正直、タイトルに騙されました。
運用術なんて書いてないです。主に金利の話です。それとお金の対する考え方というか、使い方というか、そういうった内容のものです。
金利の話については、ほとんど経済のことについてです。しかしこの本を読む前に『市場は物理法則で動く―経済学は物理学によってどう生まれ変わるのか?』を読んでしまったため、なんとなく説明不足感を感じてしまいました。
『市場は物理法則で動く―経済学は物理学によってどう生まれ変わるのか?』では、経済はいろんなものが絡み合った複雑な世界であることを前提に話を進めています。しかし、この本の説明に使われている経済の話は、閉じた世界の経済になってしまっています。
例えるなら、為替の話でいえば、A国とB国が合理的な考えに基づいて取引した結果、お互いの為替の価格はこうなる。といったものです。
しかし、実際は『市場は物理法則で動く―経済学は物理学によってどう生まれ変わるのか?』でいうように、A国とB国の他にも、C国、D国・・・と沢山の国が絡み、さらに国だけではなく、個人投資家や企業、投機家、ボランティア団体、旅行者といろんな立場の人がいます。
その場合、すべての市場参加者が合理的な判断のもと取引しているとは言えない。つまり、市場はゲーム理論的に説明できるような合理的な動きをしているわけではないということでした。
しかし、経済の話となると、いつも合理的に判断すれば「この水準」に落ち着くはずといった論理で展開されることが多いです。この本からもそういう雰囲気を感じました。
と、良くないようなことばかり言ってしまいましたが。
現実とは違っても、原理原則を押さえておく、知っておくということは大切なことだと思います。ただ個人的に物足りない感じがしてしまっただけという話です。
タイトルの「最強のお金の運用術」に関しては、なんでこんなタイトルにしたのか納得がいかない部分もありますが。
金利について知っておくことは、本気で資産運用をしていくつもりならば、必ずおさえておくべき話だと思っています。
むしろ、すべての資産運用の基本にあるのが金利という存在なのかもしれません。
金利とはなんなのか?
金利が発生する理由は?
金利が動くのはなぜ?
経済と金利のつながりとは?
この辺のことは学んでおいて損ではないと思っています。まぁ金利というものがなんなのかの「本当に」正しい答えはわからないわけですが(複雑系の世界では理屈がすべてではないと思うから)、なるほどと思うだけでも、金利の世界の見え方は変わってくると思います。
タイトルは「最強のお金の運用術」なんて書いてありますが、中身は運用術ではなく金利を学んで資産運用に生かせないかという内容だと思って読んだ方が良さそうです。
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