「金は価値の高いもの!」って印象が、何故かありますね。
金は、地球上で限られた量しかないことや、大昔から高価な装飾品として使われていた歴史、金塊や小判などお金として利用されていた時代があるなど、金への絶対的価値観ってありますよね。
そんな金を投資として購入する意味って何なのでしょうか?
また投資として金を買うにはどのような方法があるのでしょうか?
金の価値って何だろう?
そもそも、金の持つ価値ってなんなのでしょうか?
金の価値を担保している理由とされているのが、『腐食しない』、『持ち運びができる』、『形をかえるのが容易』といった金という金属の特性にあると言われています。
高校の時、イオン化傾向というものを習ったことを覚えていますか?
イオンになりやすい順番にならんでいる元素記号の列を、イオン化傾向として学校で習ったかと思いますが、実はこの中にも金の元素記号Auが入っていたのです。
そして金Auは、最もイオンになりにくい元素であるということを教わったことを思い出しましたでしょうか?
つまり、金は、化学反応に強く、腐ることもなければ、錆びることもない、とても状態が安定した物質というわけなのです。
つまりは、金は永久に金のまま、ずっと変わることなく存在し、金のままであり続けるというわけです。
この存在感が、高価なものという印象を古代から与えてきたのかもしれません。
そしてこの特性は、決してなくならない財産としての機能も持つことにもなり、通貨として利用されるようにもなったともいえるわけです。
金を購入することは、投資になるのか?
金投資という言葉をよく目にします。
金を購入することは、投資になるという事のようですが、金は投資としては、とても大きなデメリットを持っています。
それは、利息を生み出さないことです。
むしろ金を保管するために保管料がかかることだってあります。
利益を生み出すどころか、保管に経費が掛かる、これらのことを考えると、金は投資ではないのかもしれません。
株式投資や債券投資ならば、配当金や利息など、所有者になんらかの見返りがあります。
ですが、金はそういうものではありません。
だとしたらなぜ金を買うのでしょうか?
実は、金投資の最大の目的はリスクヘッジにあります。
火事になっても燃え尽きることがなく、海に落としても腐食しない。
世界中どこに行っても、金の価値は認められているので、ユダヤ人は、結婚指輪を金で用意したなんて話も聞いたことがあります。
金を指輪にして肌身離さず身につけていれば、戦争などで国外に逃げることになっても、その身につけた金の指輪を売って、お金に換えてもらえば、当分の生活費として使うことができる。
つまり、そこには、「どんなことが起きても、あなたを守ります。」という意味があったのかもしれません。
昔はよく結婚指輪は、給料の3ヶ月分なんて言われていました。
最悪売って、現金化することができるという事を考えれば、同じ給料3ヶ月分ぐらいのお金になれば、次の生活環境になれるまでの期間として、結構いい感じなのかもしれません。
ファイナンシャル・プランナーのライフプランでも、緊急予備資金は、給料の3ヶ月分から6ヶ月分なんて言われていたりします。
このように、金は万が一の際に備えるためのものというイメージの方が近いといえます。
金は、投資というよりも、財産を守るという役目のもの。
そこで、よく言われているのが、ポートフォリオの10%を金で保有すると良いという話です。
金へ投資する具体的な方法
金へ投資する具体的な方法として以下の方法が挙げられます。
・純金積み立て
・ゴールドETF(上場投資信託)
・金先物
・投資信託
・東京ゴールドスポット100(証拠金取引)
などがあります。
投資の行いやすさから言うと、投資信託やETFを使った金への投資があり、その次に純金積立といった感じでしょうか。
投資として利用するメリットとして大きいのは、金先物や証拠金取引となるかもしれません。これらはレバレッジが使えるため、現金をセーブしながら金への投資ができます。
金は、収益を求めてというよりも、所詮リスクへの対処法ですから、あまりそこに現金は使いたくないと思う時もあるでしょう。
そのような時には、先物や証拠金取引などが選択肢として挙がってくることでしょう。
ですが、一般的には、投資信託やETF、そして純金積立を使うことが多いのかなと思います。
その中でもお勧めなのが、ETFです。
ETFを使った金投資
ETFは、ご存知かもしれませんが、運用コストが安いことがポイントです。
金への投資は、利息などの発生がないために、できるだけコストを安くしておきたいと考えるところです。
買うのも売るのも簡単だし、千円単位から始めることができるところもメリットでしょう。
また、最近では証券会社によっては、売買手数料無料で取引できるところも増えてきました。
さらに、貸株サービスを利用すると、購入したETFを、そのまま証券会社に貸し付けることによって、貸株金利という利息を受け取ることもできたりします。
使い勝手の良さや、コストの安さなどから見てもお勧め投資方法だといえるのではないでしょうか?
ただ、基本的に金現物に触れることができない点が残念なところなのかもしれませんが、金投資に求めることから考えれば、金現物に触れる必要はないのかもしれません。
投資信託を使った金投資
投資信託で金投資をすることも場合によってはお勧めと思っています。
基本的には、ETFを使った金投資とほとんど一緒で、売買手数料が無料な証券会社があったり、運用中にETFより若干高めになりますが、信託報酬手数料がかかったりという事があります。
そして、証券会社にもよりますが、ETFの貸株金利の現金のように、投資信託の保有額に応じてポイントとして還元してくれる証券会社もあります。
また、現物として手にできない事もETFと一緒ですね。
しかし、投資信託の中には、為替ヘッジをつかった金投資といったものもあり、投資信託を利用するなら、このタイプがお勧めです。
金は先にも言った通り、米ドルを基準にして動いています。
つまり、円から見た金よりも、米ドルから見た金の方が、値動きが素直でわかりやすいところがあります。
米ドルからみた金の値動きの方が、リスクに対して素直に反応してくれるところがありますから、リスクに対する保険としての機能は、為替ヘッジを使っている金への投資のほうがいいと思います。
純金積立を使った金投資
純金積立も悪くはないのですが、税制が他の金融商品と違うところが、残念ですが使いにくいところになっています。
金投資をする理由は、株式や債券などで持っている金融資産の価格下落に対するリスクを補完することが主な理由です。
という事は、できれば、株式や債券の損失と純金積立の利益を、相殺して税金計算できたほうがいいわけです。
ですが、株式や債券の損益は、分離課税と言って、純金積立の損益とは別に計算することになります。
純金積立の損益は、譲渡所得と言って、給料や不動産所得などと同じ分類の総合課税という扱いになります。
簡単に言えば、株式や債券で損失が発生しても、純金積立で利益が出ていたら、株式や債券の損失がどれだけ大きな損失であっても、それは無視して、純金積立の利益から税金を納税してくださいという事になってしまうわけです。
その点、先に紹介した、ETFや投資信託で金投資をしたときに発生した損益は、株式や債券の損益と、損益通算、つまりプラスマイナスを合算して税金計算することができるので、本来の目的にそった納税となることができます。
そういった意味でも、金への投資は、ETFや投資信託を利用することが今は最もいい選択肢なのではないかと考えているわけです。
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