平成29年10月の金融庁のレポート

『平成28事務年度 金融レポートについて(金融庁)』

昨年、外貨建て貯蓄性保険商品と、ファンドラップについて、ずばりダメ出しをしていた金融レポート。

ちなみに外貨建て貯蓄性保険とは、ドル建て終身保険や、ドル建て年金保険といった類の事です。

今年はどんなことが書いてあるのかなと思って覗いてみました。

昨年ほどズバリ、金融機関の対応にダメ出しをしているという感じではありませんでしたが、なんか含みのある書き方しているのかなという感じはしました。

ちなみに昨年のダメ出しとは。

外貨建て貯蓄性保険商品

『貯蓄性保険商品の中でも、近年、運用を定額部分と変額部分に分けた一時払い外貨建 保険の販売が伸びている。仕組みとしては、定額部分を外国政府が発行する債券等で運用し、運用期間終了時に、当初払い込んだ(外貨建の)保険料全額を最低保証するととも に、変額部分は元本保証のない投資信託等で運用しており、それに外貨建の死亡保険を組み合わせるといった、内容が複雑なパッケージ型の商品となっている。 一方、このパッケージ商品を構成する外国債券と投資信託、(掛け捨ての)死亡保険を別々に購入・契約することでも、このパッケージ商品と同等の経済効果を得ることができる。 例えば、豪州ドル建ての一時払い保険と、それと同程度の経済効果を得られるように豪州国債と低コストの投資信託(あるいは ETF)、掛け捨ての死亡保険を組み合わせた場合とで、顧客の支払いコストを比べると、後者の方が 10 年で10%程度低くなることがある。また、 比較的単純な商品を個々に説明することで、説明の負荷もパッケージ商品より軽くなるものと考えられるが、今回の検証においては、金融機関代理店の中で、このような代替策を提案しているところは見られなかった。 』

と言っていました。

ファンドラップについては

『一方、対象の証券会社や信託銀行が提供しているファンドラップについて、運用対象の投資信託の中身を見ると、系列の投資運用業者が設定する投資信託が平均で5割前後を占めており、中には7割近くに達するものもある。 ファンドラップを提供する金融機関は、各社とも、顧客よりも系列会社の利益を優先することがないように、運用対象の投資信託選定に際し、別途、外部より助言を受けているものの、当該助言会社も大半が系列会社となっている等、選定プロセスの透明化に向けた取組みはいまだ途上にある。』

どちらも、顧客への説明不足による顧客の機会損失の可能性を疑ったもので、また、目先の利益優先の販売方法になっているのではないかという疑問を呈している感じです。

そして、1年たった今回はどうなったのか?

昨年ほどのダメ出し感は感じられませんでしたが、金融機関の顧客の利益を無視?した利益優先販売状況が見られるといったことを言っている感じです。

『主要行等と地域銀行36における投資信託の販売手数料の動向を見ると、販売した投資信託全体の平均販売手数料は 2014 年度に比べ低くなっているものの、2016 年度は上昇してい る(図表Ⅱ-1-(2)-3)。 また、販売額上位5商品について、販売手数料率別で見ると、3%以上の商品の割合が高まっており、足下で投資信託の販売が手数料の高い商品にシフトしつつあることが窺われる(図表Ⅱ-1-(2)-4)。』

と言っています。

つまり、今までよりも手数料が高い投資信託を売っているように見受けられるという事です。

金融庁レポートでは、長期の資産形成では、低コストで運用することが非常に重要と言っています。

日本よりも資産運用に積極的な米国などでは、低コストの投資信託を使って資産形成をしている様子がうかがえると言っていて、そういう資産運用に対する姿勢の違いか、日本が米国や英国などとくらべると、家庭の資産増加が弱い結果につながっているのではないかと考えているようです。

投資信託の常識として、プロが運用してもインデックス(市場平均)に勝てる投資信託はほとんどないと言われています。

なぜなら、プロが運用しても劇的に収益率がアップするようなことはない上に、プロに運用してもらう投資信託に係る高コストが、収益率をさらに悪化させるからという理由があるためです。

この辺のことを知っていると、3%以上という手数料は、「マジかよ⁉」と思うような水準です。

つまり、来年度から始まる『積立NISA』とは、その辺の課題をクリアにしつつ、家庭の資産形成に本当に役立つ制度にしようと頑張ってつくった制度だという話です。

金融庁お墨付きの低コストで、一時で終わらない長期運用目的の投資信託で、非課税というメリットも活かしつつ、家庭の資産形成につながるものを金融機関が勧めていくようにといった目的があるという事です。

ですが、残念ながら、金融機関のメリットがいまいちなため、肝心の『積立NISA』に力をいれていないといった感じを受けます。

果たして、『積立NISA』という制度を知っている人は、日本人の中にどれだけいるのでしょうね。

もしかすると、5%程度しか知らないと言われている『ETF』よりも認知度低かったりして?

結局、金融機関は儲かることしかしない(顧客の利益はその次)ってことなのでしょうか?

営利事業ですから仕方がないことですけどね。

やっぱり一番重要なのは、家庭の金融教育なのでしょうね。

FPたなか/㈱あせっとびるだーず


『お金のいろはファイナンシャル・プランニング』という独立系FP事務所で資産運用プラン策定の相談を行っています。

https://fpoffice.okane-iroha.com/

㈱あせっとびるだーず 
 代表取締役 田仲幹生 です。
【保有資格】
 CFP
 1級FP技能士
 宅建士

生命保険会社に勤め、その後税理士事務所に勤務すると同時期に、投資信託や株式投資を始めたが、2年後リーマンショックという株価大暴落に巻き込まれ、総資産の半分近くを失いました。
しかし、その後もめげずに投資と勉強を続け

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