ついに日本でもベーシックインカムの導入を議論?

小池百合子東京都知事が代表を務める政党「希望の党」でベーシックインカムの導入を公約として掲げました。

個人的な意見としては、ちょっとまだ現実的ではないじゃないの?と思ってはいますが。

世界中で導入を検討されている話題の制度ですから気になります。


ベーシックインカムって?

ベーシックインカムとは、簡単に言えば国民全体に平等に一定の金額を配るというという制度です。

この制度の大きな利点は、単純で分かりやすいところです。

今の社会福祉制度は、国民年金や厚生年金、遺族年金、障害年金、寡婦年金、生活保護、などなどいろいろと複雑に絡み合っています。

例えば、国民年金は単純に考えると、現役を退職し所得のない人のためにお金を支給するという制度です。考えてみれば、生活保護の制度と被っているところあると思いませんか?

厚生年金などの制度については、専門家にだってよくわからないところがあるくらいに複雑極まりないです。例えば、遺族年金や障害年金、老齢年金すべてが受給できる条件が整っている場合どうやって支給されるのか知っていますか?全部受け取れるのでしょうか?もしそうだとしたら、どれだけ沢山受け取れることになるのだろうか?(もののたとえです。実際にはそんなに受け取れません。ただ、どこからどれだけ出るのかは分かりずらい話になってます。)

生活保護が支給される条件って知ってますか?一定の条件さえクリアすれば、他のところでちょっと悪さしたって(他に表に出ない収入や資産がある)支給されるものなのでしょうか?

その監視はどのように行っているのだろう?

とにかく複雑極まりない、話を聞くだけで嫌になってくるものばかりです。

個人的には問題点が見えてくる度に、ちょこちょこと手を入れてきたせいで、つぎはぎだらけの制度になってしまっていると感じています。

良く保険料支払いの記録洩れとか、もらえるはずだった年金額を間違えていたといった話を聞きますが、これだけ複雑な制度にしてしまったら、そうなるのも仕方がないよねとさえ思えてきます。

ベーシックインカムによって、この複雑怪奇な社会福祉制度をスッキリさせてくれるのではないかと期待したいところです。

ベーシックインカムを導入することによって、今までの複雑な年金制度や生活保護制度は撤廃できるし、制度が単純なので、制度運営のコスト削減もできると言われています。

やはり、「シンプル・イズ・ベスト」。わかりやすいっていいですよね。


ベーシックインカム導入は問題点が多すぎる?

「シンプル・イズ・ベスト」良いですよね。個人的には大好きです。

そういえば、有名な物理学者のアインシュタインの言葉にも、「ものごとはできるかぎりシンプルにすべきだ。しかし、シンプルすぎてもいけない。」というのがありましたね。

とにかく今の社会保障制度の話を聞くと頭が痛いです。

分からない、複雑すぎる、いろんな他の制度と絡まりすぎ。行政自身が把握できいないんじゃないかと思う時がある。

ファイナンシャルプランナーでも社会保障の話は苦手分野と考えている人が多いように感じています。

でも、だからと言ってベーシックインカムを導入するのはそう簡単なことではなさそうです。

世界的にもベーシックインカムを研究し、実証実験をしているところは、たくさん出てきています。しかしあくまで実験という感じです。「希望の党」みたいに国の制度として正式に導入しますなんて言っているところはないです。

なぜ良さそうな制度なのに、実験段階なのか?

まずよく言われるのは、コストです。制度を運営するシステム作りや人件費などといった経費は抑えられそうですが、国民全員に支給するというのはちょっと大丈夫なのかという話です。

例えば、月10万円を国民全員に支給した場合、

約1億2700万人×10万円×12ヶ月=152兆4000万円/年

年金の今の給付額は約57兆円、福祉その他が約24兆円らしいので、併せても152兆円には届かないです。

となると、この財源をどうするのかという事になります。

もしかすると、仮に毎月10万円、4人家族なら40万円を支給してもらえるのなら働くのやめてしまおうと考える人も中にはいるでしょう。この場合、この人から所得税などの税金を納税してもらえなくなってしまいます。

となると、ベーシックインカムの導入で膨大なお金が必要なのに、その財源である税金は減ってしまうことになってしまわないかという心配がありますよね。

じゃあ、「高所得者への増税を!」となったら、今度は高所得者が「働かない人のために税金払うなんてアホらしい」となって日本から出ていくことだって考えられます。

支出と収入でバランスがとれるのか、ベーシックインカム導入のポイントですね。

また、先ほどの財源(約57兆円と約24兆円)は、今支払っている年金保険料も財源になっているわけですが、年金という制度がなくなるのに、年金保険料を支払えというのは、ちょっと矛盾してますよね。

つまり年金保険料という徴収の仕方がなくなる可能性だってあるわけですが、その不足分はどういう名目で納税してもらうのでしょうね?

う~ん。収入と支出のバランス中々奥が深い問題となりそうです。

それと、今の年金制度がなくなるという事も問題も考えられそうです。

ベーシックインカムの支給額が月10万円になったとしたら、今現在それ以上に年金をもらっている人が反対することは容易に想像できます。

今までの年金プラス、ベーシックインカムはさすがに先ほどまでのコストのことを考えても非現実的すぎますよね。

それと、今まで保険料を払ってきた人も黙っていない気がします。

決して安くない保険料を、毎月毎月払ってきて、「明日から年金制度をやめます。今まで払ってきた保険料は無駄になります。」と言われたら、さすがに頭にくるでしょうね。

さらに追加すれば、今まで年金保険料の支払いをしてこなかった、払わずに黙っていた人たちは、年金制度がなくなりベーシックインカムになることで、老後の不安が解消です。

今まで払ってこなかったけど、年金のようなものが貰えるようになったと、まさに「ラッキー」です。

その人たちへの支給の財源は、真面目にコツコツ払ってきた人から出ているお金です。これも素直に受け入れられる話ではないかもしれません。

と軽く想像するだけで、ベーシックインカムの実現にはいろいろと課題がありそうですよね。

あと余計な心配かもしれませんが。

社会保障関係の手続きをしている公務員といった人たちはお役御免でしょうか?

ベーシックインカムを導入した場合、さらにマイナンバーも有効活用することで、人手はいらなくなりそうな気がします。

その場合、突然辞めてくれとは言えないでしょうから、どういう扱いになるのでしょうね?

あと、GPIFなんかも解散かな?

GPIFで働いている人はもちろんだけど、GPIFから運用の委託を受けている金融機関などもただじゃすまない問題になる?

社会保険労務士の仕事もなくなるかもね。

社会保険制度が単純化され、手続きが簡単にできるようになったら、ありえない話じゃないですよね。ちなみにベーシックインカムが導入されれば、少なくとも雇用保険は必要なくなるよね

こう考えると、なんて社会的にインパクトのある制度なんだろうなと感じますね。

FPたなか/㈱あせっとびるだーず


『お金のいろはファイナンシャル・プランニング』という独立系FP事務所で資産運用プラン策定の相談を行っています。

https://fpoffice.okane-iroha.com/

㈱あせっとびるだーず 
 代表取締役 田仲幹生 です。
【保有資格】
 CFP
 1級FP技能士
 宅建士

生命保険会社に勤め、その後税理士事務所に勤務すると同時期に、投資信託や株式投資を始めたが、2年後リーマンショックという株価大暴落に巻き込まれ、総資産の半分近くを失いました。
しかし、その後もめげずに投資と勉強を続け

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