もしかして、今のインデックスファンドブームにちょっと意見したかったのかな?と思えるような内容ですが。実際に私が持っている株式投資のイメージにすごく近いと感じました。
①インデックス投資はただ無難なだけの選択肢であり、最善のものではない。
②不景気の時など株価が下落した時に、買え。
③投資をする前に、貯蓄ができる人にならないとダメ。
④高いROEを持続出来そうな企業、要は継続的にコツコツと利益を上げ続けれらるような努力をしている企業を選ぶ。
といった話は、まさに私がイメージしていることと同じです。
どうやらこの本は株式投資の本ではなく、資産形成をするために正しい株式投資をしようという本のようです。なので、具体的な実践編を求めている人には向かないかもしれません。
むしろ、株式投資を始めた初心者や資産運用に興味を持った人が、株式投資で資産形成をするための心構えを作るということの意味の方が強いように感じました。
とにかく今は、インデックスファンドが人気です。
その主な理由に「アクティブファンドの大半は、インデックスファンドに負けている」という理由からきているように思います。
アクティブファンドがインデックスファンドに負けてしまう理由はいろいろ考えられるし、ほぼ間違いないことのようにも感じます。ですがこれは別に、アクティブ運用がインデックスファンドに負けるという意味ではないと私は思っています。
アクティブ運用がファンド(投資信託)になると、インデックスファンドに負けるということだとずっと考えていました。要は金融機関にアクティブ運用を任せてはいけないということになりますが、考えられる理由は、
①手数料が高いこと。
②運用が思ったよりうまくないこと、例えば投資銘柄が多すぎてほとんどインデックスファンドと変わらない。(たくさんの資金を集めて、たくさんの手数料を稼ぎたいのでしょうから、少数精鋭の銘柄で運用というのは中々できないのでしょうね。)
③長期的な視点ではなく、短期的な視点で運用しているように感じる。一年ごとの成績で良い運用かどうかを判断している?
④「休むも相場」がない?入ってきてた資金はすべて投資に回している。
といった点がアクティブファンドの問題点だと考えていました。
つまり、アクティブファンドを選ぶならインデックスファンドを選んだ方がいい。インデックスファンドを選ぶくらいなら、自分で選んだ少数精鋭(最大でも20銘柄以内、ちなみに伝説と言われたファンドマネージャー、ピーター・リンチは5銘柄でいいと言っている)で運用する方がいいと思っていました。
まぁ、実際に自分で正しく運用できるようになるためには、それなりの勉強と経験を積む必要もありそうですが。
そういったことが、実際に運用の現場で活躍している著者(資産運用会社のスパークス・グルーブ㈱の代表取締役)が、こうして本にしているというのは何というか、自分の考えは間違っていなかったんだなとうれしい気持ちになります。
それともう一つ。
この本の中に、「労働者が資本家にも、あるいは地主にもなれるのだ。そういう時代に私たちは生きている」という言葉がありました。
今、格差が広がって政局の不安定感が増しているとか、格差のためテロなどの事件が多発しているといった話を見かけることが多くなっていますが、実際には、今の人は昔の人よりも誰でも自分の好きなカテゴリーを目指すことができる環境が広がっているんだと、改めて思いました。
例えば、資本家になりたければ、株式市場があり、誰でも参加できます。
地主になりたければ、近所の不動産屋さんに行けば、土地建物を売る気満々で待っています。
「資本主義が生まれたのは、産業革命以降だ。『国富論』で有名なアダム・スミスによれば、当時の資本主義の主体は、「地主」、「資本家」、「労働者」の3カテゴリーしかなかったという。
本当は、労働者の下に「失業者」がおり、その失業者を労働者にするのが、当時の経済の目的だったと、アダム・スミスはいっている。ただ、労働者と失業者の間には階級間移動があったが、地主と資本家、労働者の間の階級間移動は無に等しかったのが、当時の資本主義経済である。」
と本の中にありますが。なんとも考えさせられる話です。
今は、少し視点を変えるだけで自由に移動できる環境であることがわかります。
そう考えると、今の立場に不満を言ったりする前に、目指すべきカテゴリーに目を配ってチャンスが転がっていないかどうかを気にするようにする。そうすると、ちょっとしたことで新しい発見などがあり、そのカテゴリーへ行くための道が見えてくる。
今は、そういう時代なのかもしれませんね。
つまり、資本家になるのも、資産家になるのも、あきらめる必要はない!ってことでしょう!
0コメント