ちょっと読みづらいところもあるんですけどね。
それでも、今後の相場の参考によく読んでいます。このシリーズは定期的にアマゾンの電子書籍で販売されています。
相場って予測しようとしても、なかなか上手くいかないものです。
でも、この著者が書いた、「相場ローテーションを読んでお金を増やそう」を読んだときに、相場にはある程度のローテーションがあるんだと気づいてから、株式市場だけではなく、コモディティや債券(金利)、REITなどの動きにも気を配るようになりました。
今の私の、相場のサイクルを利用して投資の仕方を考えようというのも、この本を読んだことから始まったのかもしれません。
「相場ローテーションを読んでお金を増やそう」は2008年に発売された、そこそこに古い本です。
そして、今回の「最新版 相場ローテーションはこう動く Black Book Kindle版」は、その続きといった感じです。
約10年の期間を開けて、やっと次の本が出たという感じですが、その理由には、世界的な異次元の金融緩和が始まったことで、相場のローテーションが崩れていたため、はっきりとしたものが見えなくなってしまったからということでした。
そして、今回その相場のローテーションが出てきたため、この本を書かれたということでした。
内容的には、とても参考になる、またいろいろと気づかされることが多かったように感じています。
本の大部分の内容は、米国の長期金利に関する内容が多かったです。
米国の量的緩和や世界的な超低金利が続き、債券市場がおかしくなっているというのは、なんとなくわかっているつもりではいましたが。
過去のデータやグラフで見せられ、また説明が入ると、改めて「なるほどなぁ」と思わされることが多く。
また、今後の市場の動向にも、金利というものが大きくかかわってくるのかもしれないと思いました。
「相場ローテーションを読んでお金を増やそう」を読んで強く印象に残ったのは、REITは株式市場に先行して下落相場に入るという話でした。
実際、2015年夏ごろからの株価の下落の前に、日本のREIT指数が先に下落を始めていました。
「相場ローテーションを読んでお金を増やそう」では、米国REITを対象に分析をしていましたが、もしかしたらと思い、その時に守りのポジションを増やしました。
おかげで、その後の中国ショックで何とか大きな損失も出さずにすんだという経験もあり、さらに相場のローテーションとサイクルを気にするようになっています。
そして今回のローテーションですが。やはり長期金利が大きなカギを握ることになるだろうとのことでした。
米国が量的緩和を止め、政策金利を上げ始めて久しいですが、まだFRBの膨張した資産を減らすには至っていないため、相場の流れがおかしくなっているところがまだあるようですが、バランスシート(資産)の縮小を始めたら、本来の流れに戻るのではないか?と考えられます。
そうなると、①長期金利の上昇⇒②米国REITの調整⇒③米国政策金利の引き締め⇒④米国株の調整という流れが出てくるのかもしれませんね。
そして、実際①と②には、その気配が出てきているようにも感じます。
そして、③の米国政策金利が、今月(2017年3月)に利上げがあるのではないかという意見が強くなってきています。
しかも、利上げがあるとしたら、筆者が本の中で危惧していた、政策金利1%台にはいることになる可能性が高いです。
これは、ある意味見ものです。
筆者の危惧しているようなことが起こるのか、それともまだ相場のローテーションは崩れたままなのかがはっきする可能性がありそうです。
個人的には、かなり気になるポイントになってきました。
確か、「もっとも予測が当たる経済アナリスト」という触れ込みの中原圭介さんの書籍でも、金利が上がると、米国の自動車産業は頭打ちになると言っていた気がします。
また、米国の自動車産業の頭打ちは米国の景気に重大な影響を及ぼすといったことも言っていた気もします。
金利にこれほど注目しようと思うのは、これまであまりなかったかもしれません。
個人的には、筆者が描くシナリオの中の一つ、ブラックマンデー型というのが一番気になるところです。
ブラックマンデー型は、株価の大きな調整が起こったが、その時には景気の悪化は伴っていなかったということでした。
つまり、トランプ大統領にしてもイエレン議長にしても、期待先行で高くなっている株価を一度冷まし、景気悪化に関しては後にずらして、ある程度対応できる時間を作りたいというシナリオが一番理想なのではないか?なんて考えるからです。
インフレやバブルを抑えるためのシナリオとしては、これが一番いいのかな?なんて思います。
また、今の状況はいろんなところで、ブラックマンデーのころと似ているところがある点にも興味がわきます。
とにかく次の米国の政策金利の動向には注目したいところです。
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