投資信託などの説明を受ける時、資産運用という言葉を使ったり、投資という言葉を使ったり、資産運用と投資どう違うのかなと思うことがあります。
資産運用は、資産を運用する。つまり活かしきれていない資産をうまく活用していくことを指していると考えることができるかと思います。
そう考えると、投資信託を購入するという意味だけでなく、空き地や空き家になっている不動産という資産をうまく活用して、収益を生み出せるようにしたりとか、もっと使いやすいように整地するなども資産運用と言えるのでしょう。
あとは、あまり好ましい状態にない資産や負債を整理したりといったことも資産運用なんでしょうね。
つまり、資産運用という言葉にはとても広い意味があると考えられるわけです。そして投資というのは、資産の活用法の一つなわけですから、投資は資産運用の一部という事もできそうです。
ですが、投資信託を販売するのに、資産運用という言葉を使っている事を良く見かけるような気がします。
はっきり言って、投資信託を買うことは、資産運用ではなく、投資だと思います。
それが、分散投資などで資産管理をしましょうと言っているものであっても、投資信託を購入すること自体は投資以外の何物でもない気がします。
じゃあなぜ、投資信託を販売するのに、投資ではなく資産運用という言葉を使うのか?
これはおそらく、投資というと一般の人にとっては近寄りがたいものと受け取られがちだからなのかなというのが理由だと感じます。
投資なのに、資産運用という言葉を使うことで、あたかも投資をしているのではなく、運用をしているんだと思わせているのかもしれません。
この認識はおそらく危険なことだと思います。運用ではなく投資だという認識を持って投資信託などの金融商品は購入するべきでしょう。
じゃあ投資って何なのかなというところですが、投資は資を投じると書くわけですから、ザックリ言えば、お金や不動産などの資産を自分の元から他者へ移すという事になるわけですよね。
つまりそこには、どんな形であれ、リスクが生じることになります。
投資というのはリスクを取ることとイコールだと言えます。
「リスクを取ること?」と説明されて、投資をまともに経験したことのない人が、簡単な気持ちでそれを始められるとはちょっと考えづらいですよね。
だから資産運用という言葉を使って、リスクを感じさせずに、投資という行為をさせようとしているのかもしれないと勘ぐってしまいます。
そこで思うことは、初心者に投資をさせるために資産運用という言葉を使っているケースには注意しましょう。という事です。
投資なのに資産運用という言葉を使っているケースで多いのが、金融機関の広報です。
初心者に投資をさせるために資産運用という言葉を使って金融商品を販売しているという事は、そこで売られている金融商品は、初心者向けなのかもしれません。
商品自体が初心者向けなのか、販売の商品説明や提案が初心者向けなのか?
どちらかと言えば、後半のほうのが多いように感じていますが、実は投資をするにあたって初心者向けというのは、あまり手を出してはいけない分野です。
どうしても「初心者向け」とあると、初心者にとっては「安心感」があります。ですが、少なくとも投資商品に関しては、初心者向けというのはあまりお勧めできるものではないことが多いものです。
相場の格言に『人の行く裏に道あり花の山』という言葉があります。
この格言はまさに、相場(投資)で成功したれば、「人と同じことはするな」という事を言っているわけですが、残念ながら「初心者向け」というのは「人と同じこと」を提案されているわけです。
だから「初心者向け」には気を付けろ。それはつまり、「投資を資産運用と言っている」ものには気を付けろ。
という事になるわけですね。
投資において重要なことは、一にも二にも、誰に相談するかではなく、自分で学び、考える術を身につけろという事です。
相談するなら、自分で学び、考えるためのヒントをくれる人に相談したほうのが時間はかかるかもしれませんが、かなりの確率で人に言われるがまま投資をする人よりずっといい成績が出せるはずだと思います。
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