社会的インパクト投資とは、「投資することで社会貢献につながる。」というものです。
ネクストシフトファンドでは、ソーシャルレンディングという投資形態でマイクロファイナンスに投資し、新興国へ資金を供給し、新興国の経済活性化につなげ、そこに住む人たちの生活をより良いものへということを考えているソーシャルレンディング業者です。
投資と社会貢献の両立ということで注目を集めている、「社会的インパクト投資」という言葉。
投資をすることで、貧困や環境などといった社会問題の解決につながるということで、投資としてのリターンも期待できつつ、そのお金が社会問題の解決にもつながっているという、いいとこどりな話です。
本当にそれができれば言うことありませんが、実際にどこまでできるのか怪しいなと思うところもあるかと思います。
社会問題の解決を投資としてできるなら、「寄付」という制度も必要なくなるのかなと?
しかし、決してそんなことはないはずなので、社会的インパクト投資をあまり過信することは禁物なのかなと思わなくもありません。
ですが、少なからず社会貢献につながっているところがあることも事実だと思います。
「寄付」ほどのインパクトはありませんが、投資としてできるところもある。そういうことだと思います。
お金というのは、リターンが見込めるところへは一気に流れる傾向があります。
例えば、太陽光発電がそうでした。
太陽光発電が徐々に認知され始めた最初の頃に、「環境問題」と声高に叫ばれていても、投資額が高く、コストがリターンに合わない太陽光発電システムにお金を出す人はほとんどいませんでした。
ところが、太陽光発電システムで発電した電気を電力会社が買い取る買取制度ができてからは、一気に膨大な資金が流れ出して、あっという間に普及していきました。
これこそまさに、投資と社会貢献が両立したために、起こった現象のように思われます。(東日本大震災という大災害があったことも大きく影響していると思われますが。)
同様に、世界中の貧困や教育、医療の問題を解決できる投資となれば、太陽光のようにはいかないかと思いますが、それなりに資金が動き出すことも想像できます。
そういった意味で、今回取り上げたネクストシフトファンドや、似たような仕組みのクラウドクレジットといった仕組みがこれからどうなっていくのかは、気になるところでもあります。
今回取り上げるネクストシフトファンドですが、会社が鳥取県にあります。
なんで?と疑問に感じます。金融機関と言えば、東京に集まるイメージがあります。
鳥取県は創業者の出身地でもありますが、なにより日本で一番が人口が少ないところだというのです。だから地方創生ではないけれど、そこから始めるというのは面白い取り組みだなと思いました。
また、ソーシャルレンディング業者を見定めるのに、経営者の質というのが今とても重要になっています。
経営者の質、特に投資家からお金を預かって運用しているんだという認識をきちんと持ち、誠実な運営を行っている会社であるかどうかという点です。
するとネクストシフトの経営者は、三菱銀行で融資業務。ソフトバンク財務部で資金調達の仕事。ネット金融大手のSBIホールディングスの常務取締役。ヤフー子会社のワイジェイFXで代表取締役。
と金融とネットの両方を経験してきてる素晴らしい経歴の持ち主でした。
まさにクラウドファンディング事業にぴったりの経歴といった感じでしょうか?
まあ、この経歴だけで本当に誠実なのかどうかはわかりませんが、良い印象を持ったことは確かです。
ネクストシフトファンドと似たようなファンドを募集している会社としてクラウドクレジットがあります。こちらは、伊藤忠商事の出資やテレビなどで紹介されたこともあり、いま勢いがあるソーシャルレンディング業者です。
このクラウドクレジットとネクストシフトファンドの違いとして感じたのは、マイクロファイナンスに集中しているというところでしょうか?
新興国の農家や零細企業など大きな金融機関から融資を受けることが難しく思うように事業ができていない人たちに貸し出しを行っているマイクロファイナンスと呼ばれる金融機関に融資をするファンドとしてソーシャルレンディングを行っているのがネクストシフトファンドという印象です。
クラウドクレジットでも似たようなファンドはありますが、どちらかというと、金融機関などへ貸し付けるというよりも、融資対象地域に子会社を作るなどして、一度そこを経由して融資しているという印象を持っています。
つまり、運営方法に経費がかかりすぎているのではないかと前々から思っていました。
それによって投資で受けるリターンは、リスクのわりに低くなっているのではないかと思っていたところでした。
その点、ネクストシフトファンドは、『投資家⇒ネクストシフトファンド⇒マイクロファイナンス機関⇒融資先。』といったシンプルなようなので、わかりやすく、無駄がないのではないかと思っています。
また、投資家としてリスクを取っているのが、最終的な個人の融資先というよりもマイクロファイナンス機関なのかなと思えるところもよさそうな気がしました。
投資家が得られる利回りは、他の高利回りソーシャルレンディングよりも低めではありますが、リスクとリターンのバランスなどを考えれば、結構いい気もしています。
ただ、まだサービスを開始して間もないので、十分に注意する必要はあるように思います。
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