FX取引の王道 外貨資産運用のセオリー (大西 知生)

「為替取引はゼロサムゲーム。」「FX取引で儲けられるのは、全体の2割もいない。」

といった話を聞くことがあります。

そうなると、FX取引は、はたして資産運用になるのだろうか?という疑問が湧いてくるわけですが。

個人的には、FX取引は資産運用ではなく、マネーゲームという印象が強いです。

上手くいっているときは、面白いように利益を上げてくれ、それこそ働くのが馬鹿みたいに思えるほどの利益が出たりするのですが、ちょっと状況が変わると、その利益も投資元本も一気に持っていかれ、気が付くとあっという間にマイナスになっているということを繰り返すという感じです。

じゃあ、値動きを狙わずに、金利収入であるスワップでコツコツ利益を積み上げていけば運用になるのではと思うのですが。

そのコツコツ利益では、値動きの大きさに翻弄され、やはり資産運用になっているという感覚がありません。その運用方法の場合、おそらくとしか言えませんが数年、いや10年超の運用期間をもってやっと資産運用をしているという感覚になってくるのかもしれないと感じています。

はっきり言って、FXは株式よりも難しいというのが個人的な感覚です。

それでも、やはりFX取引をつかって資産運用ができる方法があるのではないかと思ってしまうところがあります。

この本は、タイトルにはFXと書いてありますが、どちらかというと、外貨運用とはどういうものかというのを教えている感じです。

本書の中で、この本を書いた動機は「投資に対する意識の高い人たちに外貨資産形成を始めるきっかけを作りたいと思ったことです。」とありましたが、その通りの内容になっていると思いました。

外貨運用で、なぜFXを取り上げているのか?詳しくは本書の中で説明していますが。

①使い方次第で短期取引も長期取引もできる自由度の高さ。

②他の外貨運用よりも圧倒的低コスト

などがFXの有利な点として上げられています。

FXはゼロサムゲームだと言われているけれど、FXのスワップ金利は短期金利を取引しているにも関わらず、その金利は結構高金利です。

FXで豪ドルをレバレッジ1倍で取引した場合のスワップ金利は約2%前後(2017/10)になっています。対して、外貨預金の豪ドルの普通預金金利は、1%(2017/10)。1年超の定期預金で2%といった感じです。

これなら、豪ドルをFXで取引するのも、外貨預金で取引するのも、同じことということになります。FXで、買って放置の預金のような使い方をして利益がでないなら、外貨預金でも利益は出ないはずとなります。

言い方を変えれば、外貨預金が資産運用になるのであれば、FXが資産運用にならないわけがないはずなのですが。

また、FXは低コストで外貨運用ができる点が、外貨運用はFXを使った方がいいと言われる大きな理由です。

資産運用において、コストというのはリターンの改善に直接影響してくるものなので、いかにコストを下げて運用するかに注目するだけでも、全然違った結果をもたらすことになります。

来年から積立NISAが始まりますが、その積立NISAの対象として使える投資信託は低コストであることが条件であったります。資産形成と低コスト運用はセットと考えても決して間違いではありません。

FXは、そのコストが他の外貨運用よりもずっと優れているという点が、外貨運用をFXで行うことを勧める大きな理由となっているわけです。

理屈はどうであれ、資産形成を目的とするならば、最終的に儲かるのかどうかという結論が一番重要なところです。

「FX取引で儲けられるのは、全体の2割もいない。」と言われているわけですが。

どうやらそうでもないようです。

本書の中の説明では、FX会社の顧客口座の50%ぐらいは金額が増えている。つまり2人に1人は利益が出ているという事になっているそうです。

それでも半分なので全員が良かったというわけではないけれど、それでも2割と言われていたのが、実際は半分というのは意外な事実でした。

さらに言えば、あきらめた人、やめてしまった人などもいるでしょうから、真面目にFX取引に向き合っている人であれば、そのほとんどは利益が出ているという想像もできるかもしれません。

資格試験で、合格率4割のものは、頭の良い悪いに関係なく、それなりに勉強をしたかしないかだけの差だと言われています。忙しくて勉強できなかったや、記念受験、申し込んだけど試験会場に行かなかった。これだけで6割近くいるということなのでしょうか?

おそらくFX取引も似たようなものである可能性は高いような気がします。専門家にならなくても、そこそこの勉強をして、真面目に取り組めばきっと利益は出る。そういうものなのかもしれません。

ただ、FX取引で利益が出るのは、全体的に円安に動いている時のようです。

円高に動いている時は、やはり2~3割ぐらいしか利益を出せていないようですね。

(金融先物取引場協会 店頭FX月次速報)

どうやらFX取引は私が思っている以上に資産運用になる可能性があるのかもしれません。(この統計も、口座残高が増えた分というのは一部の人の稼ぎでなのではという疑問もなくはないですが。)

FX取引だけを考えるのではなく、外貨で運用しようと思う人であれば、いろいろ参考になる本だと思います。

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