資産運用エッセンシャルズ攻防自在の投資戦略(小林武文)

攻防自在なんてタイトルだったもので、つい気になって買ってしまいましたが、それほど攻防自在でもなかったかな。

投資戦略としては、ETFをつかったポートフォリオ運用です。

ただそのポートフォリオの中に運用資金としての現金を保有して、状況に合わせて現金保有比率を変更しようといったものです。考え方としては、参考になるものです。

ウォーレン・バフェットも現金比率を変更しながら相場環境の変化に対応しているような感じを受けます。

今現在のような相場に高値感がでてきたときは、現金比率を上げて、相場が大きく下落したときにその現金を使って買っていく。

確かに防御としては優れていますが、その分攻撃がおろそかになります。

攻撃と防御のバランスは優れていると思いますが、攻防自在とまで言えるのかは疑問かなといった印象でした。

しかし、現状株式相場で取りうる攻防のバランスをうまく取った投資戦略はこの方法しかないのかもしれません。

はっきりとは言っていませんでしたが、筆者は今の相場環境にかなり悲観的な考えを持っているように感じます。

攻防自在というよりも、今は守りを固める時期だと言っているような気がしました。そして攻撃するべき時に攻撃できる準備をする。それをやるのが今の時期だといっている気がします。

ただ、それをはっきりと言わないのは、やはりまだ現状の相場環境が当分続くかもしれないという思いもあるからなのでしょう。

攻防自在というけれど、現金比率の変え方については、あまり触れていないかったな。

その他に、筆者の金融業界に対する見方にはとても共感するものがありました。

たとえば、『「保険」は不要なものだらけ。』という言葉。

見事です。本当にその通りだと思います。保険は無駄であることを認識した上で加入するべきものだと思っています。

それと、『「ロボ・アドバイザー」ならぬ「ボロ・アドバイザー」』。

今のロボアドバイザーブームにこれを言っていいのか?と思ってしまいました。

ですが、ロボアドバイザーは高い手数料の投資信託、ラップファンドなどに次ぐ、金融機関の儲け頭としての素質ある商品に育ってきています。

そしてさらに、ワイン投資に関しては、内藤忍という個人名まで出して問題点を指摘してきました。

ワインファンドの実態はポンジスキーム。そして投資に関する書籍を多数出版している内藤忍が勧めていたことで、被害が大きくなったが。当の本人はそのことについて言及することもなく、今度は中古ワンルームマンションを勧めている。

そのワンルームマンション投資にも疑問に感じるところがある。ということで詳しく説明していましたが、それもなんとなく理解できる話でした。

内藤忍氏は、もしかするとこういった業者からなにかしらのリターンを得て宣伝しているのかなと思ってしまいますね。

この辺の金融機関など投資をめぐる業界の話は、読んでいて面白かったです。

それぐらいにバッサリとやっていました。

ですが、残念に思ったのが、やはり運用法についてはバッサリ感がなかったところです。

当の本人も、あやふやな感じで、運用法については若干濁していたかなと感じられます。

それくらい『相場というのは、どうなるかわからない世界』ということを理解しているからこそ、濁した感じになってしまうのでしょうけれど。

序盤のバッサリ感が面白かった分、なんとなく物足りなくなってしまう感じが少し残念でした。

まぁ、欲を言えばの話ではあるけれど。

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