この本から、東京は世界でもトップクラスの経済力を持っていることがよく伝わってきます。そしてこれからも世界のトップクラスであり続けるだろうといことも感じてきます。
そして、地方の企業が、その東京の一等地に不動産を所有することで、そこからの収入をつかって長く事業を続けられる企業体質をつくることができるのではないかという考え方には、なるほどと納得するところがありました。
そこで、著者は東京の区分所有オフィスへの投資をお勧めしているわけですが、この本の著者は、その東京の区分所有オフィスを売買しているボルテックスという会社の経営者なので、多少は自社の宣伝的な意味合いも含まれているかもしれないと思うところです。
不動産への投資に関して思うことですが、不動産賃貸目的の不動産購入は投資ではなく賃貸業だと思っています。
筆者も不動産投資ではなく賃貸業と言っていますが、賃貸業の仕事は、不動産を所有していることではなく、建物の維持管理つまり修繕や清掃といったことの他、賃借人の募集、管理などを行う事などではないでようか?
地方の企業が、東京の物件の清掃や賃貸人の要望への対応などができるのでしょうか?
当然ですが、できませんよね。
そうなると、そういった業務を引き受けてくれる人を雇う必要があります。それがいわゆるボルテックスのような建物賃貸管理会社になってきます。
そのことを考えると、遠方の不動産を所有するということは、建物賃貸管理会社の影響力が強くなってくるのではないかと思っています。
いい建物賃貸管理会社に出会えればいいのですが、いまいちな管理会社だと不動産賃貸業は上手くいないかもしれません。つまり不動産賃貸業を他社に依頼するとなると、その依頼した先への依存度が高いことが問題になるような気がします。
正直、実物で不動産を購入し、賃貸管理会社へ管理を依頼するのも、リートなど有価証券を通して不動産へ投資して、そのリートの運用会社に運用を依頼するのももしかしたらそれほど変わらないのではないか?
と思えてきます。
確かに、東京の区分所有オフィスなどへ投資することで、都内の所得を地方にも流れていく仕組みをつくることで、地方の活性化につながるというのは良いことかもしれないと思います。
ですが、その東京の物件を管理してリスクの少ない利益を得るのが、結局は東京の会社という点は、どうなのかなと思うところもなくもありません。
結局良いのか、悪いのかわからなくなってきましたが、最終的には東京の区分所有オフィスへの投資がいいか悪いかよりも、ボルテックスという会社がどうなのかという事の方が重要なのかなと思いました。
思えば、ソーシャルレンディングにも似たような話がありましたよね。
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