配当や利息などのインカムゲインよりも、課税の繰り延べが出来るキャピタルゲインのが正しい選択なのだろうか?

投資で最大のリターンを狙うなら、納税額をできるだけ少なくすることが有利なのは当然のことです。

税金の支払いを将来へ先延ばしにする『課税の繰り延べ』を利用したほうのが、有利だという話もありますが、実際に実行できるものなのでしょうか?

インカムゲインとキャピタルゲインどっちが得?

株式の配当や債券の利息などをインカムゲインと言います。

インカムゲインとは、投資した資産がもたらす現金収入です。

対して、キャピタルゲインという言葉もありますが、こちらは、株式などが値上がりし、売却した時に得られる収入のことです。

資産運用で得らえる収益は、だいたい、このインカムゲインとキャピタルゲインの2つに分けられます。

大きく儲けようと考えた場合には、インカムゲインよりもキャピタルゲインの方が儲けが大きくなる傾向にありますが、キャピタルゲインを狙って投資をしてうまくいくことは、あまり多くないようで、それよりも、コツコツではありますが、インカムゲインを意識して投資をしたほうのが、そこそこ上手く行っている人が多いようです。

しかし、課税上不利だとされているインカムゲインよりも、キャピタルゲインの方が最終的なリターンは上になるのではないかとも言われているので、どっちを中心に投資を行った方がいいのか悩ましいところです。

インカムゲインとキャピタルゲインの課税上の違いよる投資の効率性?

キャピタルゲインとインカムゲインの大きな違いは課税のされ方(税金の払い方)にあります。

インカムゲインの場合は、配当金や利息など収入がある都度、課税され税金を納めることになります。

ところが、キャピタルゲインの場合には、通常、資産の価格が上昇して含み益を抱えている間は一切課税されず、売却をした時に初めて課税され、税金を納めればいいことになっています。

つまり、含み益を抱えたまま、売却をしなければ、どんなに含み益があっても、その利益に対して課税されないというわけです。

このような方法で納める税金を減らすことを、課税の繰り延べと言います。

そもそも節税の方法には、所得控除や税額控除などを使って『税金額そのものを低く』する方法と、『税金の支払いを後に遅らせる』、課税の繰り延べという2つの方法があります。

当然、税額そのものが少なくなる方が節税効果は上ですが、投資においては課税の繰り延べも大きなメリットを生み出します。

たとえば、課税の繰り延べを行うことで、『複利の力』をより効果的に使うことができます。

インカムゲインの場合、収入から税金を引いた『残り』を再投資に使うことになりますが、課税の繰り延べが使えると、課税されない収益をそのままそっくり再投資に使えるようになります。

そうすると、複利の力によって、同じ収益率でも、数十年後には、利益が出る都度課税されるのと比べると、とても大きな差となって表れてきます。

その性質をうまく利用している人の代表例としてよく持ち上げられる人が、投資の神様と言われている、ウォーレン・バフェットです。

ただ、そのバフェットも「税金のことを気にして、売るべき時に売れないのはおろかだ」とも言っているので、投資においては節税が全てではないことも確かです。

投資で分かっていることは、『予想通りにはいかないこと』

税金のことを考えれば、課税の繰り延べが利用できるキャピタルゲイン狙いは有利です。

しかも、時間をかけることでその効果はさらに大きくなるので、少しでも早い時期からキャピタルゲイン狙いで投資をすることも理にかなっています。

しかし、実際にその課税の繰り延べ効果を効果的に使えるかどうかは、まったく別の問題なのです。

そもそも、大前提として、投資で収益を上げられれないようでは、課税の繰り延べも何もありません。

具体例として挙げたウォーレン・バフェットは、投資で収益を上げる百戦錬磨の経歴を持つ賢明な投資家だからこそ、投資で収益を上げ、課税の繰り延べ効果を利用して、さらにその収益を膨らませることができるわけです。

投資をする上で、分かっていて欲しいことがあります。

投資をするときに、よく数字上のシミュレーションを行うことがあります。

投資のアドバイスを行う投資信託の営業や、ファイナンシャルプランナーなどがよくやっていることですが、実際にそのシミュレーション通りに事は運んでくれないということです。

実は、投資や金融、経済というものが『複雑系』と呼ばれるシステムで動いていることがわかってきています。

物理学のように、どのぐらいの力でボールを投げれば、どこまで届くといった計算どおりに動くものではないわけです。

投資や金融、経済には、本当に多くの、さまざまなものが影響しあって、何が要因で、どんな結果になったのかを、一概には説明できない世界なのです。

ですので、そもそもシミュレーションをしようとすること自体が不可能な事であるはずなのです。

それなのに、あたかもそのシミュレーション通りになるかのような説明は、本来おかしいことで、そのシミュレーションは、数ある可能性の参考程度にしかならないものであるはずなのです。

数字的には、正しいと言われていても、実際にその正しさを理解し、使いこなすのは、また別の問題という事です。

インカムゲインは、計画性が持ちやすい?

インカムゲイン投資の方が、キャピタルゲイン投資よりも、実感しやすく、心理的に分かりやすいというとことがあると感じています。

確かに、課税上は、キャピタルゲインの方が有利です。

しかし、実際に利益を手にすることが出来ることは、投資へのモチベーションにもなり、今後どのくらいのペースで投資をしていけば、どんな感じなってくるのかのイメージも湧きやすいです。

予測がつかない世界で、モチベーションが保て、なおかつイメージとのずれが、大きくなりすぎないことは、とても大切なことだと思います。

投資をするのは、機械でなく、私たち人です。

実は、この人というのものには、合理的な計算で動くことが出来ない心理上の弊害があるという事が、徐々に分かってきています。

つまり、合理的に正確で正しいことよりも、私たち人の心理にあった、多少合理的でなくても、できる範囲での正しい判断が下せることの方が大切だと思うわけです。

インカムゲインに狙いをつけるというのは、確かに節税という視点での合理性には合っていませんが、投資を続けるという事に関しては、十二分に効果的な方法だと思っています。

キャピタルゲイン狙いで、稼いでいる人よりも、インカムゲインでコツコツ利益をもらっている人の方が上手く行きやすいのにも、そこに理由があるのかもしれません。

キャピタルゲインを狙って投資をするのは、インカムゲインでの投資に慣れてからでも遅くはない気がします。

FPたなか/㈱あせっとびるだーず


『お金のいろはファイナンシャル・プランニング』という独立系FP事務所で資産運用プラン策定の相談を行っています。

https://fpoffice.okane-iroha.com/

㈱あせっとびるだーず 
 代表取締役 田仲幹生 です。
【保有資格】
 CFP
 1級FP技能士
 宅建士

生命保険会社に勤め、その後税理士事務所に勤務すると同時期に、投資信託や株式投資を始めたが、2年後リーマンショックという株価大暴落に巻き込まれ、総資産の半分近くを失いました。
しかし、その後もめげずに投資と勉強を続け

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