太陽光発電やバイオマス発電などの再生可能エネルギーへ投資するソーシャルレンディングを運営しているグリーンインフラレンディングが、ファンド募集停止の状態になっています。
グリーンインフラレンディングの魅力と言えば、年率10%を上回るハイリターンです。
しかもソーシャルレンディングらしく、毎月分配で、投資した貸付金が返済されれば元本が減ることもありません。
そのような、とても大きな魅力を持っていることもあり、グリーンインフラレンディングは、ものすごい勢いで投資資金を集めていました。
クラウドポートというソーシャルレンディングの情報をまとめているサイトの情報では、月20億円近い資金を集めていたようです。
そんなグリーンインフラレンディングが突然のファンド募集停止。
先日、200億円突破記念ローンファンド第一弾のファンド募集がありましたが、募集した金額は集まったのですが、借入を行う事業者の都合によりキャンセルになっています。
なんか嫌な予感のする動きです。
「みんなのクレジット」や「ラッキーバンク」といった問題を起こしてしまったソーシャルレンディング事業者を思い出してしまいます。
今回の「グリーンインフラレンディング」と「みんなのクレジット」や「ラッキーバンク」との違いは、彼らに問題を突き付けたのが行政ではないというところです。
「みんなの」や「ラッキー」は行政による行政処分を受けたことで事業を行うことが難しくなりました。
「グリーンインフラ」は「グリーンインフラ」のファンドの資金募集を行っている「マネオマーケット」が「グリーンインフラ」に問題を突き付けています。つまり行政処分によるものではないという事です。
その点だけを見るのであれば、法律や行政上は特に問題となるような事態になっていないのかもしれないが、投資家を守る意味で、「マネオマーケット」が行政よりも先に動いたという事なのかもしれませんね。
そう考えると、今回の「グリーンインフラ」の問題は、「みんなの」や「ラッキー」のようなことにはならない範囲なのかもしれません。つまり、投資した資金のほとんどが失われてしまうというようなことにまでは問題が発展せずに済むのかもしれないと期待するところです。
現に「マネオマーケット」の発表では、『「グリーンインフラレンディング」におけるファンドの一部募集停止をいたしましたので・・・』となっていて、グリーンインフラが過去に募集してきたファンドすべてが対象ではなく、『一部』となっているところが、まだ何とも言えませんが少し安心してもいいのかなと感じるところです。
実は「グリーンインフラ」には、「みんなの」や「ラッキー」の問題となったところと似た仕組みを持っていました。
それは、ソーシャルレンディング業者が募集したファンドを、そのソーシャルレンディング業者の関連会社や関係者に貸し付けているというものです。
「みんなの」や「ラッキー」はそのことをひっそりと隠してファンドの募集をしていましたが、「グリーンインフラ」はHP内の「サービスについて」でそのことについて触れているところがあります。
この募集した資金を関連会社に貸し付けているという話だけを聞くと、ちょっと恐ろしい話ではありますが、「グリーンインフラ」では「マネオマーケット」が投資家とグリーンインフラとの間に入ることで、投資家の資金が不正な使われ方をしないように監視しようという仕組みがあるというのが、投資家に信用してもらうためのものでした。
今回は、まさにその仕組みが機能したという事なのかもしれません。
とはいえ、気づいたときには時遅しとなっている可能性も否定できませんので、まだまだ予断は禁物という感じもします。
ソーシャルレンディングは、誰に貸付を行っているのかが見えないというところに大きな不安のある投資先です。いずれ開示できるようになるといううわさも聞きますが、今のところあまり期待できないのかもしれません。
ソーシャルレンディング投資というのは、高い元本保全性や定期的な収入、それと投資した時にある程度リターンも把握できるというかなりリスクが少ない投資先のようにも感じますが、株式などとは全く違う信用リスクが存在することが徐々に明らかになってきました。
逆に言えばリスクが見えてくれば、その対処法も見えてくるものです。
ズバリいれば、分散投資がその方法の一つとなるわけですね。
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