神と進化論の話。『さらば、神よ(リチャード・ドーキンス)』

神とは何なのか?

普段あまり神に意識を向けていない、無神論者という感じの人が多い、日本人にとっては、あまり馴染みのないはなしだと感じます。

実際、この本を呼んでいてもあまりピンとこない感じがありますが。

それでもこの本には、私達の世界観に新たな気づきを与えてくれる気がします。

神さまと私たち?

普段、神をそう強く意識していない私達。

そんな無神論者とも言われる者にとっては、本書の序盤はあまり良くわからないことのように感じました。

特定の宗教というものを持たず、また特定の神さまを信じているわけでもなく、神さまなんていないということだって当然のように話すことができる感覚をもっている。

さらには、神さまを神というよりも、ある事象や偶然の出来事などを神と置き換えて使うことも当たり前のようにしてしまっている。

そんな感覚で神を考えている自分には、本書の序盤の神の話は、多少ついていけないところがありました。


しかし、実際には、そのような感覚で神のことを考えている人の方が少数派で、世界の大部分の人が、何かしらの神を信じている。

そして、その信仰というものが、どういうものなのかということを、この本を読んだことで、改めて認識させられた気がしました。


神というのは、何なのか?

著者のドーキンスは、神を信じることで、本当の世界を理解することができなくなる弊害を嘆いているということを、この本をから感じました。

神は、本当に正しいのか?

それを信じるに値する理由は何なのか?

それを改めて考えてみましょうというのが、本書の最初から中盤までの流れです。

正直、神という設定がなんなのかをよくわかっていない自分(本書でそのことを気付かされた)にとっては、退屈にも感じるところでもありましたが、読み進めていくうちに進化論の話になってくると途端に面白く感じてきました。


神がどうのこうのというよりも世界観の話?

神の話と現実の話で矛盾が生じる一番の論点として、進化論があげられます。

進化とはどういうことなのか?

どうやって進化してきたのか?

生物の精巧さ。

見事なまでにデザインされた生命の神秘。

生命だけでなく、自然界の原子や分子とったものへの理解まで。

多くの宗教では、神という存在が、すべてを創造したと考えているわけですが

その世界の見事さを知れば知るほど、どうしても「神はいないのではないか?」という結論にならざるを得ない。


そもそも、私たち人間という種が、神という存在を考え、信じてしまうという思考をするように進化をしてきたのかもしれないとドーキンスは言っています。

考えてみれば、無神論者である私達であっても、神という言葉をよく口にします。

その神という言葉を使うときは、大体において、「よくわからないもの」に出会ったときや、「たまたま」の出来事にあったときです。

「偶然に期待して、神頼み」なんてのがいい例です。

つまり、私達は、私達が理解できる思考の限界を迎えたときに、「神」という便利な存在を利用しているだけなのかもしれないと思いました。

本書にもありましたが、私たち人の思考は、「こうだからこう」といったように原因と結果を当然のように結びつけたがる傾向にあります。

そして原因がはっきりしないことに対しては、うまく結論付けられない。

つまり、理解できない。


人が、偶然というものへの理解がうまくできないように造られているという話は、他の本でも読みました。

しかし、この世界は、複雑なシステムで成り立っており、偶然と不確実なものからできていて、ある結果に対して、常にたった一つの明確な原因があるとは限りません。

これは、投資やトレーディングなどをしていると痛いほど思い知らされる世界観です。

そして私達は、偶然や不確実をうまく理解できないので、思考の癖で、どうしても「神」という存在を利用したくなるのです。

この視点は、面白い気づきでした。

だから「神」があり、私達は「神」が必要なのかもしれない。


でも、人は科学の力で、そのよくわからないものを「神」という言葉で片付けることなく、少しずつだけど理解できるようになってきた。

しかし、そこに至るのは簡単なことではなかった。

たとえば、進化論を唱えたダーウィンは、人は神が創造したものではないという進化論の結論に、神を信じるものたちからの強い抵抗にあい、否定されてきたという歴史があります。

確かに、世界にはまだまだわからないことがたくさんあります、

楽をするなら、その部分を神として説明してしまったのほうが楽なのかもしれません。

でも、大変かもしれないけれど、もっと科学を信じてみませんか、というのをこの本でドーキンスが問いかけているわけです。

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