円ぐらいになっていることもあるかもしれません。

つまりは、この終身保険に加入することで、70歳の時点で2,500万円超の金融資産ができるというわけです。

そして、公的年金だけで足りない分を、この2,500万円を取り崩しながら老後の生活費に充てていこうと考えるわけですね。

なかなか良さそうなライフプランではないでしょうか?

終身保険のライフプラン。本当にこれでいいのだろうか?

若いうちに、高額の終身保険に加入してしまえば、比較的低めの月々の保険料で、万が一の家族の保障と、老後の自分の生活費の両方に充てることができて、便利じゃないか?

確かにその通りに見えます。

リタイア後に2,500万円の金融資産、そのほかに退職金、公的年金となれば、そこそこの生活はできるのではないかと思わなくもありません。

(老後のゆとりある生活費として、月35万円なんて試算があるそうですが・・・。)

終身保険にさえ入っていれば、ライフプランはある程度予定通りになりそうだ?

しかし、世の中そんな単純ではありません。

30歳から70歳さらにはその先までの、長期的な人生を考えるなら、他にもいろいろ気にしなけばいけないことがあるはずです。

たとえば、インフレ、金利、社会保障制度の変化、家族のイベントや家庭環境の変化などいろんなことがあるはずです。

それらの変化に先ほどの終身保険でのライフプランはどこまで通用するのでしょうか?

終身保険の苦手とするところ?

終身保険には苦手なところがあります。

①インフレや金利の変動。

②中途解約となると、損することもある。

という部分です。

終身保険の大きな問題点として、一生涯加入時の低金利が適用されていることが多いという点です。これは資産形成や資産運用の貯蓄に向かないと言える最大の欠点です。

日本では長く低金利と低インフレやデフレが続いていますから、一生涯低金利と言われてもさほど気にすることがないのかもしれません。

でも経済環境なんていつどうなるかわかりません。

数年後には金利が上昇する局面がくることもあるかもしません。もし仮にそうなってしまった場合に、終身保険のほとんどがその変化に対応できなくなっている可能性があるわけです。

しかも、中途解約するとマイナスになるのでは、お金の貯蓄先としてとても適切とは考えられません。入っている終身保険が不利になった時に切り替えることもできません。

ダーウィンの「変化に最も対応できる生き物が生き残る」ではないですが、人生という、なが~い時間の中でこれほど変化が苦手な貯蓄先に貯蓄するというのは、個人的にはお勧めできません。

同じ保険の仲間でも終身保険より、10年満期の養老保険などを利用して満期のたびに一時払いの養老保険に切り替えるを一生涯繰り返す方のが、個人的には安心できます。

たしかに、今後さらに低金利が続き、もっと金利が低くなるなんてこともないわけではない?かもしれません。

その場合には、終身保険で今の金利が一生続く方が有利だと言えます。

しかし、たとえそうであったとしても、『変化に弱い』ということ自体が、お勧めできない理由と考えているわけです。

保険の一番のデメリットはやっぱりコスト?

生命保険に加入すると、目に見えないコストが多くかかっています。

投資信託や株式、債券などを購入すると、どのくらいの手数料が差し引かれているのかが明確に提示されています。

しかし、生命保険にはそれが明示されていません。

しかもちょっと考えただけでも、投資信託などとは比較にならないコストが発生してることが想像できてしまいます。

なぜ保険の代理店や、保険の店舗、保険の営業、保険の広告をよく目にするのか?

当然、儲かるからですよね。

そしてこれらの人たちが儲かるという事は、その分のコストは保険の加入者が支払っているという事になります。

貯蓄とは違うかもしれませんが、資産運用のポイントはできる限り運用のコストを削減することです。

まさに生命保険はそのコストという点でも他の金融商品から優位とは言えません。

せっかくの貯蓄先ですから、有利なところに預けたいと思いませんか。

そう考えてしまうと、生命保険を貯蓄目的で利用するという発想は、あまりお勧めできないかなと考えてしまうわけです。

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