『桁外れの利益をたたき出すトレーディング トレンドフォロー59の啓示 単行本(マイケル・W・コベル)』

あまり読まなくてもいい本?

タイトル通りなのかもしれないが、トレンドフォローという投資戦略の啓蒙本です。

具体的なトレンドフォローの手法に触れることもなく、トレンドフォローという投資戦略がどういうものなのかということについての筆者の意見が、一冊まるまる書いてある。

あくまでも、個人的な見解であって、研究論文などで根拠を示すこともなく、「私はこう思う」的な内容に終始しています。

私自身、決してトレンドフォローという投資戦略を否定しているわけではないし、むしろ興味のある投資戦略ですらあります。

しかし、結果的に本書を読んだことで、それほど有益な情報や知識が得られたという感じは受けませんでした。

それも、私自身すでにトレンドフォローという投資戦略に興味があったからなのかもしれません。もしかすると、この本はトレンドフォローという投資戦略に初めて触れる人やトレンドフォローという戦略には意味がないと考えている人向けに書かれた本なのかもしれません。


むしろ、この本の目的は、あまり具体性がない内容で、トレンドフォローの魅力だけをづらづらと書くことで、トレンドフォローを学んでみたいという興味を引き付けるための本だったのかもしれない。

つまりは、この本を読んだ後の読者の行動が、この本の最大の目的なのかもしれないと感じてしまった。

この本の発行会社は、株式会社FPOという投資教育商材などを販売している会社でした。

本書についていた無料サービスのお知らせでは、その株式会社FPOの投資教育商材へとつながるお知らせが入っていました。

本書を読んで、トレンドフォローを学んでみたいと思う人が出てくる。そしてその人を対象に株式会社FPOが、自社のトレンドフォロー投資教材を売る。ということが目的にあるのかもしれないと思ってしまいました。

そうなると、本書にたいして急激に冷めてきたりするものです。


トレンドフォロー投資戦略を肯定する?

私も昔は、トレンドフォローのような投資戦略をあまり信じていなかった。

テクニカル分析は迷信だと考えていました。

しかし、今では、勝手な思い込みでトレンドフォローを簡単に切り捨てるのは間違いなのかもしれないと思っています。

そもそも、ファンダメンタル分析だって、迷信だと最近は考えている。

「割安株を買えば、いづれ効率的な市場は、そのズレを正しく認識し、妥当な水準に株価は上がるはず」なんてこともないと思っている。

長年株式市場と付き合ってきて、感じていることは、「結局、株価は株価が動きたいように動く」ということだけです。

割安株を買うのは、単に統計的に『バリュー効果』というものが過去の相場から見られるということが理由になっているだけです。

もちろん、バフェットがバリュー投資をしているからというのもバリュー株投資を行う直接的な理由にはなりえません。

似たように、市場で確認されているアノマリーには、『小型株効果』や『モメンタム効果』などがあると言われています。

個人的には、トレンドフォロー投資戦略をこれらの中の一つとして期待しているというわけです。


トレンドフォローについて本気で考えてみるきっかけの一つとなったのは、『Adaptive Markets 適応的市場仮説 危機の時代の金融常識(アンドリュー・W・ロー)』です。

この本によって、効率的市場仮説が間違っていることに気づくことになりました。

正直、それまでの間にも実践の中で効率的市場仮説にたいして疑問を感じていたのかもしれない。

その疑問の多くが先の著書を読んだことによって一気に解消されたために、効率的市場仮説には間違いがあると考えるようになったわけです。

そしてその後もさまざまな本で、効率的市場仮説を否定していることにも気づくようになり、トレンドフォローというアプローチにも興味を持つようになったわけです。


ジョージ・ソロスの再帰性。

株価が上がる様子を見て、明日も上がるかもしれないと期待し、その期待が株価に反映され、さらに株価が上がっていき、実態価値を離れて価格が動くことがあるという考え方。

過去の事象が、未来の事象に影響を与え、その流れが勝手に大きく膨らんでいくことがある。

本来この考え方は、効率的市場仮説からは否定されるべきものだと思われます。

しかし、実際にこの現象を肌身をもって体験している以上、これが現実だと感じています。

そしてこの流れは、一種のトレンドができていく流れでもあります。

だからこそ、トレンドフォローという投資アプローチもあながち間違ってはいないのかもしれないとも思うようになりました。

そして、『最も賢い億万長者〈上〉 数学者シモンズはいかにしてマーケットを解読したか(グレゴリー・ザッカーマン)』でも、結局はトレンドフォローに似た投資戦略を扱っていたことが分かった。

トレンドフォローには、市場を出し抜ける何かがあるのかもしれない。

でも、実際にそれを成し遂げた人の数は、かなりすくないとも感じている。

だからこそ、トレンドフォローという投資戦略に興味がわいたのかもしれません。


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