マネーセミナーなどでよく見かけますよね。「賢い投資信託の選び方」といった感じのタイトル。
でも賢い投資信託の選び方なんて本当にあるのかな?
投資信託の選び方の賢いってなんだろう?
投資先の選び方に今後の相場を予測するようなセンスがあるってこと?
それとも、いいファンドマネージャーを見抜くことができるってこと?
なんかどれも違う気がします。
投資信託の選び方に「賢い」というたとえ自体にどうなのかなと思うところです。
投資信託に「賢い」というような選び方があるとしたら、それは効率の悪い高手数料の投資信託を選ばないようにするというマイナス面の問題に引っかからないようにすることぐらいかもしれません。
投資において「賢い」と言えるのは、良い金融商品を選ぶことではなく、金融商品のうまい使い方を知っていることや、うまく使いこなすことにあると思います。
投資において賢いと思う人は、その金融商品の特性を理解していて、うまくその特性を利用するような使い方ができていると感じます。
たとえば、今では悪い投資信託の代名詞のように扱われている『毎月分配型の投資信託』。
しかし、毎月分配型投資信託というのは、毎月利益確定するという機能を有しているということもできます。
例えば、毎月一定額づつ利益確定する効果は、徐々に評価額が下がっていく相場では効果があると考えられます。
例えば、日経平均株価が24,000円から半年かけて12,000円まで半分に下落ししまったら。
その期間に一切利益確定をしなければ、株式に投資していた資産は半分になってしまいますよね。
でも、少しずつ売却して利益確定をしていけば、そこまで資産を減らすようなことはなくなります。
さらに言えば、その売却することで手にしたキャッシュを下落相場の最後の方で追加投資することができるとしたら、毎月分配型投資信託を使った方が、リターンは上です。
そんな風に、金融商品のポイントは、良い商品かどうかよりも、その使い方の方が重要だと思います。
それに、もし賢い投資信託の選び方があるのだとしたら。
投資の世界では間違いなく賢い人と言える、ウォーレン・バフェット。その人が示した投資のしかたが参考になるはずです。
ウォーレン・バフェットは、自分の遺産の運用法を、9割を低コストの米国株ETF。残りの1割を政府短期債券で運用するようにといったそうです。
つまり、投資信託でいえば、低コストの米国株インデックスファンドってことです。
すごーくシンプル。ちょー簡単。
果たしてこれを賢いと言っていいのだろうか?
実は、この考えに至るまでには、様々な理由と理論、そして経験があってのものであるはずなので、まちがなくとんでもなく賢い人が、考え出した「最も賢い答え」だといえるのではないでしょうか。
しかし、こんな簡単なことを教わるために、「投資信託の賢い選び方」なんてもっともらしいタイトルなのだろうか?
おそらく、無料のセミナーというのは自分たちの商品を買ってもらうことに意味があるはずなので、そんな単純で簡単なものを説明するとは思えませんよね。
難しくて、もっともらしいことを言って、専門家というイメージを持たせ。
「先生の提示した商品をそのまま買わせていただきます。」
というのが、理想的なセミナーの終わり方なのではないでしょうか?
投資だけでなく、科学の世界にも言えることだと思いますが。
理論や理屈はとても難しいのに、出てきた答えは、超シンプルってことが多いものです。
自然界ってホントうまくで来ています。
ただ、その超シンプルな答えをうまく利用するためには、複雑な理論を知っていないと使えないってところがあるのもまた悩ましいところですが。
だから、答えよりもその答えに行き着く理論を知っている賢い人というのは、良いもの選ぶことよりも、使い方のうまさで優位に立っているのかもしれませんね。
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