相場が下落した。調整?急落?暴落?、これってどう考える?
「相場が大きく下落した。」
そんな時各メディアでは、急落や暴落という言葉を使ったり、調整という言葉を使ったり。
これといった決まりもないように感じますが、これらの言葉をどう捉えて考えると良いのでしょうか?
大きく相場が下がりだすと、いろんな言葉が?
相場が大きく下がりだすと、『大幅下落』、『急落』、『暴落』、『クラッシュ』、『調整相場』、『クライシス』、『ブラックスワン』、『弱気相場』など様々な言葉が使われるようになってきます。
これらの言葉の定義に、明確なものがあるようにも感じませんが、私たち投資家にとっては、これらの違いの受け取り方は、死活問題になることもあるように思います。
『言葉の違いよりも、相場の雰囲気か?』
言葉の違いで、意味が変わるというよりも、相場の雰囲気が言葉の違いに表れているようにも感じます。
例えば、同じ1,000円の下落でも、大幅下落と言われたり、急落と言われたり、はたまた調整と言われたりします。
言葉の感じ方からすると、急落や暴落と言われるよりも、調整と聞く分には、大きな下落ではないように感じるものです。
もしかすると、この時は、「ちょっと下落してもすぐ取り返せる」と考えている人が多いので、『調整』といった言葉を使っているのかもしれません。
つまりは、まだ市場に強気の見方があるという事でしょう。
対して、暴落や急落といった、悲観的な言葉が使われだすと、市場に「ヤバい」という雰囲気があることを意味しているのかもしれません。
このように、言葉の違いは、その言葉の意味にあるのではなく、その時の市場の雰囲気を表しているように感じます。
同じ1,000円下落でも時によって意味は違う。
「日経平均が1,000円以上の下落をしました。」
といったニュースを見ることがあります。
この時、大きく下落したなという雰囲気で報道されると、その報道の通り、急落したと感じてしまうものです。
しかし、日経平均が15,000円の時の1,000円下落と、28,000円の時の1,000円下落は、まったく意味合いが違うものです。
相場の下落は、円ではなく、%で考えるのが、株式投資などの下落の捉え方の基本です。
直近の高値から、何%下落したのか、その見方が実務家の相場の見方だと考えています。
『投資の基本は、円ではなく率で考える。』
率というものの考え方は、下落相場に限らず、投資のすべてのことについて当てはまってきます。
投資では円という単位はそれほど重要ではなく、率を意識したほうのが、何に投資をするのか、投資先の価格は妥当なのかどうか、といった判断に役立ってきます。
どうやらこの世の中は、率でできているようです。
私たちは、足し算や引き算よりも、掛け算や割り算で物事を考えたほうのがいいのかもしれません。
下落相場での言葉の雰囲気に惑わされない?
率で物事を見るようにして、言葉の雰囲気に振り回されないようにする。
大きく下落したと思わせるような、「日経平均が1,000円の急落」といったニュースは、必ず高値からの下落率に置き換えて考える癖をつけた方がいいと思っています。
そうすると、あることが見えてくるものです。
実は、高値から10%程度の下落は、1年の内に、1,2度あるという事です。
つまり、10%程度の下落は『調整』だという事に気づくわけです。
たとえば、日経平均が29,000円まで上がった時には、10%下落の26,100円ぐらいまで下がることは、あって当然の「調整の範囲」だと考えることが出来るわけです。
長期投資というスタンスで挑む人にとっては、実はそこからが本番になってきます。
特に、急激に上昇しているような相場では、ちょっと下落が始まっただけで、大騒ぎとなることもあったりします。例えば、長期投資家が本格的に出動を検討するような10%下落にはるかに及ばない、5%程度の下落でも、「大きく下落した」なんて報道されていることも少なくないものです。
相場の調整や下落相場のパターンには、2つの見方がある?
相場の下落時には、2つのパターンを意識してみる。
1つが、値幅調整。もう一つが、日柄調整。
意味は言葉の通りで、値幅調整は、大きく下げる調整であったため、その下落幅のわりに下げ切るのに、それほど日数がかからなかったりし。
逆に、日柄調整は、大きくは下げてはいないが、じわじわと長い下落期間になってしまったといったことがあります。
ある程度調整が終わるには、大きく下げるか、時間をかけるかのどちらかが必要なようです。
大恐慌の時のように、値幅と時間の両方を必要とするような時も歴史的にはあったようですが、多くのケースでは、値幅か日柄かといった関係性があるように思います。
つまり、大きく下げた時には、下げ終わるのは早いかもしれない。
大きく下げない時には、しばらく下落していく相場が続くかもしれない。
といったことが経験則から考えられるわけです。
相場が下落してく弱気相場とどう付き合うかは、投資家にとっては、ものすごく重要な事になってきます。
弱気相場では、どんなことが起こるのか、また、どんな傾向があるのか、強気相場の内に弱気相場に入った時のシミュレーションしておくこと、いざという時、ピンチをチャンスに変えられることもあるかもしれません。
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