テンプルトン卿の流儀 伝説的バーゲンハンターの市場攻略戦略

テンプルトンと言えば、「相場は悲観の中に生まれ、懐疑の中で育ち、楽観の中で成熟し、幸福感の中で消えていく」という格言が有名です。

ジョン・テンプルトンの投資法と言えば、バーゲンハンター。バーゲンハンターとは、割安になっている銘柄を探して買うという投資戦略、つまりバリュー投資ということになりますが。

この本を読んでいると、バーゲンハンターは一般的に良く知られるバリュー投資のさらに一歩先のバリュー投資という印象を受けます。

その理由は、「悲観の極み」。皆が悲観的になっているときに買い向かうということです。

言われてみれば、「なんだそんなことか」と思うかもしれませんが、「それが中々できることではないのですよ」と言いたいです。

だから、こういう投資ができるテンプルトンをカッコいいなんて思ってしまいます。

今のような上昇する相場を長いこと経験している時には、「暴落したら買えばいいんだ」なんて簡単に考えてしまいます。そう考えることができるのは、暴落後にまた同じくらいの価格に戻ってくるだろうという安易な思い込み?錯覚?を持っているからです。

しかし、本当の暴落は、世界中が悲観論で満たされています。そういう暴落に巻き込まれたときは、「もう元の価格に戻ってくることはないかも」「元の価格に戻るのに、何十年もかかるのではないか」という思いになっているものです。

こうして暴落時には買えなくなるのです。これが悲観です。

こういう悲観的な相場で買う人というのは、人とは違った感性を持っている人なのかもしれません。

若しくは周りの意見をそのまま受け取るようなことをしない、ひねくれものなのかもしれません。

または、誰よりも先見の明があり、感情に流されず正しい判断?ができる仙人のような人なのかもしれません。

ともかく、テンプルトンのような投資家は、自分が理想としている投資法に近いです。(ただの理想なので、出来ているかどうかは別ですが。)

本書の最後の方に、「どんなときも他人と異なる投資(異なる国、異なる方法、異なる投資期間、異なる水準の楽観主義や悲観主義による投資)を追求することが群衆に埋もれない唯一の方法となる。投資で卓越した成果を達成する唯一の方法は、市場で他人が絶望して売るときに買い、他人が貪欲に買うときに売ること」

「群衆よりも良い成績を上げたいのなら群衆と異なることをしなければならない」

という言葉が書かれています。

疑いの余地がない、言うに及ばない、正論でしょう。

それにこれは投資だけの話ではないでしょう。きっとビジネスなどにも当てはまることです。

皆が参加したがる人気の仕事よりも、人気のない仕事の方が、市場をがっちりつかめる可能性が高く、利益が出しやすい。

そういえば、世界一の投資家と言われるウォーレン・バフェットも、株価暴落の時に「セックスしたくてウズウズしながらハーレムにやってきた、まさにそんな気分です。投資を始めるには絶好のタイミングです。」

と言ったそうです。これもバーゲンハンターですよね。

考えてみれば、バフェットの投資法も、平時には一部をキャッシュで保有し、暴落時に一気に買うというバーゲンハンター投資が入ってますよね。

そもそも、本書の中でも説明がされていますが、株価が割安で放置される時というのは、買う人よりも売る人が多いときです。(これも当たり前のことですが。)

つまり、皆が売っているときというのは、バリュー投資の一番の仕込み時ということです。

バーゲンハンターになるためには。

周りに左右されない、自分なりの投資基準を持つこと。

暴落という恐怖に打ち勝ち、買い向かう勇気。

買った後も中々上昇しない上に、ハッキリとした未来が見えていない状態の銘柄を、我慢して持ち続ける忍耐力。

そして上昇相場のお祭り騒ぎに参加しないで、暴落が始まるまでじっと我慢する根気。

投資基準以外は、ほとんど技術論ではなく、精神論です。

だからこそ、誰にでもできることではないし、それがバーゲンハンターの利益の源泉になっているわけですね。

バーゲンハンターという投資法、ほんとカッコいいと思います。

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