ハーバード流ケースメソッドで学ぶバリュー投資 (ウィザードブックシリーズ)

『25年間、現物投資だけで年利18%超!』

すごいです。「えっ、たった18%?」と思うかもしれませんが、あの世界一の投資家とも言われるウォーレン・バフェットだって年利20%前後です。

つまり、年利18%での運用は大富豪になれるレベルという事です!

「5年で1億とか」「1年で100倍」とかいう人も聞くんだけど?と思うかもしれません。

でも、個人的にはそういう話はあまり信じすぎない方がいいと思っています。なかには、株ですごい儲けて、その経験を本にした後、結局財産のほとんどを失ったという人もいたりするそうです。

仮に1年で100倍になるのであれば、100万円あれば1年後には1億、2年後には100億、3年後には10,000億、ありえないよね。10年たたないで、バフェットを超えてくるのでは?

「世界的有名人ですよそれ?」という感じの話です。

常識的なレベルで、投資で成功している人の利益率は、年20%前後が大成功と思っていいように思います。まぁ、1年とか2年とかの短期的には、2倍や3倍になることもあるかもしれないけど、そういうものは下落相場が来た時にうまく調整されて、結果年20%前後にできればということもあります。

本の内容に話を戻すと。

この本では、実際に投資を行ってきた事例がいくつか紹介されているタイプの内容なのですが、個人的には、そういう本でいいものに巡り合ったと思うことはほとんどないんですよね。

なぜなら、事例紹介だとうまくいったことばかり書きたくなるからです。(まぁそんなことは誰でもそうだと思いますが。)

つまり、実際の投資よりもだいぶ脚色されているという事がほとんどのため、あまり参考にならないことが多いわけです。

この本も似たような感じかなと思っていたのですが、どうやらそれだけではなさそうだと読みながら感じてきました。

多少、いい部分を見せようとしているところもある気はしますが、あくまで何に注目し、どうやって銘柄選別を行っているかという視点で、事例を紹介しているというスタンスが感じられました。

というのも、所々に「投資は確率である」という言葉を用いていたからです。

それは、上手くいった例もあれば、失敗した例も当然あるんだよという事を意味し、ただできる限り確率を高くするためには、どういうアプローチがいいのだろうか?という視点で考えることが大切だと言っているような気がしました。

この考え方には非常に同感です。よく分散投資と言いますが、分散投資には『ただ単純にリスクを減らすことを目的とした分散投資』と、『平均回帰の法則を使う目的の分散投資』があるように思います。

この著者の考え方は、おそらくこの 『平均回帰の法則を使うための分散投資』なのだと思いました。

というよりも、この本を読みながら、今までなんとなく感じていた程度だった『平均回帰の法則を使うための分散投資』という考え方が、徐々に確信に変わってきたという感覚になりました。

そういう意味でも、ほんと読んでよかったと思っています。

事例紹介では、銘柄選別の分析法が紹介されています。その中で感じたのは、『将来のEPS(一株当たり利益)と、予想PERをつかって、理論株価を算出する』という行程はどの事例もほとんど同じだったなという印象です。

まぁ、長期的な株価というのは、基本的にはEPSの成長と一致するというのが理想的な株価形成だといえるので、そういった意味でも理論株価の計算式は的を得ているんだろうなと思いまいた。

今まで、ROEとPBRに比重を置いてきましたが、EPSの成長というのも気になる存在になりました。(ROEと似たようなものではあるけれど)

事例を紹介しながら、理論株価の計算方法など実際に投資するかどうかの銘柄判断の方法が紹介されているのは当然ですが、投資とはといった部分にも事例紹介と一緒に触れています。そこは投資を宝くじでも買うような感覚で行っている人にはぜひ読んでもらいたいところだと感じました。

投資なんて、極論から言えばマネーゲームです。しかしそこには、知的なマネーゲームであり、また数学的なものでもあり、そして物事の真理を追究しているような研究者のようでもあり、哲学者のようでもあり、そして最終的に大金をつかむためには人としての成長も必要とされているような。

こういう本を読むとそんな感じがします。

事例紹介が面倒であれば(個人的には読み始める前はそう感じていました。)、せめて、最後の章「ジャック・エルガートへの手紙」だけでも読んでもらえればと思います。たった15べージちょっとのところですが、下手な投資本を読むより参考になると思っています。

その最後の章で印象に残った一文です。

『簡潔たれ。自らの投資がどのような結果になるかは、投資家には分からない。しかし、主たる可能性を見いだし、分析しようとすることはできるし、起こるべき可能性を評価することはできる。さらには、それらの予測と経済性とに基づいて合理的な判断を下すこともできる。われわれは可能性と蓋然性の世界で生きているのであり、確実性のなかに生きているのではない。重要ながらも不明なものの数を減らすことができれば、当然、成功する確率を高めることができる。投資の結果が、比較的小さな可能性に基づいたものであるときこそ、自信を持たなければならない。』

FPたなか/㈱あせっとびるだーず


『お金のいろはファイナンシャル・プランニング』という独立系FP事務所で資産運用プラン策定の相談を行っています。

https://fpoffice.okane-iroha.com/

㈱あせっとびるだーず 
 代表取締役 田仲幹生 です。
【保有資格】
 CFP
 1級FP技能士
 宅建士

生命保険会社に勤め、その後税理士事務所に勤務すると同時期に、投資信託や株式投資を始めたが、2年後リーマンショックという株価大暴落に巻き込まれ、総資産の半分近くを失いました。
しかし、その後もめげずに投資と勉強を続け

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