資産運用では、コスト意識がとても大切。
コストは、リスクとは関係なくリターンを直接引き下げる要因ですから、当然です。
特に金融商品によくある見えないコストには、要注意。
信託報酬手数料ってなに?
信託報酬手数料とは、投資信託に係る費用のことです。
お金を投資信託に預けて、運用してもらっている間、継続的に預けているお金から差し引かれている運用のコストです。
投資信託の基準価格(投資信託の値段ともいえる数字)には、この信託報酬手数料が控除された後の数字になっているので、どのくらいの費用を払っているか実感がわきません。
そのため、気づかないうちにボディーブローのように効いてくる。
これが、この信託報酬手数料です。
信託報酬手数料は、預かったお金の管理や、運用を行うシステムの利用料、運用を行う人たちの人件費などを支払うための費用です。
そう説明されると、「しかたがないかな?」とも思ってしまう手数料かもしれませんが、そう思って支払っていると、リターンのほとんどを削られてしまうことがあるので、注意が必要なコストなのです。
信託報酬手数料が低いことは、そんなに重要か?
信託報酬手数料というのは、長期投資を行う場合の非常に重要なポイントです。
長期投資で成功するために必要なことは、「複利運用」です。
運用で得た利益を追加で投資し、さらに収益を増やしていくことが、長期投資の最大のポイントであり、ある意味資産運用で成功に導くためにできる唯一の方法でもあります。
ですが、信託報酬手数料は、年何%でかかるコストなので、そのコストの%は、運用のリターンをそのままそっくり同じ%分引き下げることになります。
具体的に言えば、年率3%のリターンが期待できる投資に、信託報酬手数料が1%かかると、3%-1%で、この投資信託の期待リターンは年利2%という事になります。
ということは、信託報酬手数料を差し引かれると再投資できる利益が減ることになるため、運用する期間が長くなれば長くなるほどその影響は大きくなってくるわけです。
例えば、100万円を30年間、年3%で運用すると、30年後の資産額は約242万円になりますが、これを4%で計算し直すと、約324万円になります。
つまり、たった1%の違いが、30年もたつと資産が34%程度変わってくることになるわけですね。
信託報酬手数料は、長期投資をする上でとても重要なポイントになっています。
はっきり言って、投資信託は、短期売買ではなく長期投資をすることが目的の金融商品でしょう。
つまり、投資信託で運用するならば、信託報酬手数料は必ず確認した方がいいでしょう。
0コメント