この著者、山崎和邦さんの本は、結構好んで読んでいます。
投資の考え方や、投資戦略が自分の感じていることや考えていることに近い所もあるのか、非常に腑に落ちやすく、納得できるところがあります。
なので、自分の投資に対する考え方や姿勢を改めて、見直すような感じで読んでいます。
ただ、ちょっと回りくどい説明をするところが、もっと直接的でもいいんじゃないかな?と感じるとこはありますが。
それと、残念ながらこの本を読むならば、前著の『 賢者の投資、愚者の投資』の方がいいのかなとも思いました。
「負けない人には行動原則がある!」と言っているわけですが。
投資という世界では、勝とうとするよりも負けないことを重視したほうがいいと言われています。
投資の名著『敗者のゲーム(チャールズ・D.エリス)』では、投資をテニスに例えています。
プロのテニスでは、相手から点を取ろうとすることで、試合に勝とうとするが、素人のテニスでは、自分がミスをしないように試合をすることで、相手のミスが点につながり、その方が強いという話です。
投資の世界は、この素人のテニスに似ていると言っています。
強欲になって、人に勝とうとする人ほど負け、負けないことを重点的に意識して投資をすることで、チャンスの場面で勝ちを手にすることができる。
これは、私の実体験からしても、明らかにそうだと感じています。
例えば、バリュー投資という投資法がありますが、これは、グレアムの言う「安全域」を意識した投資法だと言えます。つまり負けを少なくするということです。
世界トップの投資家であるウォーレン・バフェットが、このグレアムの投資法から現在に至っていることを考えれば、正解だとは言えないかもしれませんが、間違いではないのは確かだと言えます。
他には、インデックス投資信託を、毎月何も考えず積立で購入し続けるドルコスト平均法を続けているだけで、投資元本が倍になったなんてことも珍しい話ではありません。
両方に共通するのは負けない投資法だということです。
そして、負けない投資法を実践するためには、「負けない」という考え方。
筆者の言葉を借りれば、「賢者の習慣」が重要になると思います。
投資法がどんなに優れていても、それを実践するのは一人の人です。「賢者の習慣」がなければ、その投資法を実践し続けることが難しいのも投資の世界です。
「なぜ難しいの?」と思うかもしれませんが、これに関しては実際に投資を始めて見なければ、なかなか感じられないことなのかもしれません。
世界では、常に新しい金融サービスが開発されています。最近では「ロボアドバイザー」や「AI」というのが話題になっています。それらの新しいサービスが話題になればなるほど、使いたいという気持ちが出てきます。
また、負けない投資法というのは、勝つ投資法ではないため、相場状況がいいときには、他の人より成績が振るわないため、他人の投資法がうらやましく感じられることがあります。
投資の世界は、こういった誘惑でいっぱいです。
こういった誘惑に負けないための方法が、「賢者の習慣」を身につけるということなのかもしれません。
個人的にも、投資手法や投資戦略よりも、まずはこの「賢者の習慣」を学び身につけることの方が大切だと感じています。
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