生命保険は損するだけといういい方は言い過ぎだと思いますが、損する可能性が高いと言えます。
それは確率的に考えてみても、常識的に考えてみても、なんとなくわかる話です。
生命保険に加入することが無駄だとは思いませんが、必要以上に加入することで思っている以上の経済的損失を受けている可能性が高いという認識をもって保険を考える必要はあると思っています。
損する可能性が高いのは当然です。
確率を考えましょう!
例えば、現役バリバリで、家庭もあり、まさに生命保険に加入しようか、または追加で加入しようかと考える30~34歳の死亡率は、男性で63.7/10万人(0.0637%)、女性で34.7/10万人(0.0347%)です。(厚生労働省「人口動態統計」(平成27年より)
まるで宝くじですね。
現役時代が終わり、そろそろ年金をもらいだそうかなという年齢の65~69歳を見ると、男性で1307.1/10万人(1.307%)、女性で536.1/10万人(0.5361%)です。
思っていた以上に低い気がしました。
期待値で考えてみます
男性が65~69歳の時に、死んだら100万円貰えるという条件で知り合いと賭けをしたとすると。(死んだら貰えないけど、わかりやすく考えるために)
100万円×1.307%=13070円 ってことになりますよね。
じゃあ生命保険の話に戻します。
年間100万円の保険金を受け取るために、支払う年間の保険料はいくらでしょうか?
期待値から考えると、年13,070円(約月1,090円)以下でないと保険に加入する側は儲かることはないってことになりますよね。
ですが、実際には、掛捨ての保険料が割安な定期保険でも、100万円に対して、2,000円~3,000円ぐらいは支払っているのではないでしょうか?
生命保険に加入することで損をするのは当然ですね。
確率とかで計算せず、常識的に考えてみても。
生命保険の保険料は、
①予定死亡率
②予定運用利率
③予定経費率
の3つから計算されていると言われています。
生命保険会社が保険金を支払う時を考えると、生命保険会社が錬金術でお金を生み出して、保険金を支払っているわけでなく、他の加入者から保険料をもらってその範囲内で保険金を支払っているはずです。
つまり加入者全員の保険料総額よりも支払われる保険金の額は少なくなっているはずという事になります。
そう考えれば、死亡した時に保険金を目当てにして儲かるわけがありません。
さらに言えば、保険料の中には③予定経費率がありますから、集めた保険料の内何割かは、保険会社の外交員への報酬や、保険会社のビルの購入や維持費などの運営経費に使ってしまっているはずです。
となれば、ゼロサムどころか、マイナスサムです。
それも簡単に想像しただけでも、相当なマイナスサムだろうと思うところです。
ただ、保険加入者にとっては、唯一の希望である②予定運用利率があります。
せめて、②予定運用利率で、③予定経費率をすべて賄ってくれれば保険料と保険金の関係はゼロサムになるのではないかと期待したいところですが。
生命保険会社が保険料を何で運用しているかご存知ですか?
生命保険会社の運用先は、主に債券であり、その中でも大きな割合を占めているのは国債です。
今の国債がどんな利回りかご存知ですよね?
日銀のイールドカーブコントロールによって、長期金利(10年国債)の金利は0近辺にコントロールされています。
単純に考えれば、国債への投資で儲かるわけがありません。
仮に、0金利がなかったとしても、日本では長年金利は超低金利が続いています。
これでは、③予定経費率を上回る②予定運用利率は期待できないとことです。
という事で、生命保険に加入することで損することは確定的です。
ならば、生命保険の加入はできるだけ避けるという選択が正しくなるはずなのですが?
「なぜか日本人は生命保険が好きだよな。そりゃ外資系の保険会社がわんさか日本に来るわけだよ!」という印象があります。
そうはいっても、日本全国たくさんの人の統計と、自分一個人の死ぬかもしれない不確実性を、一緒と考えるのは危険な行為ですから、やはりいざという時のために、保険に入っておくことは必要だと思います。
しかし、最近徐々に注目を集めてきているような感じもしますが、加入するべき保険の種類は掛捨て型なのでしょうね。
積立型の保険に加入すれば損しないような感じに見えるけど、積立型保険に加入したところで、③予定経費を余分に使わせる?必要はないし、③予定運用利率もあまり当てにならなさそう。というよりも自分自身で運用したほうのが、ずっといいパフォーマンスを発揮できると思いますよ。
なぜなら、生命保険会社側からしてみれば、大きなリスクを取って、高いリターンを目指す必要がないのですから。
むしろ、大きなリスクを取って、保険金の支払いに支障をきたすようなことになるほうのが怖いわけです。(過去にそういうことをやってしまって、生命保険会社がいくつも破たんするようなことがあったのは、だいぶ昔になりましたが。)
つまりローリスク・ローリターンが保険会社の基本的スタンスにあるような気がします。
さらにさらに、運用リターンの少ない分は、保険料の値上げで何とかなる。そういうところもなくはないと思えてきます。
ローリスクで運用、運営し、経費と利益の分は、保険料を決める時点で確定させ、状況が悪くなったら、運用や経営を改善するよりも、保険料を値上げしたほうが簡単?
ここまで考えてしまうと、ちょっと問題あるかもしれませんが、可能性としてはあるのかもしれません。
少しでもお金とうまく付き合っていくためには、生命保険というのは最後の手段だと考えるべきだと個人的には思うところです。
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