スマートベータの取扱説明書 仕組みを理解して使いこなす(徳野明洋)

『スマートベータ』って聞いたことありますか?

おそらく『スマートベータ』と聞いて、知っているとか、聞いたことがあると思った人は、かなりの投資情報通なのかもしれないですね。

まず『ベータ』というのが何を意味しているのかというと、いわゆる市場平均のことで、ずばり言えば、TOPIXなどがその代表例としてあげられます。

そして『スマート』というのが、その市場平均にさらに工夫を凝らしたもの、つまり『スマート(賢い)』という意味と考えられています。

すまり『スマートベータ』とは、『賢い市場平均』といった意味になるわけです。

本書では、ます『ベータ』の定義、考え方から説明が始まります。

考えてみれば『スマート(賢い)』といっても、何に対して賢いのかが分からなければ、話が進まないですからね。

そして、一般的に考えらえている『ベータ』の問題点を提起し、どこをどうすることで『スマート(賢い)』になれるのかという点を説明しています。

正直この本は、最終的に言いたいことはそれほど難しくもないのかもしれないのですが、投資初心者には向かない本だと思いました。

まず、専門用語が多すぎる印象です。

最低限の金融工学などの知識がないと、ずっと何を言っているのかわかない感じになるのではないかと思います。

しかしインデックス投資が流行っている今、知っておいた方がいい話が書いてあるとも感じました。

簡単に要約しようと思うと。

まず一般的に言われている『ベータ』というのは、時価総額型の株価指数が使われているという点から始まります。

そして時価総額型の株価指数にはいくつか問題点があると説明しています。

時価総額型というのは、時価総額の大きい株式に株価指数が影響を受けやすくなっているという問題点があります。つまり、すでに割高になっている株式や、一部の大型株に偏ってしまっているということが考えられるというわけです。

このことは、分散投資の効果を薄くしてしまっているのではないかとも言っています。

そしてここからが問題なのですが、株式市場では、伝統的に割安株とも言われるバリュー株や時価総額の小さい小型株への投資が、高いパフォーマンスを発揮しているというデータがあります。

つまり時価総額型の株価指数に強く影響を与えている、割高、大型という株式の逆の銘柄が、株式市場のパフォーマンスを上げているという事になるわけです。

となれば、賢い市場平均を作るならば、割高、大型株に偏った市場平均から、よりパフォーマンスを発揮しやすい割安、小型株の組み入れ割合が多くなるように分散投資できる株価指数を作った方がいいのではないかといった考え方が、『スマートベータ』の考え方に反映されているというわけです。

今のは『スマートベータ』の考え方の一部でですが、個人的にはかなり理にかなっていると思っています。

個人投資家がインデックス投資、いわゆる『ベータ』に勝つには、単純に割安株への分散投資をしていれば簡単に勝てるのではないかと思っていました。

『ベータ』以上の運用成績で、膨大な資産を築いた著名投資家の多くが、割安株への投資を行っているという印象があります。

例を挙げれば、ウォーレン・バフェット、ピーター・リンチ、ビル・ミラー、ジョン・テンプルトンなどなど早々たる面々がすぐに思いつきます。

こういった人たちの運用成績に対して、インデックス信者?たちは、偶然だとか、奇跡だとか、かなり低い確率にたまたま当たっただけだなどと評価をしている人もいるようですが、あながち偶然でもないのかもしれないと考えています。

市場平均の裏側を知って、あたらしい着眼点で、あたらしい市場平均を探すといったアプローチが『スマートベータ』という事ですね。

本書の中では、より細かく新しい市場平均を探すための着眼点を教えてくれています。

株式市場へのアプローチの仕方として勉強になりました。

それと、『スマートベータ』へ投資をする方法は、現在ではETFや投資信託を通して簡単に投資をすることができるようになっています。

ただ、いつどの『スマートベータ』を使うことでパフォーマンスを上げられるのか、『スマートベータ』への分散投資は有効なのかといったことも知っていないと、ちゃんと『スマートベータ』を使いこなすことができないという意味で、この本は『取扱説明書』というタイトルになっているようですね。

『スマートベータ』への投資を考えている人はもちろんですが、株式市場でパフォーマンスを上げるためのアプローチの仕方のヒントを得たいと考えている人にとっても参考になることが書いてあると思います。

ただ、ちょっと難解なところが気になる点ではありますが。

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