パラダイムシフト?
「今は、世の中が変化する転換点にいる。」といった類の本ですね。この手の本は、「今後どうなってしまうんだ」「何か対応を考えないとまずいのでは?」といった気持ちにいつもさせてくれます。
しかし、実際は不安になるほどの変化は起きなかったりすることが多いんですよね。
そのため、この手の本は、そのまま受け入れるよりも、「一つのシナリオとしてそういう事もあるのね?」程度に収め、あまり信用しないように読んだ方がいいと思っています。
世の中の変化って、少し振り返ってみると「大きく変わったな~」なんて思うことがありますが、その変化の最中は、変化しているという事に気が付かなかったりするほどじわっと変化していたりする印象です。
そう、まるで「ゆでカエル」みたいな感じです。
つまり、どんなにヤバそうな将来を予測していても、そのヤバそうな将来に向かっている最中には、そんなに気にならないほどの変化でしかなく、異常に不安がることでもないことが多いものです。
と、ちょっと否定的な見方から入ってしましましたが。
変化の先取りをすることができれば、それはチャンスなる可能性もあるわけなので、ついついそう思いながらも手に取ってしまいます。
この本の中のすべてが本当になるとは思いませんが、いくつかは本当にそうなるのかもしれません。
特に気になったのが、原油の話です。
「トランプが狙っているのは、原油を牛耳ること」「サウジの春が来る」といった話に興味がわきました。
原油価格は長期的に下落傾向です。10年ぐらい前は、1バレル130ドル以上していたものが、現在は50ドル以下です。しかも現在進行形で下落基調?といった雰囲気です。
去年ぐらいに、底を打ったかな?といった雰囲気もありましたが、その後上昇トレンドに入る感じでもなく、低い価格のまま低空飛行を続けている感じです。
よく言われるのが、アメリカのシェールガスの話です。今アメリカは世界一の産油国となっています。そう考えると、原油価格を上げる、もしくはこれ以上下がらないようにと、OPECが原油減産合意の話が出てきても、アメリカが増産に動いてしまえば、価格を再度下落させる方向へ動かすこともできるのかもしれません。
つまり、今の原油価格はアメリカの意向で低空飛行状態を維持されている可能性は?
という疑問を持っていました。
そして、そのあおりを受けるのは、サウジアラビアやロシアといった原油が主な収入源の国々ってことですよね。
実際に、サウジアラビアは、原油以外の資産も売却しながらなんとか食いつないでいるといったこともちょっと前に言われていました。そういえばオイルマネーによる政府系ファンドなんて言葉も流行りましたよね。
とにかく、もし本当にアメリカが意図的に原油価格を下げる方向へ働き掛けているのだとしたら、サウジアラビアなどに圧力をかけるためという可能性も否定できないのではなんて安易に思うことがありました。
しかも、その原油価格の話から、イランだとかイスラム国だとかいろんなところに波及している気もします。
そんなことを、ちょろっと考えていたこともあったので。
この本の中で、アメリカと原油の話、そして原油を通して世界がどうなるのかといった話に具体的に触れていて、最終的に、アメリカは「サウジアラビアの原油を乗っ取る?」とか「サウジの春が起こる」(以前アラブの春という話題がありましたが、それを文字っている)だとかの話になってくるというのは、自分の中でストンと腑に落ちてしまった事もあり、非常に気になる話でした。
0コメント