損益分岐点という言葉は、よく事業経営の世界で使われている言葉です。
経営指標に損益分岐点売上高という言葉がありますが、これは、事業が黒字になるために最低限必要な売上高はいくらなのかという事を意味しています。
売上?、資産運用には関係ないんじゃ?と思われるかもしれませんが、意外とこの考え方は資産運用にも使えると思っています。
資産運用の損益分岐点は、総資産額で考える!?
資産運用や投資といった世界は、ほぼすべてがパーセント(%)という言葉でできています。資産運用でどれだけ資産が増えるのかの話も、総資産額に対して何%という言い方をします。
事業や家計のように『額』でものを考えることはほとんどありません、基本投資の世界は『率』で考えます。これは投資や資産運用をする上での基本的な考え方です。
投資家のほとんどが、投資アイデアなどの話をするときに『額』で話すのをほとんど見かけません。皆『率』で説明しています。経営指標にしてもGDPが「いくら」という話よりも「何%増」といった文言の方がよく見かけるのではないでしょうか?
みんな頭の中『率』ばかりです!。『率』と『複利』、この2点はしっかりと心に刻んだ方がいいと思っています。(もう数字を見たら自動的に率で計算したり、物事を複利で考える癖をつける)
そこで、資産運用の成果は『率』で捉えるわけですが。
投資の成果は、総資産額(投資額)に対して何%となっています。つまり投資の収入(売上?)は総資産額がカギを握るわけです。
つまり、投資における損益分岐点は売上ではなく、総資産から考えると目標とすべき額が見つけやすいという事になるわけです。
資産運用の損益分岐点はどこ?
損益分岐点売上高の計算式には固定費というものがあります。
固定費とは、売上高に関係なくかかってくる経費のことで、例えば、企業でいうと事務所を借りていれば家賃などが考えられます。家賃は売り上げがたとえ0だったとしても支払わないと退去させられてしまいますからね。
その固定費を個人投資家に置き換えると、まさに生活費でしょう。
つまり資産運用の損益分岐点とは、投資収益が生活費を上回るためには、どの程度の資産が必要なのかという事です。
例えば、月々の生活費が30万円だったとすると、年間の支出は360万円になります。
360万円の収入を投資で得るためには・・・。
自分の運用成績が何%かにもよりますが、個人的には、資産運用の一般的なリスクに耐え、欲張らず、決しておごらず、真面目に運用すれば、平均で年7%ぐらいは誰でも目指せるのではないかと思っているので、7%を基準として考えると。
360万円÷7%=約5,200万円 となります。
投資資産額5,200万円が、年間360万円使う人の損益分岐点という事になります。
もし生活費を節約してもっと抑えることができ、月20万円、年間240万円にできれば。
240万円÷7%=約3,500万円 となります。
「いや!自分はもっと運用が上手い!年15%ぐらいはいける!(おごらず??)」という人の場合は。
360万円だと、360万円÷15%=2,400万円
240万円だと、240万円÷15%=1,600万円
という事になります。
損益分岐点の投資資産額を引き下げるには、生活費を下げるか、運用利回りを上げるといった方法があることがわかります。また、生活費を下げるよりも、運用利回りを上げたほうのが損益分岐点を下げるのには効果的だという事もわかりました。ただ運用利回りを上げられればだけど・・・。
資産運用で損益分岐点を考えるのはなぜ?
どういった目的で資産運用に取組むのか?
老後の生活費として資産を蓄えたいから?、資産運用ぐらいしていないと先々不安だから?、何があっても、とりあえず食べていけるだけのお金を稼げるようにしておきたいから?
こういう目的であれば、損益分岐点までが目標ってことでいいのかもしれません。
しかし、もっと多くを求めるのであれば、損益分近点を少しでも上回っておきたいところです。
なぜなら、損益分岐点上だと、それ以降は、運用で得た収益は全部使ってしまうのだから、それ以上増えることがないってことになります。
でも、ほんと少しでも上回ることができれば、その上回った分がまた『複利』で増えていくことになります。
この効果は大きいですよね。
今までと同じようにお金を使っていても、勝手に?資産が増えていくってことです。
ここまでくると、経済的な不安なんてほとんどなくなっちゃうと思いません?
だから、目標とすべき総資産額は、自分たちの生活費から考えた損益分岐点のちょっと上ぐらいでつくるといいのかなと思っています。
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