ロボアドバイザーで資産運用、想像してたのとちょっと違う??

ロボアドバイザーで富裕層の資産運用ができるとか、投資初心者でも低コストでプロの資産運用ができるといった話を聞いて、投資初心者がロボアドバイザーを使って初めて資産運用を始めたという人も結構いるようです。

しかし、最近の株価下落によってロボアドバイザーで運用している資金が減少し始めたのを見て、こんなはずではなかったと感じている人もいるようです。

そう感じてしまう背景には、ロボアドバイザーはAI(人工知能)を使って、投資信託などを自動で売買して利益を上げてくれると考えていた人に多いようです。

そもそもロボアドバイザーは、利益の出そうな資産や株式銘柄などを選別し、適確に利益確定売りをしながら資産を増やしていくといった仕組みのものではありません。

ロボアドバイザーの基本となる仕組みは、現代ポートフォリオ理論に基づく、ポートフォリオ運用にあります。

ポートフォリオ運用とは、いくつかの資産クラスを同時に保有して、全体のリスクを軽減しながらリターンをできるだけ下げないようにするというものであって、有望だと思う資産クラスや銘柄に投資をするという発想ではない点に注意です。

また、稀にポートフォリオ運用がまともに機能しなくなる時期があるという点にも注意する必要があります。

ポートフォリオ運用がまともに機能しなくなる時期というのは、すべての資産が下落する状況です。

例えば、今まさに、金利上昇で債券価格が下落し、さらに株価も下落するという両方の資産クラスが下落する現象が起きています。

平常時には、債券と株式は逆の動きをすると考えられているため、株と債権の両方を同時に保有することで、お互いの価格下落を補完しあうと考えられているわけですが。

市場では、たまにそのような平常時とは違うことが起こったりすることがあります。

そもそもポートフォリオ理論という考え方は、一昔前の考え方と考えられているところもあります。

ポートフォリオ理論の根底には、正規分布という確率的な考え方があるのですが、実は市場を研究している人の間ではすでに、市場は単純な正規分布とはなっていないという考え方も生まれています。

相場とは、そう簡単に一つの理論で説明できるような世界ではないという事なのかもしれませんね。

じゃあポートフォリオ理論を使って運用しているロボアドバイザーが使えないのかというとそういうわけでもないと思います。

ポートフォリオ理論をつかって絶対収益(損失を出すことなく利益だけを得ようとすること)を得ようとすることが、そもそもおかしいという事です。

ロボアドバイザーの運用法は、富裕層向けの運用法を一般でも使えるようにというコンセプトがあるようですが、富裕層の運用法とは、リターンはそこそこで、リスクをできるだけ抑えたいという考えであることが多いです。

そう考えると資産形成世代には、ちょっと物足りない運用法なのかもしれません。

リスクを正しく理解しているという条件は付きますが、資産形成層にとっては、資産を形成したいと考える10年後、20年後にできるだけ資産が大きくなっていることが一番なわけですから、リスク軽減よりもリターン重視で考えた方がいいようにも思います。

『株式投資』という本を書いたジェレミー・シーゲル教授は、本の中で長期で見れば最もリスクが低い資産クラスは株式だという事を言っていました。

これは債券が安全資産だと考えている人にとっては、「?」と思う事かもしれません。

つまり、資産形成層はポートフォリオ運用を行うのではなく、できる限り株式重視の資産配分にした方がいいという事を意味します。

ロボアドバイザーとはちょっと考え方が違うわけですね。

株式の方が長期的にはリスクが低いと言われても実感はないし、どうしても「株式重視じゃリスクが高い」という声もあるかともいます。

仮に、ジェレミー・シーゲル教授のいう通りに株式中心に資産運用を行ったらどうなるのか?

おそらくというかほぼ間違いなく、今ロボアドバイザーで受けている損失をはるかに上回る損失が発生していることでしょう。

つまりは、資産運用とは株式中心でもロボアドバイザーでも損失を抱える場面はかならず出てくるという事です。

AIをつかったポートフォリオ運用でも、損失を抱える場面をなくすことは決してできないという事です。ロボアドバイザーにどんな期待を持っていたかはわかりませんが、利益だけを出してくれるようなそんな特別な存在ではないという事です。そんなことはほぼ不可能です。

資産運用は、損失を抱える場面とどう付き合っていくかです。

ロボアドバイザーだろうが、株式重視の投資であろうがそれは変わりありません。

損失を抱えて「こんなはずではなかった」と思うことがあるかもしれませんが、これは資産運用を行っている人すべての人が通る道です。

「こんなはずではなかった」と思ってしまうのは、まだまだ経験が浅いからです。

ロボアドバイザーを良いものだと考えるのであれば、とことん、相場の底まで付き合っていくぐらいの覚悟が必要だと思います。

FPたなか/㈱あせっとびるだーず


『お金のいろはファイナンシャル・プランニング』という独立系FP事務所で資産運用プラン策定の相談を行っています。

https://fpoffice.okane-iroha.com/

㈱あせっとびるだーず 
 代表取締役 田仲幹生 です。
【保有資格】
 CFP
 1級FP技能士
 宅建士

生命保険会社に勤め、その後税理士事務所に勤務すると同時期に、投資信託や株式投資を始めたが、2年後リーマンショックという株価大暴落に巻き込まれ、総資産の半分近くを失いました。
しかし、その後もめげずに投資と勉強を続け

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