不動産投資は資金戦略が鍵?『“丁字戦法"でめざせ10年後の経済的自由(田島 浩作)』
丁字戦法ってなに?
本書のタイトルにもある丁字戦法って?
丁字戦法とは、不動産投資でつかわれる言葉ではなく、日露戦争の日本海海戦で日本海軍がとった戦法のことを言っています。
味方艦隊の主砲を敵の先頭艦に集中することで、1隻ずつ確実に撃沈させていった戦法のことです。
本書で言うところの不動産投資の丁字戦法とは、一物件づつ確実にローンを返済し、無借金状態にしていく作戦のことを言っています。
不動産投資は、無借金状態の物件が増えれば増えるほど、有利になっていきます。
不動産投資は、「借り入れをしてなんぼ」と思われがちです。
ですが、最終的には、借り入れなんてないほうが良いってことです。
借り入れは、債務。返済するという責任を追うこと。
不動産投資で収入を増やしてサラリーマンをやめて経済的に自由になろうと思っていたのに、借金ばかり増えて、気がつけば銀行に返済しなければという責任が重く残って、結局経済的自由というほどのんきにしていられないこともある。
言われてみれば、そのとおり。
著者が、バブル崩壊時の不動産業界を見てきたというだけあって、借り入れというものへの考え方には本質的なものを感じました。
本書の内容は、基本営業?
本書は、日本財託という区分所有の都内の中古ワンルームマンションを扱っている不動産会社から出ている本です。
なので、基本的には営業のための本という感じがする本になっています。
悪いことはあまり書かず、いい面だけを見せて、不動産投資をはじめたいと思わせるような話にまとまっています。
本書を読むと、投資をするにあたって、一番気にするお金というところでの不安感をなくすような話がほとんどです。
その結果、「このやり方ならやれるんじゃないか?」と思わせるような印象になっていると感じました。
しかし、現実の不動産投資は、事業だと思っています。
不動産投資は、お金をやりくりするだけではなく、マンションという現物があるために、修繕費や管理といった他にも様々な疑問点や問題点がでてくるものです。
つまりは、まだ表面に現れていない、知らないリスクがたくさんあるということを知らなければいけません。
ただ、こればかりは、実際に初めて見ないとわからないものです。
「それでもやってみたい。」と思える人でなければ、やはりやるべきではないのかもしれない。
頭金なしで不動産投資なんて話もあったけれど、やはり数百万円のお金を使うという覚悟を持つためにも、頭金は必要な気がします。
不動産投資に興味のあるけれど、最初の一歩が踏み出せないという方は読んでみると良いのかもしれません。
内容はともかく、少なくとも「よし!やってみよう。」という気持ちにさせるものはある気がします。
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