ヘッジファンドと聞くと、何かわからないけどすごい投資先?という気がしてきます。
一般的には、富裕層などから資金を集め、独特な運用法を用いて絶対収益(マイナスを極力出さないようにし、常にプラスの収益を生み出すこと)を得ることを目標としたプロ中のプロが運用しているファンドというイメージです。
ヘッジファンドの始まりは、アルフレッド・ウィンスロー・ジョーンズが創設したファンドがその第一号と言われています。
アルフレッド・ウィンスロー・ジョーンズが運用したヘッジファンドの特徴は、株を買うだけでなく空売りを組み合わせたという事でした。
それまでの投資信託は、空売りという手法を利用することがなかったそうです。
そもそも、ヘッジファンドのヘッジとは、日本語で言うところの「保険」的な意味合いのもので、ヘッジファンドの目的は、市場の下落リスクに対して保険をかけているファンドといったものでした。
株を買うだけでなく、空売りも使うことで、株式市場が下落している中でもプラスの収益を生み出そうとしていたわけです。
それがいつしか、運用方法を問わず、富裕層だけを対象として資金を集め、プロ中のプロが運用しているファンドといった意味に変化してきたように感じます。
今では、株式市場が大きく変動すると、「ヘッジファンドが動いた」といった表現が使われることが多くなってきましたが、実際にそうなのかは疑問に思うところです。
ヘッジファンドをもっと大まかにとらえ、市場の変動に左右されず、独自の運用法を用いて、高い収益を得ようとするファンドだと考えれば、個人投資家の中にも似たような運用法を行っている人もいるのかもしれません。
このように、市場の動向に左右されず、もっと具体的にいえば、市場の下落リスクを抑えて運用する方法は、かなり一般的になってきて今では投資信託やETFなどを購入することでも実行できるようになってきています。
特にETFでいえば、2本のETFが国内の証券取引所で上場しています。
一つが以前にも紹介した。『上場インデックスファンドMSCI日本株高配当低ボラティリティ(βヘッジ)』です。
もう一つが、『MAXIS日本株高配当70マーケットニュートラル上場投信』になります。
どちらも、TOPIXの市場リスクを軽減し、高配当株のリターンを享受しようという運用法です。
具体的には、高配当株式を買い、TOPIX先物で売りのポジションを取るといった方法を使っています。
つまり、「高配当株ーTOPIX」がこのETFのリターンという事になります。
市場リスクをほとんどなくし、特定の株式の市場平均を超過したリターンを狙うという、まさに最初に登場したヘッジファンドの運用に似ています。
これらのETFは、株式市場が好調の時は、成績が悪い(他の株式投資信託やインデックスなどにくらべてという意味)傾向にありますが、逆に株式市場が不調になると、その強みが発揮される感じなっているようです。
過去の値動きから想定したシミュレーションでは、角度は低めですが、安定して右肩上がりとなっている様子が見受けられます。
ある意味絶対収益に近い形と言えるのかもしれません。
株式市場が不調の時に、金などをポートフォリオに含めるといいと言われていますが、金はドルに大きく左右される特徴があり、また株式市場が不調になると、円高になるという傾向もあるため、日本にいる限り、株式市場が不調だから金がそのリスクヘッジになるかどうかは疑わしいところもあるように感じます。
そんな時、これらのヘッジファンドのような運用を行うETFをポートフォリオに組み入れるのも面白いのかもしれませんね。
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