『ランダムウォークを超えて勝つための 株式投資の思考法と戦略(田渕直也)』


インデックスファンドだけがベストではない。

本書のタイトルが、ランダムウォークを超えると言っているぐらいなので、インデックスファンドを超える理論的な方法があるのかと期待して手に取りましたが、あくまでも本書の著者の考えとしては、インデックスファンドがベストであるという考えではあるようです。


本書の著者は、本書の他にも『確率論的思考 金融市場のプロが教える最後に勝つための哲学』『ファイナンス理論全史 儲けの法則と相場の本質』などの、確率論的なアプローチからの株式投資の思考法などを書いています。

そういったこともあり、数学や確率などの理論的な視点から見ても、インデックスファンドを超える方法があるという内容なのかと思ったわけですが、どうやらそこまでの話ではなかったようです。


本書の中では、インデックスファンドを超えるためのアプローチとしていくつか紹介がされています。

小型株効果や割安株効果、モメンタムなどいくつかでてはいますが、その説明に根拠としてしっかりとした裏付けが紹介されているわけでもなく、「おそらくこういうこともあると思います。」といった程度のものでした。

やはり『インデックスファンドこそがベストである』というのが筆者の考え方のなのかもしれません。


信念や哲学を持つことに株式投資の本質にある?

正直過去の著者の本と比べると、説得力にかけるというか、この程度の内容かと思ってしまうような印象でした。期待感があっただけにちょっと残念です。

しかし、この本の中で重要な事として、「インデックスファンドを越えようとするには、それなりの負担が伴う」ということを言っていたように感じました。


インデックスファンドを超えることができないということはないと思います。けれどそれを超えるためには、それ相応のリスクと負担が伴うということを忘れてはいけません。

株式投資をするものは、最終的には平均値(ほぼインデックス)に回帰することになる。

いい成績が数年続いたとしても、多くの場合その後の成績は芳しくないものとなる。数十年もつづくようなのは、ウォーレン・バフェットなどのような極稀な存在だけというのが現実。

ウォーレン・バフェットのような投資家になりたいとバフェットの投資法を学ぼうとする人は多いものです。

しかし、本書の中にもありましたが、バフェットの投資法のモノマネまではできるけれど、バフェットの信念や哲学までは真似することができないという話がありました。

方法ならいくらでも真似できる、でも実際にパフォーマンスを上げるために必要なのは、信念と哲学。

これが株式投資の本質なのかもしれないと感じました。


バフェットだって、インデックスに負ける年もある。それでもバフェットは、自分の信念と哲学を信じ、変に右往左往することなく、頑なに自分の投資法を行っている。

たとえ負けたとしても、もしくは失敗したとても、自分の考えを信じてそれを続けつづけること、これがインデックスに勝つための重要なポイントになっているんだと思いました。

人から方法を学ぶことは、それほど難しいことではありません。

はっきり言えば、効果的な投資を実践する方法なんて調べればいくらでも情報は出てくるし、簡単に実践する方法も紹介されていることもある。

それでも、その方法で実際にパフォーマンスを上げられるかどうかは別の話。

その大きな理由が、『信念や哲学』というところにあったんだ、ということをはっきりと気付かされたような感覚でした。


ランダムウォークを超えるための方法は、自分の考えを持って、自分の考えを信じ、どんな逆境でもそれを貫き通す信念と忍耐力を持つこと。

それができないと思うなら、インデックスファンドが一番いい。

バフェット曰く、「私の考えでは、多くの人にとって、最も良い方法は、S&P500インデックスファンドを買うことだ。」

この言葉も、いろいろ振り返ってみてみると、改めて「なるほどな」と思う次第です。


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